在日韓国人になる 移民国家ニッポン練習記
日本人と外国人がともに生きるニッポンの過去・現在・未来。
「あいつ、×××人よ」
ビルの外国人オーナーをなじる在日コリアン2世の母。
「日本語もわからないくせに働いてるんじゃねえーっ!」
外国人店員をディスる客を見てみぬふりする、在日コリアン3世の私。
日本人とニューカマーの間に立つ「境界人」の「在日」には、ニッポンの過去・現在・未来を織りなす責任があると在日3世の著者は言う。本書は、「在日」のこれまでとこれから、多文化共生、社会の統合、そして日本人の再定義について考えをめぐらす。それは、日本人や日本社会はもちろん、古くからの移民たちへ送るエールでもある。
私たちは、だれかにとって頼りがいある存在だろうか。
- 書籍:定価1870円(本体1700円)
- 電子書籍:定価1496円(本体1360円)
- 2022.12.16発行
目次
プロローグ──真夜中のヘイトスピーチ
第1章 「駆除」の時代を生きぬくヒント
第2章 焼け跡の生命力
第3章生きる条件
第4章 声なき「発言」と英雄
第5章 明るい未来へ
第6章 差別解消カスケード
第7章 未来の足音
第8章 パラレルワールド
第9章 「御守り」としての歴史
終章 ささやかな希望、死なない明日
エピローグ──敗北宣言はまだ早い
プロフィール
林晟一(Seiichi Hayashi)
1981年、東京・江戸川区生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程中退。都内の中高一貫校で歴史や国際政治学を教える。社会・政治に関する評論を手がけ、「在日であることの意味」(『中央公論』2014年5月号)、「歴史教育なんていらない」(『別冊アステイオン それぞれの山崎正和』CCCメディアハウス)などを発表。共訳書に『キューバ危機』(中央公論新社)がある。
装丁+本文デザイン Keishodo Graphics
カバーイラスト オザワミカ
校正 竹内輝夫