最新 ハーバード流3D交渉術

最新 ハーバード流3D交渉術
デービッド・A・ラックス/ジェームズ・K・セベニウス 著

斉藤裕一 著

  • 書籍:定価2200円(本体2,000円)
  • 四六判・上製/392ページ
  • ISBN978-4-484-07106-0
  • 2007.09発行

ハーバード大学など国内外の場で教えてきた、さまざまな企業例とその分析をもとにして、「交渉の相互利益と価値を高める生産的方法」を説く、交渉術の決定版!

書籍

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内容

交渉術は「戦術(1次元)」と考えれば失敗する!
「取引設計(2次元)」と「セットアップ(3次元)」の見極めこそが成功のカギである。
ハーバード大学など国内外の場で教えてきた、さまざまな企業例とその分析をもとにして、「交渉の相互利益と価値を高める生産的方法」を説く、交渉術の決定版!

目次

はじめに

パート1 概説――「3Dネゴシエーション」とは何か
第1章 3次元の交渉
「1次元」交渉の限界/1次元ではなく3次元
第2章 合意に対するバリアの「3D監査」
セットアップのバリアの見極め/取引設計のバリアの見極め/戦術面および対人面のバリアの見極め/注意が必要な2つの複合的バリア
第3章 バリアを克服する3D戦略の策定
3D戦略の基本/正しい交渉のセットアップ/価値を創出する取引の設計/問題解決戦術の重視/すべての合体――事業部門の買収例

パート2 正しい交渉のセットアップ――「交渉テーブルから離れて」
第4章 交渉相手の正しい見極め
「オール・パーティー・マップ」の作成/最大の価値をもつ相手が入っているか/潜在的影響力をもつ相手をすべてマッピングしたか/交渉当事者が多すぎないか
第5章 「利益」を見極める
最高指令――早急かつ頻繁な「利益のマッピング」を優先課題にする/利益を的確に見極めるための4つの方法/心理的な罠に陥らないために/対処法
第6章 「ノーディール・オープション」を見極める
「合意可能な範囲」の有無を見分ける/交渉打ち切りの可能性もあることを相手側に信じさせる/ノーディール・オプションを守る
第7章 「順序」と「基本プロセス選択」の決定
正しい「順序」の見極め/基本プロセスの見極め

パート3 価値を創出する取引の設計――「製図台の上で」
第8章 「北東」へ進め!
「北東」へ進んで価値を創出する/取引設計の原則1――相違点をかみ合わせて価値を創出する/取引設計の原則2――トータル・ネットのパイを最大化する/交渉者のジレンマ――創出と獲得のバランス化
第9章 相違点のダブテーリング
将来予測(将来への確信度)に関する相違のダブテーリンブ/リスクテークにおける相違のダブテーリング/時間に対する考え方の相違のダブテーリング
第10章 永続性のある取引の構築
変化は起こる――それを活かすこと/予測される変化を吸収できる合意/弱点を補う「マルチプレックス」合意/「不安定な契約」を安定化させる
第11章 取引の「精神」を交渉する
根底的な社会的契約/流動的な社会的契約/社会的契約と経済的契約のダブテール

パート4 問題解決戦術を重視する――交渉のテーブルで
第12章 価値獲得に対する認識の確立
価格交渉への備え方/真のZOPAを見極める/目標価格を強気に設定する/アンカー効果/メタ・アンカー――交渉全体の構成
第13章 問題の共同解決による価値の創出と獲得
質問し、聞き、学ぶ/情報を戦略的に開示する/魅力的で生産的な交渉のプロセスづくり/説得力のあるスタイルを身につける/相手の勝利宣言を書けるか?

パート5 3D戦略の実践――相手を引き込む
第14章 3D戦略策定のための「逆方向マッピング」
一九一二年――ルーズベルトの選挙運動とモフェット・スタジオ/6つの教訓/「終わり」から始める
第15章 戦略的に考え、チャンスに応じて動く
AOL、マイクロソフト、ネットスケープ/チリにおけるケネコット社/3Dネゴシエーター――創造的なセットアップ・デザイナー、深い洞察力をもつ取引設計家、説得力に溢れた戦術家

訳者あとがき

原 注

著者

デービッド・A・ラックス( David A. Lax )
交渉戦略の国際的コンサルティング会社、ラックス・セベニウスLLC共同代表。投資銀行家としての実務経験、ハーバード大学ビジネススクールでの教職経験があり、フォーブス誌から「交渉理論の新たな旗手」と評されるなど高い評価を得ている。ラックス・セベニウスLLCは、本書の共著者ジェームズ・K・セベニウスと設立した会社で、クライアントにはノバルティス、ロイヤル・ダッチ・シェル、エスティローダーなどの一流企業のほか、数カ国の政府も名を連ねている。

ジェームズ・K・セベニウス( James K. Sebenius )
ハーバード大学ビジネススクール教授(経営学)。他校に先駆けて交渉学をMBA(経営学修士)コースの履修科目に導入するなどの一方で、論文・寄稿記事の執筆も旺盛にこなしている。1980年代半ばには一時的に教職を離れて投資銀行家として活躍、ブラックストーン・グループの立ち上げにも参加した。それ以前には米商務省や国務省の交渉に携わった経験もある。本書の共著者デービッド・A・ラックスとラックス・セベニウスLLCを設立し、共同代表を務めている。

訳者

斉藤裕一(さいとう・ゆういち)
ニューヨーク大学大学院修了(ジャーナリズム専攻)。主な訳書に『なぜ企業不祥事は起こるのか』、『同族経営はなぜ強いのか』、『技術とイノベーションの戦略的マネジメント』(共訳)、『シェイク・ブレイン』、『ブランドが神話になる日』、『世界資源戦争』などがある。

●装丁・本文デザイン/轡田昭彦+坪井朋子

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