仏教の「漢字」 日本人なら知っていたい

仏教の「漢字」
宣田陽一郎 その他
  • 書籍:定価1047円(本体952円)
  • 電子書籍:定価838円(本体762円)
  • 四六判変型・並製/216ページ
  • ISBN978-4-484-12230-4 C0076
  • 2012.10発行

今さら人に訊けない? コレが読めたら自慢できる? 日本人なら知っておきたい「仏教」にまつわる言葉をクイズ形式で紹介した雑学本。

書籍

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電子書籍

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内容

仏教は日本人にもっともなじみの深い宗教であり、冠婚葬祭をはじめ日常的に使う言葉にも元来は仏教で使われた言葉がたくさん入り込んでいます。
本書では、葬儀や仏事に関する言葉をはじめ、地獄と極楽、高僧の名前、著名人の戒名、禅の公案、お寺や仏像・仏具の名前、生活用語になった言葉や四文字熟語など、仏教に関連するありとあらゆる言葉を集めてみました。どこかで見たことのある言葉から難解語まで、まとめてクイズ形式で構成。
体裁は左頁・問題→右頁・解答のスタイル。手軽なペーパーバック版です。
○好評の『日本語に似ているようで似ていない 中国語の「漢字」』続編。

はじめに

 私たちが日頃使っている漢字には、やさしいものから難しいものまで様々あり、なかにはふだん目にしない、普通ではまず読めないお化けのような漢字もあります。
 僧侶が読経する経文はすべて漢字で書かれていて、難解で僧侶以外は読めないものですが、寺に生まれた子どもなら「門内の小僧習わぬ経を読む」で、小さい時から親の住職のあとについて読経し、意味はわからないまま暗記すると聞きます。
 子どもには漢字や経の意味はわからないでしょうが、成長するに従い理解し、仏教への関心も深まって僧侶の道に進むとか。
 赤ん坊は言葉を覚えることで成長し、大人になっていきます。言葉や文字は「人間」になるための必須の道具であり、栄養骨肉と呼べるでしょうか。
 仏教には多くの専門用語があり、その漢字の正しい読み方・意味を知らないと、仏教を学び理解することはできません。およそ千五百年前、欽明天皇の時代に日本へ伝来した仏教は日本文化の基礎となり、日本人の思想精神に多大な影響を及ぼしました。
 その後、仏教用語のいくつかは時代とともに寺を離れて市井に入り、読み方と意味を変えて人々の日常用語として使われるようにもなっています。
 たとえば、現在、私たちが日常何気なく使っている「学生」「食堂」「大衆」「愛嬌」といった言葉も、もともとは仏教界で使用される仏教用語でした。この本の七章で「生活用語になった仏教由来の漢字」として紹介していますが、その多様さには驚いてしまいます。
 昨年の東日本大震災によって、日本人は死と向き合い、自然の猛威の計り知れなさや、科学の限界、命の大切さ、生きることの意味を考えさせられました。宗教への関心も高まり、仏教をはじめキリスト教、神道などを学ぶ人も増えています。
 しかし、悲劇をもたらしたオウム真理教のような事件を二度と起こさないためにも、まずは、仏教用語の正しい読み方と意味を知っていただきたいと思います。
 仏教で使われる漢字の意味がわかれば、その背後に広がる仏教の深く広い思想や教え、寺院での修行の実際や僧の生活を知ることもできます。さらには、生き方や人生について深く考えるきっかけになるかもしれません。
 本書はお寺の山門前からチラリと境内を覗く本で、本堂の中へ入り、仏像を間近に仰ぎ見るような深い内容の専門書ではありませんが、まずは「門前の小僧」になって仏教の漢字を知ることで、読者がより仏教に興味を持ち、縁を結んでいただければ幸いです。

目次

はじめに

本書をお読みいただくにあたって

参考文献

第一章 葬儀と仏事、あの世と地獄・極楽の漢字
 ◆葬儀と仏事   ◆あの世と地獄・極楽
 ◆有名人の戒名   ◆高僧たちの死に際
 御霊前 卒塔婆 荼毘 冥土 修羅道 蓮華往生 etc.

第二章 仏教の基本的な漢字
 ◆釈迦に関する漢字
 ◆仏教の思想・行・戒律
 ◆密教   ◆礼拝・供養   ◆儀式
 ◆神仏・僧・寺   ◆遍路   ◆弘法大志
 ◆経典・詩文・書
 祇園精舎 彼岸 輪廻 縁起 阿頼耶識 喜捨 曼荼羅 如是我聞 etc.

第三章 禅の漢字
 ◆ほっとする禅の名言
 ◆禅の公案   ◆禅の用語
 本来面目 日々是好日 則天去私 作務 托鉢 枯山水 雲水 結跏趺坐 etc.

第四章 お寺と仏像の漢字
 ◆建物、僧の呼び名   ◆仏具・僧の衣装・日常の生活
 ◆仏像の呼び名   ◆仏像の部位
 山門 伽藍 比丘尼 上人 法螺 木魚 数珠 如来 帝釈天 韋駄天 etc.

第五章 高僧・名僧・怪僧、宗派の漢字
 ◆高僧・名僧・快僧   ◆日本の代表的宗派と開祖
 善信尼 鑑真 最澄 空海 法然 親鸞 曹洞宗 華厳宗 etc.

第六章 仏教の経文と典籍、四文字熟語
 ◆経文   ◆典籍   ◆四文字熟語
 般若心経 歎異抄 無門関 愛別離苦 色即是空 etc.

第七章生活用語になっている仏教由来の漢字
 ◆比較的やさしい漢字   ◆少し難しい漢字
 ◆四文字熟語
 愛嬌 阿吽 雪隠 啖呵 他力本願 融通無碍 etc.

略歴

[編著者]
宣田陽一郎(せんだ・よういちろう)
出版社、広告代理店勤務を経てアート系出版社を設立。その後、フリーの編集者・ライターに。著書に『魂をゆさぶる辞世の名句』(成美堂出版)など。父方の祖父が滋賀県の僧侶の家系のため、仏教に関心を持ち研究を続けている。

●イラスト/塩浦信太郎
●校閲/聚珍社
●デザイン/企画室ミクロ

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