じつは稼げる[プロ講師]という働き方 独立 副業 定年後 子育て中 介護中…誰でもできる!

じつは稼げる[プロ講師]という働き方
濱田秀彦 著
  • 書籍:定価1650円(本体1,500円)
  • 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
  • 四六判・並製/216ページ
  • ISBN978-4-484-11209-1 C0034
  • 2011.04発行

無名でも、口ベタでも、アガリ性でも――年収1000万円はよくある話。 デビューの方法から実務の解説、売上・スキルの伸ばし方まで、「プロ講師」で成功するための完全マニュアル。

書籍

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電子書籍

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内容

無名でも、口ベタでも、アガリ性でも――年収1000万円はよくある話

デビューの方法から実務の解説、売上・スキルの伸ばし方まで、
「プロ講師」で成功するための完全マニュアル。

●将来に不安を感じるビジネスパーソンに、「講師業」というローリスクで独立できる現実的なビジネスモデル(選択肢)を紹介。実際、講師業に携わる人の8割以上はサラリーマン出身で無名、著作も資格ももっておらず、半日~2日の研修講師を担当して年収700万~1000万円を稼いでいます。
●一方で講師業の仕組みはよく知られておらず、具体的にどうすれば講師になれるのかはブラックボックス状態。そこで、講師派遣会社のトップセールスから人気講師に転身、「講師」と「講師を売る」両方の経験をもつ著者が、「こんな自分でも講師になれるのか?」「講師デビューするにはどうしたらいいのか?」「講師になったらどんな収入、生活が待っているのか?」を具体的に紹介。「誰でもできる講師業」リアルガイド。

はじめに

講師業で生計を立てているのはどんな人だと思いますか?

「オーラが出せるようなカリスマ性のある人」
「華々しい実績を持っている外資系のコンサルティングファーム出身者」
「マスコミに取り上げられるような有名人」
「弁護士、公認会計士など特別な資格の保持者」
「一瞬で人を惹きつけられるようなすごい話術を持っている人」

こんなイメージではないでしょうか。もちろんそういう人もいます。でも、それは講師業で生きている人の10%以下。残りの90%以上の講師は、ごく普通の人です
この本を手にとっていただいているあなたが、「講師業に興味はあるけれど、自分は普通の人間だから講師で生きていくなんて難しいだろう」と思っているとしたら、それは違います。いま、講師業を営んでいる人の多くは、かつて自分のことをそう思っていた人々なのです。

かくいう私もそう考えていたひとりです。私はいま、講師業で生きていますが、自分がそうなるとはデビューの3カ月前まで思ってもいませんでした。それまでの私は、研修を売る会社でセールスマンをしていました。トップセールスになり、セールスマネージャーにもなりました。講師を売る側だったわけです。研修関連の業界にいたものの、講師の経験はゼロ、講師になるためのトレーニングすら受けたことはなく、著作は一冊もなし。
その後、システム関係の仕事で独立しました。独立して間もないある日、以前の上司から電話がかかってきました。「講師をやってみないか」と。
最初は大変驚きました。心の準備もできておらず、どうお断りしようか考えたものです。ただ、よく話を聞くと自分が得意としていたパソコンの操作研修で、ある企業のパソコン初心者に近い方々を対象にワードとエクセルの使い方を1日で教えるというものでした。それならなんとかやれそうな気もしてきましたし、他にスペックの合う候補がいないということでしたので、お受けしました。
こうして、思わぬ形で講師デビューしたのですが、これが意外に好評で、その後同じ内容のコースを10年間に渡ってやらせてただいた上に、アクセス、パワーポイント、プレゼンテーションまでコースが増えました。
その間、他の企業で新入社員研修の講師が足りず、人数合わせ的に担当したことから、中堅社員、リーダー、管理者研修まで受け持つようになり、気がつけばいまや年間120日も講師として稼働し、12年間で1000回、1万5千人以上の受講者の皆さんとご一緒してきました。ちなみに、講師業で得てきた平均収入は、会社員時代の3倍です。

私にはカリスマ性もなければオーラも出ません。むしろ集団の中では目立たないタイプです。特別な資格も持たず、グローバルな経歴もありません。わかりやすく話すことはできると思っていますが、一瞬でファンにさせてしまうような芸当はできません。
自分が特別な才能を持っていると感じたことはなく、いまでも、「自分は講師に向いていないのではないか」と自問します。講師業が天職だとはとうてい思えません。そして、私の周りには、私と同じような講師が大勢います。
そんな私が、なぜ講師をやってこられたのか。あえて要因を挙げるとすれば、「研修業界の暗黙のルールを熟知していた」ということだと思います。
研修エージェントのセールスマンとどのようにやりとりすればよいのか、クライアントの前で言っていいこと悪いこと、研修中のトラブルへの対処法、研修後のフォローなど、研修業界には独特のルール、マナーがあります。これをよく知っている講師は使いやすいのです。
私は長らく「売る側」として、講師を見てきました。講師になってからその経験が活き、使いやすい講師として徐々にビジネスを拡大することができたのだと思います(講師のルールとマナーについては、本文で詳しくご説明します)。

ここまでの話だけでも、かなり講師業のイメージは変わったのではないでしょうか。講師業は外からはわかりにくい世界で、誤解も多いのです。
セミナーで著名人が90分話をするのは講師としては極めて特殊なケースで、最も多いのは、会社員出身の無名の人が、半日から2日程度の研修を担当するという形態です。
また、独立自営であってもオフィスは持たず、自宅でパソコンと携帯電話を使って仕事を進め、年収700万~1000万円を得るというローコスト、ローリスクなビジネスモデルが一般的です。本書の目的は、このような普通の講師のリアルな姿をご紹介することで、読者の皆様に「講師業」を現実的な選択肢としてとらえていただくことにあります。

昨今では、早朝やアフターファイブ、あるいは休日を使って勉強会に参加して自分を磨きながらも、「今後にどう活かせばよいか」を具体的にイメージできない方が多いようです。
豊富な経験を積んだ方が、定年を迎えることも増えています。また、能力がありながら子育て、介護などの事情で平日にフルタイムで働くことが難しい方もいらっしゃいます。
そんな皆様に、タイプ別の年収イメージなどを含めて、現実的な選択肢としての講師業を紹介するのが本書のねらいです。
この本を読んで、すぐに講師を目指すのもよいでしょうし、将来の道のひとつとして考えるのもよいと思います。あるいは、当面考えるのはやめるということでもよいでしょう。そういう判断をするには、講師の実態を正確に知っていることが必要です。ところが、それを知るための書籍は見あたりません。著名人であることが前提になる講演業の本、スピーチ力を磨けばスター講師になれるといった本ばかり。これでは判断ができません。
そこで、「講師の実態を明らかにして、読者の皆様が客観的に検討できる材料を提供しよう」と考え、本書を執筆することにしました。

幸い、私は講師を売る立場、講師をする立場の両方を経験しています。講師を売る立場として、少なくとも500人以上の講師を見てきました。その経験から、どんな人が講師に向いているのか、どんな能力を持っていると使いやすいのか、どんなジャンルにニーズがあるのか、守るべきルールは何なのか、などを熟知しています。
また、講師をする立場から、仕事をどうやって受注すればよいのか、受注した仕事をどのように進めればよいのか、研修後に何をすればよいのか、どうやって生活を組み立てていけばよいのか、といったことも知っています。
つまり、「講師業」に両面から光をあて、立体的に実態をご紹介できるポジションにいるわけです。
読者の皆様は、本書を通じ、「自分が講師として活動するとすれば、どんな風にデビューして、どんな生活になるのか」がイメージできるでしょう。

本書には事例として様々なタイプの講師が登場します。一般的な講師モデルだけでなく、収入よりやりがいを求めて定年後に講師デビューした人、子育てと介護をしながら年に20日間講師をすることで家計にプラスアルファの収入をもたらしながら社会との繋がりを維持している女性講師、会社員を続けながらサイドビジネスとして時々講師をやる人などが出てきます。
人物タイプも様々で、世間一般で思われている講師のイメージにはほど遠いような印象の薄い人、アガリ性な人、口べたな講師も出てきます。また、担当するテーマもコミュニケーション、ビジネス思考、財務、法律、意識変革など様々です。
このような事例の中から、自分に近い講師像を見つけていくとよいでしょう。本文には講師適性を判定するテストも用意しました。
将来独立を考えているなら、講師業は体ひとつでできるローリスクなビジネスモデルとして有効な選択肢です。
ご自分の中にある講師としての可能性を見つけていきましょう。

濱田 秀彦

目次

はじめに

1 講師業は誰にも身近な選択肢

(1)講師のほとんどは普通の人
(2)無名でも年収1000万円はよくある話
(3)タイプ別 講師の日常生活――概要と年収
(4)講師業のメリット

2 あなたの講師デビュー最短シナリオ

(1)デビューまでの主なパターン
(2)業界を知る
(3)自分にあったテーマ・スタイルを見つける
(4)講師に必要なスキルを磨く
(5)講師業界に接近する
(6)最も重要な下積み期間の過ごし方
(7)デビュー前の講師が悩む実績の作り方

3 講師は実際にどんな仕事をしているのか

(1)ヒアリング
(2)研修企画書の作り方
(3)タイムスケジュールの組み立て方
(4)実施打ち合わせのポイント
(5)テキスト、サブ資料の作り方
(6)オープニング原稿の準備
(7)スタートからエンディングまでの注意点
(8)質問対応
(9)アンケートへの対応
(11)研修報告書の作成
(12)アクシデント対応

4 こうすれば収入・スキルはアップできる

(1)講師の一週間
(2)売上を伸ばすための営業活動
(3)研修エージェントとのつきあい方
(4)ホームページは有効な販売促進ツール
(5)伸びる講師、ダメになる講師の分かれ目は?
(6)講師を続けるために必要な努力

5 あなたの「講師度」シミュレーション

(1)講師業性格マッチング
(2)講師業スキルマッチング
(3)話しベタでも講師ができるワケ
(4)人気講師のタイプ

6 デビュー前の疑問に答えるQ&A

Q デビューまでの下積み期間はどの程度必要ですか?
Q 講師になるのに資格は必要ですか?
Q 専門分野以外の講師を頼まれたときはどうしたらよいでしょう?
Q 講師業の一番の喜びは何ですか?
Q 講師業で一番苦労するのはどんなところですか?
Q 出張はどのぐらいありますか?
Q 講師は何歳までできるのですか?
Q アガリ性なのですが、大丈夫ですか?

終わりに

著者

濱田 秀彦(はまだ・ひでひこ)
マネジメントコンサルタント。早稲田大学卒業後、住宅メーカー関連会社へ入社、最年少支店長を経て人材開発会社に転職。営業マネジャー、経営企画マネジャーを経て独立。現在は株式会社ヒューマンテック代表。コミュニケーション、キャリア開発のコンサルタントとして毎年100日以上の講演・セミナーを行う。これまで指導してきたビジネスパーソンは15000人以上。主な著書に『課長のキホン』『新入社員ゼッタイ安心マニュアル』(河出書房新社)『人生を変えた5つのメール』(祥伝社)『つい口に出る「微妙」な日本語』(ソフトバンク新書)など。

●著者エージェント/アップルシード・エージェンシー
●装丁・本文デザイン/轡田昭彦/坪井朋子

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