15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと
- 経済・経営
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リアル「インベスターZ」現る!
15歳で株式投資を開始し、まもなく起業。「ぼくに2億円出資してください!」と友人の親に言い放った中学生が、紆余曲折の15年で身につけた「お金を稼ぐ方法」とは? 若き経営者の波乱の半生と斬新な起業論。
- 書籍:定価1540円(本体1,400円)
- 電子書籍:定価1232円(本体1,120円)
- 2016.03.18発行
内容
「今の僕は『超富裕層』の部類に入る。
しかし、順風満帆なことばかりではなく、むしろ失敗や挫折が大部分を占めた。
僕がやってきたことのほとんどが失敗だったと思っている。」
(「はじめに」より)
中学生で起業し、20代のうちに資産10億円を築いた若き経営者。
今の状況だけを見れば「成功者」だが、その跡を辿ると、紆余曲折の半生があった。
では、なぜ彼は突き抜けた成功を収めることができたのか?
何度も騙され、失敗しても、それを晩回することができたのか?
何歳になっても学びたい「起業」の基礎と哲学がつまった一冊。
※本書に書かれていることは実話です。
はじめに
「15歳で起業した」という僕の経歴を話すと、多くの人が「まだ子どもなのに!」と驚いた素振りを見せる。そのたびに、そんなに驚くことでもないだろうと感じてしまう自分がいる。
僕は、どこにでもいるごく普通の子どもだった。両親はサラリーマンと専業主婦で、自分に特別な才能があったとも思えない。むしろ、パソコンは苦手だし、社交性もないし、成績だって下から数えたほうが早いくらいだった。
そんな僕が中学生の時に取り組んだのが、「お金持ちになる」ことだった。子ども達が、野球やサッカーでプロの「スポーツ選手になる」ことに憧れて努力するのと同じように、ぼくは「お金持ちになる」ことに憧れて努力をした。
「プロアスリート」を目指すとなると、とてつもない努力が必要になることは誰もが理解している。お金儲けだって同じことだ。努力を積み重ねていかないといい結果を残すことはできない。15歳の僕は、たまたま「お金儲け」という道に進み、生き残れるよう必死に努力を重ねた。それはスポーツのプロの世界を目指して練習に打ち込む少年たちと全く同じだ。僕はプロの経営者になる道を選び、プロのアスリートが鍛錬に励むように、経営者としての技量をコツコツと高めていくことにした。
一般的な定義によると、今の僕は「超富裕層」の部類に入る。しかし、順風満帆なことばかりではなく、むしろ失敗や挫折が大部分だった。世間を知らず、詐欺にもあった。一時的に儲かったことで驕り、散財し、無駄な投資も繰り返した。実力不足で資金繰りの危機にも何度も陥った。僕がやってきたことのほとんどが失敗だったと思っている。
起業してから今までの間、予想のできないことばかり起きた。株取引から始まった僕の起業人生は、インターネット事業、飲食事業など様々な事業体を経験しながら現在のM&A事業に移っていった。
本書は過去15年間を振り返って書いたものだ。昔のことを思い出しながら執筆するのは、まるで過去の自分と対話しているようだった。
その過程で、昔の自分の未熟さや浅はかさ、そして頑固さに遭遇すると、昔の自分に教えたいことがたくさん出てきた。そこで、それらをコラムにまとめて、過去の自分に教える気持ちで今の自分の考えを要所要所にちりばめてみた。
いくつもの挫折を繰り返しながら、少しずつ成長を模索し続けてきたが、正直な話、僕はまだ本を書く器ではないと思う。会社が上場しているわけでもなければ、何か社会に大きく貢献できたわけでもない。何か信念があって会社を興したわけでもなく、ただお金儲けをしたいという願望だけで起業したのがコンプレックスでもあった。
しかし、僕の起業人生の節目には、必ずと言っていいほど本が存在した。悩みに暮れているときに本を読んで問題が解決したこともある。本から実際の出会いにつながった縁もある。苦しみながらも努力して成功を収めた経営者の本に勇気づけられたことも、数え切れないほどある。
起業家としても人間としても未熟な僕ではあるが、僕が本を書くことによって、たとえ一人にでもそうした影響を与えることができればと願って、初めての自著となる本書を書いた。
僕が起業を通して挑戦し、学んできたことが、ビジネスの世界の一線で戦っている人や、これから戦おうとしている人たちに、少しでも役立つことができれば望外の幸せである。
目次
はじめに
第1章 お金持ちになりたい!
大金持ちの同級生
お金があれば何でも有利になる
「金持ち父さん」と「貧乏父さん」
教育熱心な母親
珍しがられたユニクロのシャツ
中学生が不動産投資!?
コラム① 学校の勉強は必要か?
初めてのお金儲け
第2章 お金儲けの始まり
株を始める
資金を使い果たす
「2億円出資してください!」
中学生のデイトレーダーたち
3日間の「ビジネス合宿」
合宿の成果
出資元との軋轢
コラム② 資金調達
コラム③ 「お金儲け」と「お金集め」の違い
ケータイ没収で大損害の危機
第3章 詐欺と裏切り
インターネットで大儲け
会社を手に入れる
コラム④ 「キャリア」を意識していない起業家が多い
営業マナーを知らない営業マン
食い逃げ覚悟で食事をする
憂鬱な給料支払日
コラム⑤ 採用について
ネット広告の仕組み
東京進出
はったりばかりの営業トーク
親切な社長
コラム⑥ 失敗を繰り返さないためにすべき3つのこと
順調に伸びていったホームページ制作事業
老紳士との出会い
儲け話に乗せられるカモ
会長の正体
会長の逃げ切り
嘘のカラクリ
第4章 バブルの到来
一晩で30万円
コラム⑦ マネジメント
カジノ通いの始まり
従業員の4割が韓国滞在!?
コラム⑧ カジノで客が勝てない理由
ホテル暮らし
第5章 模索と修業
会社売却
コラム⑨ 事業計画を作る際に見落としがちな点
フリーペーパーと女子大生
再スタートの兆し
コラム⑩ 常に勉強が必要
将来のための「修業期間」
コラム⑪ 読書のメリットとデメリット
事業立ち上げサポート業務を始める
コラム⑫ アイデアとビジネス
芦屋の投資家のかばん持ち体験
コラム⑬ 人脈作りよりも自分作り
乗り越えられなかった危機
コラム⑭ ストレス耐性
第6章 再出発
新たな挑戦
コラム⑮ 小さなサインを見逃さない
コラム⑯ 時間軸を意識する
500冊の本とバフェットとの〝出会い〟
コラム⑰ 経営者に求められる能力
事業再生案件を手掛ける
コラム⑱ M&A
第7章 ある会社の買収&売却劇
ホールディングス設立
コラム⑲ 起業とは非上場株式投資である
ある社長との出会い
度を越した無駄遣い
税金の滞納
社長の会社を買収
次から次へと降ってくる問題
裁判沙汰にまでなったトラブル
裁判に勝つためのスパルタ特訓
そして売却へ
おわりに
略歴
[著者]
正田 圭(まさだ・けい)
1986年奈良県生まれ。15歳で起業。インターネット事業を売却後、未公開企業同士のM&Aサービスを展開。事業再生の計画策定や金融機関との交渉、企業価値評価業務に従事。
現在は、自身が代表を務めるティガラグループにて、ストラクチャードファイナンスや企業グループ内の再編サービスを提供。その他、複数の企業の社外取締役やアドバイザリーを務め、出資も行っている。
●帯絵提供 ©三田紀房/コルク
●装丁・本文デザイン 轡田昭彦+坪井朋子
●編集協力 野口孝行