植田正治 小さい伝記

植田正治 小さい伝記
植田正治 その他
  • 書籍:定価2200円(本体2,000円)
  • 電子書籍:定価1760円(本体1,600円)
  • A5判・並製/216ページ
  • ISBN978-4-484-07235-7
  • 2007.12発行

「植田調」と称される独自の作風で世界を魅了した写真家の、軽やかで、センチメンタルで、ユーモラスな、カメラを介した触れあいの記述。やさしさとユーモアあふれる写真の魅力を今、あらためて感じたい。

書籍

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内容

2005年の東京都写真美術館における回顧展、ヨーロッパを巡回する大回顧展、相次ぐ出版物の刊行など、いま、あらためてその作品と人生に注目が集まっている写真家・植田正治(1913-2000)。
本書は、この世界的写真家が、1974年から85年の12年間にわたり、雑誌「カメラ毎日」に13回発表したシリーズ「小さい伝記」の作品群を、註釈も含め初出掲載に近い形で提示しつつ、同時期に書かれたテキストをも織り交ぜて構成。
カメラのファインダーを介しての「小さきもの」たちとの触れあいを、「今日に生きた証として、各々の小さい伝記の1頁に」と考えた写真家の日々の記録であり、写真家自身の「伝記」でもあるこれらの作品群からは、生涯「アマチュア」を自称し、「写真する」ことの幸せを貫いた写真家の、今なおみずみずしい魅力が伝わってきます。

目次

小さい伝記1

小さい伝記2 在米鳥取県人会名簿より

◎写談筆談 小さな声で 私の道はアマチュアの道

小さい伝記3

小さい伝記4

◎写談筆談 土踏まずにできた霜やけ

小さい伝記5 開拓団「香取」・伯耆大山

◎写談筆談 開拓農村で親睦写真展

小さい伝記 写真で語る童話の世界

小さい伝記6 平和な朝

◎秋山庄太郎氏との対談より

小さい伝記7 半世紀のカビ・1930-33年

小さい伝記8 軌跡 1934-40年

小さい伝記9

◎写談筆談 県展は、楽しいフェスティバル

小さい伝記10 晴日

小さい伝記11 偽景

◎初源への視線/本物の写真家と「若さ」

小さい伝記12 入院

◎初源への視線/それぞれの「関わり」

著者

植田正治(うえだ・しょうじ)
1913年、鳥取県西伯郡境町(現境港市)に生まれる。中学時代より写真に熱中。32年、上京しオリエンタル写真学校に入学。卒業後帰郷し、19歳で営業写真館を開業。以後精力的に作品を発表、とくに山陰の空・地平線・砂丘などを背景に被写体をオブジェのように配置した演出写真は「植田調」といわれ、世界中で高い評価を得る。54年第2回二科賞、78年文化庁創設10周年記念功労者表彰、89年日本写真協会功労賞など受賞多数。58年のニューヨーク近代美術館をはじめ海外への出品も多い。95年、鳥取県西伯郡岸本町(現伯耆町)に植田正治写真美術館開館。96年、フランスの芸術文化勲章シュヴァリエ受章。98年、第1回鳥取県県民功績賞受賞。2000年7月4日に87歳で亡くなるまで、故郷を離れず「アマチュア精神」を貫いた。近年、ヨーロッパを巡回する回顧展や出版物の刊行など、あらためて植田正治への関心が高まっている。著書・作品集に、『植田正治 私の写真作法』(阪急コミュニケーションズ)、『植田正治の世界』(平凡社 コロナブックス)、『植田正治写真集 吹き抜ける風』『僕のアルバム』(求龍堂)など。

●デザイン/三村 淳+三村 漢

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