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アステイオン99
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公益財団法人サントリー文化財団・アステイオン編集委員会 編

アステイオン99

特集・境界を往還する芸術家たち

芸術には国境がない。この言葉は、芸術の審美的経験が言語や文化を超えて共有できるという意味でよく用いられている。しかし、それが芸術家の活動地域と結びつけて語られることはほとんどない。そもそも「国境がない」芸術は西洋起源の音楽や美術をイメージすることが多く、非西洋の芸術はしばしば「民族的」「伝統的」といった修飾語がつけられており、ほとんどの場合、地域性や特殊性を含意している。

越境の日常化は境界を無効にする一方で、その存在を顕在化させることもある。そもそも越境とは何か、境界の生起と消失の反復はどのような可能性をもたらすのか。本特集がそれらの問題についての思索を深めるきっかけとなれば幸いである。(【巻頭言】より一部抜粋)

特集・境界を往還する芸術家たち

長木誠司/三浦 篤/佐藤麻衣/岡野道子/根川幸男/アンジェロ・イシ/ウォント盛香織/三浦雅士

特集座談会「境界を往還する万葉集」上野 誠+ピーター・J・マクミラン+張 競
【論考】
住田朋久/仲辻真帆
【世界の思潮】
中嶋 泉/安藤拓生/中井遼
【時評】
高階秀爾/藤森照信/渡辺 裕/荻原和樹/小泉 悠/小山俊樹/阿川尚之/石毛直道
【写真で読む研究レポート】
川瀬 慈/村島彩加
【連載企画】「超えるのではなく辿る、二つの文化」
安藤妙子+後藤彩子+櫻井悟史+プラダン・ゴウランガ・チャラン+三谷宗一郎+村田 純+宮野公樹
【連載]
岡本隆司/奥本大三郎/五百旗頭 真

 

  • 書籍:定価1320円(本体1200円)
  • 電子書籍:定価1320円(本体1200円)
  • 2023.11発行
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目次

特集・境界を往還する芸術家たち

ヨーロッパで活動する日本人音楽家      
・・・・・・長木誠司

ジャポニスムの還流――フランスの日本人画家にみる異種ハイブリ混交性ディティ
・・・・・・ 三浦 篤

美術にみる太平洋戦争の影 
 ・・・・・・佐藤麻衣

ブラジル日系芸術家の肖像
・・・・・・岡野道子

トランスボーダー化するマツリ
・・・・・・根川幸男

「デカセギ文学」の現在とその可能性
・・・・・・アンジェロ・イシ

多人種化する日系アメリカ人作家
・・・・・・ウォント盛香織

越境とは何か
・・・・・・三浦雅士

境界を往還する万葉集
・・・・・・上野 誠+ピーター・J・マクミラン+張 競

 
■論考■
あいまいな日本のマスク――コロナ対策と帝国の名残り
・・・・・・住田朋久

近代日本における西洋音楽教育の歴史的展開――「音階」「和声」概念の受容過程
・・・・・・仲辻真帆
 
■世界の思潮■

ジェンダーとアート
・・・・・・中嶋 泉

創発的前進としての統合――フォレット理論の現代的意義
・・・・・・安藤拓生

ナショナリズム論の新展開
・・・・・・中井 遼
 
■時評■
蛍、きりぎりす、そして蜘蛛まで…
・・・・・・高階秀爾

建築学の変貌
・・・・・・藤森照信

大阪城のエレベーターと復元のオーセンティシティ
・・・・・・渡辺 裕

データ報道が拓くニュース体験の可能性
荻原和樹

人為としての戦争と虚構としての国家
・・・・・・小泉 悠

減刑嘆願の心理と背景
・・・・・・小山俊樹

「大衆の反逆」、「無害な大衆」
・・・・・・阿川尚之

地球温暖化
・・・・・・石毛直道
 
 
■写真で読む研究レポート
東京におけるエチオピア正教会の祈り
・・・・・・川瀬 慈

死の面影――デッサン、デスマスク、銅像
・・・・・・村島彩加
 
 
■連載企画「超えるのではなく辿る、二つの文化」
学際、挑戦から日常へ。   
・・・・・・安藤妙子+後藤彩子+櫻井悟史+プラダン・ゴウランガ・チャラン+三谷宗一郎+村田 純+宮野公樹
 
■連載
今みなおす江南史――「瘴癘しょうれい」から革命へ
・・・・・・岡本隆司

昆虫学事始――日本の昆虫研究を支えた人々
・・・・・・奥本大三郎

平成史――中国の強大化–米中対峙の世界へ
・・・・・・五百旗頭 真

●アステイオン編集委員会委員
 
委員長 田所昌幸 
    岡本隆司
      武田徹
            張 競
            土居丈朗
      中西 寛
 
●ブックデザイン/清原一隆(KIYO DESIGN)
●表紙画/安斉将
●ロゴ/荒田秀也・清原一隆(KIYO DESIGN)
●翻訳協力/株式会社アミット、ジャネット・アシュビー
●写真河内彩
●校閲/竹内輝夫
●編集協力/CCCメディアハウス書籍編集部