これからのお金持ちの教科書
情報がお金に換わる,もはや資本は必要ない,シェアリングエコノミーがもらたらすもの,人工知能との共存……「富のルール」を知り尽くした著者が説く「新しい資本の時代」とは。来るべき新時代に「お金を制する者」になるために今から始めるべきこと。2025年までにお金持ちになりたい人は必ずお読みください。
- 書籍:定価1650円(本体1,500円)
- 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
- 2015.11.27発行
内容
新しい時代は、だれにでもチャンスが訪れる。
差を生むのは、その変化に気付くか気付かないかだけである――
2025年までにお金持ちになりたい人は必ずお読みください。
情報がお金に換わる,もはや資本は必要ない,
シェアリングエコノミーがもらたらすもの,人工知能との共存……
「富のルール」を知り尽くした著者が説く「新しい資本の時代」とは。
来るべき新時代に「お金を制する者」になるために
今から始めるべきこと。
これまでの社会において、お金持ちになれる人といえば、
起業家か投資家と相場は決まっていた。
資本主義の仕組み自体が、そうなっていたからである。
だが、これから訪れる新しい資本の時代には、
稼ぎ方も、働き方も、起業に必要なものも、
「お金」の概念も……すべてが変わる。
その変化に気づいた者だけが、望む富を手に入れられる。
10年後には、すべてのビジネスパーソンが
「起業家」になっているかもしれない。
姿の見えない億万長者たち◆クラウドが生む「新しい付加価値」◆スマートフォンが本当に変えたもの◆グーグルの決算を見れば世界がわかる◆アップルウォッチは使いづらい?◆10年後、あるオフィスの光景◆変化は、不連続的に発生している◆「経験」の価値は半減する◆ネット企業の高い株価が妥当性を持つ本当の理由◆ピケティ理論はやがて成立しなくなる◆情報を制する者がお金を制する◆情報をお金に換える鍵は「粒度」◆目指すのは「漠然と正しい人」◆まず「大」から考える癖をつける◆「賛同」できなくても「理解」する能力◆新しい時代に取り残される、意外な人◆「プチ・コングロマリット」を目指す◆人工知能時代にモノを言うのは「論理力」◆知恵とアイデアを「資本」に組み入れる……
はじめに
「新しい資本の時代が始まろうとしている」
これが本書の主要なテーマである。スマートフォンの普及によって、だれもが場所と時間に関係なくインターネットに接続できる環境を手にした結果、ビジネスのインフラに本質的な変化が訪れようとしている。仕事に必要なあらゆるリソースがネット上で手に入り、すべてのプロセスをネット上で完結できる可能性が見えてきたのである。
この動きは、互いに顔を突き合わせ、集団で行動することを基本としてきた日本のビジネス環境に大きな変化をもたらす可能性を秘めている。
各人が場所の制約を受けないITデバイスを持つことになると、これまで「無価値」として捨てられていた隙間時間に「価値」が生じ、仕事の効率を最大化できる。その結果、集団ではなく、自己完結的に仕事を進めたほうが、全体の生産性が高くなってくる。仕事の進め方は、今よりもずっとパーソナルなものになるだろう。
こうした変化は、「お金を稼ぐ」という概念にも影響する。
これまでの時代には、お金持ちになれる人といえば、起業家か投資家と相場は決まっていた。資本主義の仕組み自体がそうなっていたからである。だが新しい資本の時代には、事業者と消費者の区別は曖昧になる。インターネットを使って不特定多数の人が仕事を請け負えるようになるため、これまで「消費者」だった人が、いとも簡単に「提供者(起業家)」に変身することができる。
〔中略〕
本書は、10年後の未来を前提に、どうすれば「お金持ち」になれるのか、6つの項目でまとめたものである。
第1章では、「新しい資本の時代」がすでに始まっている現状について解説した。世間にあまり知られることなく、短期間で億万長者になる人が増えているが、こうしたことを実現できるようになった背景について分析している。
第2章では、新しい資本の時代の原動力となった情報技術について説明した。キーワードはスマートフォンとクラウドである。従来のインターネットと今のインターネットは質的に異なる存在であることが理解できるだろう。
第3章は、新しい資本の時代における「稼げる人」の定義についてである。近い将来、仕事の進め方が大きく変わる可能性が高く、高い評価を受ける人物像は、今とはだいぶ異なったものになる。経験値が有効ではなくなる可能性についても触れた。
第4章は、新しい資本の時代における資本のメカニズムについてである。巨額の資金に対するニーズが減ってきたことで、資本主義のルールが変わりつつある現状について分析した。資本の役割が低下することで、経済成長の概念や社会の秩序にも影響が出てくるかもしれない。
第5章は、情報についてである。資本の役割が低下する一方で、より重要性が高まっているのが情報である。幅広い知識やノウハウを持っていることは重要だが、いくら知識の幅が広くても、それを十分に生かせなければ意味がない。ネット上に分散する無数の情報を体系化し、活用するための方法について解説した。
第6章では、新しい資本の時代において、どうすれば稼げるようになるのかについてまとめた。自身が持つ特技を商品として再構成する知恵を持ち、スピード感を持ってそれに取り組める人が、この時代の勝者となる。論理的であることは今よりもさらに重要となってくるし、こうした流れは論理とは無関係と思われていた感性の分野にも波及する。
これから訪れる変化は、もしかすると戦後最大級のものとなるかもしれない。
多くの人にとってチャンスであると同時に、従来の慣行に依存する人にとってはピンチとなる。変化がもたらす影響が極めて大きいことを考えれば、できるだけ早く準備をしておいたほうがよい。これは、変化についてポジティブに捉える人にとっても、ネガティブに捉える人にとっても同じことである。
目次
はじめに
第1章 すでに始まっている「新しい資本の時代」
姿の見えない億万長者たち
あらゆる個人が「サービス提供者」になる
ネットによる「中抜き」は、これから本格化する
医者や弁護士の給料が高かったのはなぜか?
クラウドが生む「新しい付加価値」とは?
本当の「付加価値」はどこにある?
企業より個人、大より小が強い時代
【2025年までにお金持ちになるためのヒント①】
第2章 スマートフォンが本当に変えたもの
もはや同じインターネットではない
パソコン時間とスマホ時間の決定的な違い
グーグルの決算を見れば世界がわかる
自動運転車は都市の光景を一変させる
アップルウォッチは使いづらい?
スマホは人間の欲求をも変える
最後に人々が求めるものとは?
【2025年までにお金持ちになるためのヒント②】
第3章 新しい時代における「稼げる人」を考える
10年後、あるオフィスの光景
変化は、不連続的に発生している
これからの時代に求められるのは、知識ではなくアイデア
あらゆる仕事が「個人完結型」になる
「経験」の価値は半減する
「私って、そんなに単純でしたっけ?」
長嶋茂雄と石井一久はどちらが有利か?
【2025年までにお金持ちになるためのヒント③】
第4章 これからの「富のルール」を知る
富を形成する方法は2種類だけ
資産形成の王道は、ストックの価値を高めること
ネット企業の高い株価が妥当性を持つ本当の理由
ピケティ理論はやがて成立しなくなる
GDPから資本主義を考える
だから、もう「お金」は必要ない
学歴や序列さえも無意味な「新しい平等な社会」へ
【2025年までにお金持ちになるためのヒント④】
第5章 情報を制する者がお金を制する
「頭がいい」の意味を問い直す
グーグル検索と書籍の違い
情報をお金に換える鍵は「粒度」
目指すのは「漠然と正しい人」
まず「大」から考える癖をつける
「賛同」できなくても「理解」する能力
2045年までに、すべての常識を捨てるべし
【2025年までにお金持ちになるためのヒント⑤】
第6章 新しい資本の時代を生き抜くために
新しい時代に取り残される、意外な人
社外リソースに担い手になる
「プチ・コングロマリット」を目指す
アイデアは「数」で勝負する
人工知能時代にモノを言うのは「論理力」
知恵とアイデアを「資本」に組み入れる
権威に頼らない人になる
【2025年までにお金持ちになるためのヒント⑥】
おわりに
略歴
加谷珪一(かや・けいいち)
東北大学卒業後、日経BP 社に記者として入社。
野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務に従事。企業のオーナー社長やファンド出資者(個人投資家)など、数多くの超富裕層とじかに接する。
2000年、独立してコンサルティング会社を設立。企業に対する経営コンサルティング、ITコンサルティング、資産運用アドバイス等を行うほか、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務も行う。
そのかたわら、お金持ち特有の行動パターンを解き明かした「お金持ちの教科書」、ビジネス成功者の法則を探った「出世の教科書」など複数のウェブサイトを運営。お金持ちの行動分析から成功パターンを導き出し、自ら実践、億単位の資産を運用する個人投資家になる。
現在は、ビジネス、経済、マネー、政治など多方面の分野での執筆活動も積極的に行っている。『お金持ちの教科書』『大金持ちの教科書』『図解 お金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『お金は「歴史」で儲けなさい』『億万長者の情報整理術』(朝日新聞出版)、『あなたの財布に奇跡が起こるお金の習慣』(かんき出版)、『稼ぐ力を手にするたったひとつの方法』(清流出版)など著書多数。
オフィシャルサイト http://k-kaya.com
●装幀/松田行正+日向麻梨子