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パリ、異邦人たちの味
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パリ、異邦人たちの味

パリ、異邦人たちの味

モロッコの「3種の粒のクスクス」、エチオピアの「ご馳走盛り合わせ」、ベトナムの「フォー」、スペインの「青唐辛子の素揚げ」、ポーランドの「パストラミのサンドイッチ」……etc. パリっ子だけが知っている、とっておきのエスニック料理&レストランを紹介します。

  • 書籍:定価1870円(本体1,700円)
  • 電子書籍:定価1496円(本体1,360円)
  • 2016.01.28発行
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内容

おいしいものと旅行が大好きな、パリっ子カップルが教えてくれた、30のパリの異国レストランを紹介します。

パリで見つけた、おいしいエスニック

これほど多様な食材と料理がふつうに味わえる国って、他にはないだろう。いろいろな国の珍しい食べものが、お金のある物好きなグルメのためではなく、その味を現地と同じように懐かしく味わいたい人々のために存在している、というところがいい。だからたいてい値段が安いし、「オーブン○度で○分間火入れする」なんてことを威張ったりもしない。

この本で紹介するのは、そんな他所の国の食べものが気楽に味わえる店ばかりだ。(「はじめに」より一部抜粋)

目次

はじめに
パリ全図(本書掲載店マップ)
第1章 異邦人たちの運んできた故郷の味を、パリの街角で味わう。
<レバノン>
砂漠の人々の生活に欠かせないナツメ椰子の実 ●デーツ

<中国>
このところ目が離せない、パリ中国料理事情 ●キジとキノコの鍋

<フランドル >
北の街から届いた、甘く香ばしい伝統焼き菓子 ●ヴァニラ味のゴーフル

<フランドル>
レトロな缶に詰まった、バターの香りの洋風煎餅 ●ダンケルクのゴーフル

<イギリス>
軽い昼食、ブランチにぴったりの英国風卵料理 ●エッグ・ベネディクト

<シリア>
ダマスクローズの花弁に包まれたショコラ ●シリアのバラのチョコレート

<中国(雲南)>
中国の奥地に伝わる麺料理で暑さをやり過ごす ●雲南の壺入り麺

<バスク >
バスク料理の最後にかならず出てくる名物菓子 ●ガトー・バスク

<スペイン>
ガリシアの大地で育った緑色の柔らかい唐辛子 ●青唐辛子の素揚げ

<エチオピア>
大皿に並んだ肉や野菜を手づかみで食べる快感 ●エチオピアのご馳走盛り合わせ
第2章 エロディとリアズの教えてくれた異国レストラン à Paris
おいしいものと旅行が大好きな二人が太鼓判を押す、パリの街のエスニック・レストラン

<レユニオン>
ヴァニラの香る南インド洋の火山島レユニオン ●ソーセージのルガイユ

<パキスタン>
ムガル帝国の味を伝えるパキスタンと北インド ●仔羊のカレー

<インド>
世界中に展開する南インドの菜食と粉の食文化 ●豆の粉のドーナッツ

<アフガニスタン>
医食同源の知恵がいまも活きるアフガン料理 ●仔羊とカブの煮込み

<ギリシア>
夏野菜とニンニクのピュレと、エーゲ海の太陽と ●揚げ野菜の盛り合わせ

<ベトナム>
本国ベトナムに勝るとも劣らない米粉麺フォー ●フォー

第3章 移動する人々を受け入れてきた街、パリ。過去も、そしてこれからも。

<ラオス>
タイともベトナムとも微妙に異なるラオスの味 ●ラオス風ネム

<チベット>
日本と遙かな中東とを結ぶ味の中継点チベット ●豆腐と野菜のカレー

<グルジア>
グルジア風煮込みは胡桃とエストラゴンの香り ●仔羊の煮込み、胡桃ソース

<ポーランド>
ポーランド出身の母娘が二人で営む東欧食品店 ●パストラミのサンドイッチ

<ユダヤ>
黒服に黒帽子の男たちが行き交うユダヤ人の街 ●3種のキャビアの盛り合わせ

<イラン>
イランの女たちが受け継ぐ伝統の米料理ポロウ ●レンズ豆と干しぶどう入りピラフ

<クルド>
路上に行列ができるクルドの焼き肉サンドの店 ●クルド風ピッツァ

<イタリア>
主役はナポリから来た陽気なピッツァ職人たち ●ピッツァ・マルゲリータ

<ポルトガル>
緑のテラスの陽射しが心地よいポルトガル食堂 ●干ダラの炒めもの

<スペイン>
ハモン・セラーノとパエリアは夏休みの味がする ●パエリア・ロワイヤル

<ペルー>
アンデスの地で育った不思議な野菜と海の幸と ●魚介類のスープ

<モロッコ>
星空の下の饗宴を思い出す砂漠のハーブの匂い ●3種の粒のクスクス

<カメルーン>
カメルーン出身のシェフはアフリカ料理の達人 ●鶏のココナツ煮込み

<ルワンダ>
人道支援中に知ったアフリカの豊かさと美しさ ●ルワンダ風牛肉のラグー
コラム・パリの異国人街 
   *中華街(13区)
   *フォブール・サンドニ通り(10区)
   *ベルヴィル界隈
   *ポワソニエ通り(18区)
   *ロジエ通り(4区)
いちばん最後にフランスのおいしいモノを少しだけ。
*お祝いごとにはかならず登場する、愛らしいお菓子 ●ドラジェ

*ひと振りで味を際立たせるトリュフのパワー ●トリュフ味の塩

*手をかけ、時間をかけて焼く田舎パンの味わい ●ル・パン・デザミ

*男上位の高級ショコラ界に挑戦する可憐な乙女 ●ティフェーヌさんのショコラ

*イカや豆の料理がじょうずな路地裏ビストロ ●小イカのソテとイカ墨ごはん

*ピスタチオ入りの腸詰めで作る冬の煮込み料理 ●リヨンのソーセージ

*坂の途中にある、夢のように美しいお菓子の店 ●ピュイ・ダムール
あとがき
地域別索引

略歴

稲葉由紀子(いなば・ゆきこ)
1946年生まれ。東京教育大学卒業後、フリーのグラフィック・デザイナーとして『アンアン』や『クロワッサン』など雑誌のレイアウトに携わる。1987年より家族とともにフランスに在住。おもな著書に『パリのお惣菜。』『おいしいパリ暦』『おいしいフランス、おいしいパリ』(フィガロブックス、CCCメディアハウス)、『須賀敦子のフランス』『フランスのおいしい食材ノート パリ郊外アントニーの市場から』(河出書房新社)、『パリの朝市ガイド』(文化出版局)などがある。

●写真/稲葉宏爾
●デザイン/佐藤武志(BABLO graphics)
●本文地図/DESIGN WORKSHOP JIN
●校閲/麦秋アートセンター