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フィガロブックス おいしいパリ暦

おいしいパリ暦
稲葉由紀子 著
  • 書籍:¥1,700(税別)
  • 電子書籍:¥1,360(税別)
  • 四六判・並製/224ページ
  • ISBN978-4-484-11205-3 C0095
  • 2011.04発行

夏には、夏野菜を炒め煮したラタトゥイユ。冬はポトフにアンディーブのサラダ。――パリ郊外の季節感あふれる暮らしを綴った「フランス・食の歳時記」。

書籍

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電子書籍

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内容

夏には、夏野菜を炒め煮したラタトゥイユ。
冬はポトフにアンディーブのサラダ。
――パリ郊外の季節感あふれる暮らしを綴った「フランス・食の歳時記」。
「フィガロジャポン」の好評連載が1冊に。

家族でパリ郊外に移り住んで20年。暮らしてわかったフランスの食文化の豊かさを、生き生きとしたエッセイと写真で紹介。季節ごとのフランスの食卓から、旬の食材や料理をお届けします。
全頁オールカラー。

「はじめに」より

 朝市の屋台には旬の野菜や果物が並び、まだ外は零下なのに、春の息吹を告げるサヤエンドウやアルティショーが南仏から届いている。カキやムール貝もまだまだシーズン。フランスで実感したのは、お金を使わなくても季節感あふれる食材を堪能できることだ。毎週市場に通い、屋台を眺めて季節の移り変わりを確かめる。私のフランス生活は、どうも朝市を中心に成り立ったみたいです。

 人に聞いたり本で読んだりして、フランスの家庭料理もいくつかは作れるようになった。夏には、ピカピカの鯖を使ったマリネ。夏野菜を炒め煮したラタトゥイユ。秋はキノコ料理。冬はポトフにアンディーブのサラダ。星付きレストランの手のかかったソースや盛りつけは真似できないけれど、昔ながらの家庭料理はコツさえ覚えれば難しくない。出来合いのお惣菜だってなかなかおいしくて、朝市をひと廻りすれば、「今日のごはん、何にしたらいいか分からない」なんてことはありえないのだ。

 子供たちが小さいうちは毎日せっせと三食作っていたので、彼らが成長し、このバニューの家を離れたいまも、市場で買物し食事の準備をすることが、私の生活の基本になってしまっている。せっかくだから「サクランボ狩り」だの「葡萄の収穫」だのと理由をつけては友人を呼び、ワインの品定めなどしながら気楽な宴会。ワインの空き瓶の溜まる速度はかなり上がってしまうけれど。反対に、この家に越してからパリに出かける回数がちょっと少なくなってしまった。

 おいしいものを食べるのに、「がんばる」とか「努力」とかいう言葉は似合わない。
 ゆっくりと巡る季節を眺め、「葡萄が黒く熟れるのを待って」味わうだけでいい。そうしているうちに、自分だけの「おいしい暦」ができあがるはずです。

目次

4月
アルティショーの白チーズ詰め
ラディッシュ
レモンケーキ
ココット入り半熟卵、オゼイユソース添え
マテ貝の炒めもの

5月
ウサギのソテ、ローズマリー風味
フレージエ
ブラッシュ風干ダラの炒めもの
川カマスのクネル、ソース添え

6月
リュバルブのタルト
白アスパラガス
塩バター入りキャラメル・クリーム
鴨の砂肝のサラダ
アンズのタルト

7月
バジル
イワシのファルシ
キャロット・ラペ(細切りニンジンの酢油ソース和え)
ラタトゥイユ
ニンジンの冷たいスープ、オレンジ風味

8月
鶏とローズマリーの温かいケーキ
コルシカの手作りハム・ソーセージ盛り合わせ
冷たいピペラード
ヤサ(鶏のライム風味)
牧場の搾りたて牛乳
ブルーベリーのタルト・アルザシエンヌ

9月
牛肉のタルタルのポワレ、コリアンダー風味
ミラベル
スペイン風イカの炒めもの
タプナード
ル・トルーソー

10月
3種の麦粒を使ったクスクス
洋梨のスパイス煮
豚足のガレット
オリーブ油
栗のジャム

11月
胡桃
塩漬け豚とセープの煮込み
ニシンのオイル漬け
ウズラのフォアグラ詰め
穀物パン

12月
鹿肉のカソレット
トリュフ入り炒り卵
生ガキ
シュークルート盛り合わせ
リンゴのタルト
アリゴ

1月
乳飲み豚の丸焼き
ガレット・デ・ロワ
オーヴェルニュ風トリプー

2月
マシャワ(豆と穀物と挽肉のアフガン風スープ)
ツアムトゥー(煎った大麦粉入りスープ)
ガルビュール
ラクレット
砂糖とバターのクレープ
モン・ドール

3月
オレンジ
仔羊の股肉のロースト、ニンニクのコンフィ添え
リ・オ・レ(米のミルク煮)
山羊のチーズ、羊のチーズ
タンポポのサラダ

あとがき

著者

稲葉由紀子(いなば・ゆきこ)
1946年生まれ。東京教育大学卒業後、フリーのグラフィック・デザイナーとして『アンアン』や『クロワッサン』など雑誌のレイアウトに携わる。1987年より家族とともにフランスに在住。おもな著書に『パリのお惣菜。』(フィガロブックス、阪急コミュニケーションズ)、『須賀敦子のフランス』(河出書房新社)、『パリの朝市ガイド』(文化出版局)などがある。

●写真/稲葉宏爾
●デザイン/熊澤正人+伊藤香苗(パワーハウス)
●本文地図/DESIGN WORKSHOP JIN