日本語に似ているようで似ていない 中国語の「漢字」
大人気の漢字雑学本に「中国語簡体字版」が登場! 手紙→トイレットペーパー、愛人→配偶者、米老鼠→ミッキーマウス……日本人が間違いやすい定番漢字から旅行や日常生活で役立つ言葉までを集めました。
- 書籍:定価1047円(本体952円)
- 電子書籍:定価838円(本体762円)
- 2012.02発行
内容
『読めそうで読めない、間違いやすい漢字』(二見書房刊)、
『読めますか? 小学校で習った漢字』(サンリオ刊)ほか、
大人気の漢字雑学本に「中国語簡体字版」が登場!
ビジネスに限らず、いまは一般の日本人でも国内で中国人と身近に接する機会が大幅に増えています。経済や文化、人の交流で、今や中国は日本人の生活と切り離しては考えられなくなりました。幸いなことに、日本と中国はともに「漢字」の国。「だから筆談ができる」とも言えますが、実際には意味も発音も相当違い、さらに中国では簡体字が使われるため、意思疎通は大変です。 そこで、「本格的な勉強はちょっと」という人でもクイズを解くように楽しみながら中国語を学べる雑学本の登場です。
たとえば、こんな中国語の意味、わかりますか?
・空中小姐
・小皇帝
・女強人
・房貸
・聖誕老人
・花花公子
・粉紅女郎
ちなみに「空中小姐」はスチュワーデスさんのこと。
「粉紅女郎」は、なんとあの「ピンク・レディー」。
その他の答えは……ぜひ本書で。
はじめに
昨年の暮れ、この本の原稿を携えて北京に飛び立ちました。外は厳寒なので、ほとんど外出せずアットホームなホテルでゆっくり滞在しました。朝食はもちろん、美味しいランチもディナーも提供してくれる、静かにくつろぎながら仕事をするには最適な環境でした。
そして、居心地の良い空間で、訪ねてくれた友人たちと漢字の話に花を咲かせました。昨年一年の世相を表す漢字として日本で選ばれた“絆・kizuna”について話題が広がり、中国の友人が「確かに2011年は、日本にとって順風満帆とは言えない、つまずきの多い事ばかりでしたね」と感想を述べました。中国語で「絆・ban」という字は、(1)絡みつく、邪魔する。(2)足をかけて倒す、つまずかせる。という解釈になり、かなりマイナスのイメージです。
友人は「絆・ban」の持つ中国での意味を連想して納得した様子でした。同じ漢字でも日中でずいぶんニュアンスが違いますね。ちなみに、中国語で「絆・kizuna」を表わす言葉は「紐帯・niudai」です。
私は、漢詩の魅力を日本の皆さまに紹介する仕事に携わっています。古の中国で詠まれた詩が国境を越え、時代を超えて今を生きる日本人にも愛され、感銘を与えているのはとても喜ばしいことです。海を隔て、異なる言葉を話している両国の人々が互いに価値観を共有できるのは、悠久の歴史の中で「漢字」という共通の財産を大切に守ってきたからではないでしょうか。
漢字は両国とも共通の意味で使われることも多いのですが、微妙にニュアンスが違っていたり、まったく異なる意味だったりすることも少なくありません。例えば、中国では「方便」は「便利」や「便宜」、「都合がよい」という日本と同様の意味で使われるだけでなく、口語表現において「用を足す」「便所に行く」という意味で用いられています。
中国と日本は引越しできない永遠の隣人です。これからも様々な領域における交流をより進展させるためには、深い相互理解がとても大切だと思います。
この一冊が皆様の楽しい対話のきっかけとなり、中国人と日本人の心と心の繋がりに少しでもお役に立てば幸いです。
2012年1月 白雪梅
目次
第一章 恥をかかないための初級篇
一、日本語と字は同じだが意味が違う中国語
二、楽しくて、思わず笑ってしまう面白い中国語
三、字は同じでも、ちょっと意味が違う一字漢字
四、現代中国「新語・流行語」最前線
第二章 日常生活で使う中国語
知っていたい、日常生活の基本的な中国語
第三章 役に立つ! 中国旅行での中国語
飛行機、空港、ホテルで
中華料理店で
第四章 これだけは覚えたいビジネス用語
第五章 知っていれば楽しい中国語
外国国名 ファンション・ブランド 果実 人名
略歴
[監修者]
白雪梅 Bai Xuemei
上海の復旦大学国際政治学部卒業後来日。商社勤務を経てラジオパーソナリティに。2000年4月より、多言語放送FMCOCOLOの漢詩教養番組「詩境遊人」を企画・パーソナリティを担当。2001年~03年、06年~09年には産経新聞夕刊の文化欄コラムを執筆。朝日カルチャーセンター、リッツ・カールトンホテル大阪などの漢詩講座で講師を務める。中国茶に深く親しみ、高級茶芸師の中国国家資格も持つ。現在は新聞・雑誌のコラム執筆、講演など多彩なフィールドで活躍中。著書に、エッセイ集『花様的年華』(星湖社)、『詩境悠遊』(新風書房)がある。
●企画・構成/宣田陽一郎
●編集協力/白谷秀樹
●校閲/聚珍社
●デザイン/企画室ミクロ