ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか
-
池村千秋 著
- 書籍:定価1980円(本体1,800円)
- 電子書籍:定価1584円(本体1,440円)
- 四六判・並製/362ページ
- ISBN978-4-484-12111-6 C0033
- 2012.06発行
後悔するとわかっているのに、なぜ「ぐずぐず癖」はなおらないのか。それはヒトの遺伝子に組み込まれていたからだった? 先延ばし研究の第一人者が人類永遠の課題をユーモアたっぷりに解き明かす。先延ばしにするかしないかを決める「心の方程式」も初公開!
内容
後悔するとわかっているのに、なぜ「ぐずぐず癖」はなおらないのか。それはヒトの遺伝子に組み込まれていたからだった? 先延ばし研究の第一人者が、DNA解析、脳科学、進化生物学から心理学まで、ありとあらゆる先延ばし研究をメタ分析。人類永遠の課題をユーモアたっぷりに解き明かす。先延ばしにするかしないかを決める「心の方程式」も初公開! 原因がわかれば克服法も見えてくる。方程式から導いた「13の行動プラン」で、いますぐぐずぐず癖を克服しよう!
目次
はじめに
第1章 先延ばし人間の実像
逃避行動と衝動の関係は
合理的な遅延、非合理な遅延
あなたは先延ばし人間?
■自己診断テスト1 あなたの先延ばし度は
典型的なパターン
先延ばし人間は完璧主義者ではない
効果抜群の劇薬
第2章 先延ばしの方程式
行動主義心理学が解き明かすタイプ別症状
■自己診断テスト2 あなたの先延ばしのタイプは
どうせ失敗すると決めつけるタイプ(エディー指数が高い人)
課題が退屈でたまらないタイプ(バレリー指数が高い人)
目の前の誘惑に勝てないタイプ(トム指数が高い人)
モチベーション理論の方程式
意思と行動のギャップ
方程式どおりの人間行動
先延ばし方程式は大ざっぱな見取り図
第3章 サボる脳のメカニズム
先延ばしの起源は9000年前だった
辺縁系と前頭前野のせめぎあい
赤ちゃんと自己コントロール
チンパンジーと鳩の先延ばし
先延ばし進化論
文明と先延ばしの長いつき合い
失われた楽園と文明の産物
第4章 現代社会は誘惑の巣窟
フェイスブック断ちが長続きしないわけ
誘惑の強さと近さ
ゲーム、テレビ、フェイスブック
マーケティングと辺縁系天国
賢者たちの警告
果てしなき闘い
第5章 私たちが失うもの、悔やむもの
キャリアも財産も健康も危ない
貯金とキャリア
健康的な生活習慣
善行の先延ばし
罪悪感と後悔の日々
予想どおりの行動
第6章 企業と国家が払う代償
アメリカで1年間に生じる損失は10兆ドル
職場のサボりが生み出す経済損失
蓄えなき老後がやって来る
政治の意思と行動のギャップ
行動経済学を政策に
第7章 自信喪失と自信過剰の最適バランス
「どうせ失敗する」を克服する
適度な楽観主義者になる
■先延ばし克服の行動プラン1 成功の螺旋階段
■先延ばし克服の行動プラン2 鼓舞される物語・仲間
■先延ばし克服の行動プラン3 脳内コントラスティング法
少量の悲観主義を取り入れる
■先延ばし克服の行動プラン4 失敗を計算に入れる
■先延ばし克服の行動プラン5 先延ばし癖を自覚する
科学が裏打ちするテクニック
第8章 やるべきことに価値を吹き込む
「課題が退屈」を克服する
■先延ばし克服の行動プラン6 ゲーム感覚・目的意識
■先延ばし克服の行動プラン7 エネルギー戦略
■先延ばし克服の行動プラン8 生産的な先延ばし
■先延ばし克服の行動プラン9 ご褒美効果
■先延ばし克服の行動プラン10 情熱を燃やせる仕事
せめていやでない仕事を
第9章 現在の衝動と未来のゴールを管理する
「誘惑に勝てない」を克服する
■先延ばし克服の行動プラン11 プレコミットメント戦略
■先延ばし克服の行動プラン12 注意コントロール戦略
■先延ばし克服の行動プラン13 ゴールを設定する
自己コントロール力を鍛える
第10章 さあ、先延ばしを克服しよう
必要なのは信じること
ワーキングカップルの人生バランス
新米マネジャーのリーダーシップ術
でも「克服しすぎ」は禁物
未来を犠牲にしないために
おわりに
略歴
[著者]
ピアーズ・スティール Piers Steel
先延ばしとモチベーション研究の第一人者。カナダ・カルガリー大学ビジネススクール教授。ミネソタ大学大学院でビジネスと心理学を研究し、先延ばしをテーマに博士号を取得。彼の研究は、サイコロジー・トゥデー誌やニューヨーカー誌、ニューヨーク・タイムズなど多数のメディアに取り上げられている。後悔するとわかっているのに人が先延ばししてしまう理由を神経生物学的に研究するために、カルガリー大学内に行動科学研究所の設立を準備中。
[訳者]
池村千秋(Chiaki Ikemura)
翻訳者。主な訳書に『マネジャーの実像』『MBAが会社を滅ぼす』(以上、日経BP社)、『フリーエージェント社会の到来』(ダイヤモンド社)、『戦略的思考をどう実践するか』『ホワイトスペース戦略』『グーグル ネット覇者の真実』(以上、阪急コミュニケーションズ)など。