ワーク・コントロール 仕事に振りまわされないための[スマートマネジメント]

ワーク・コントロール
行本明説 著
  • 書籍:定価1650円(本体1,500円)
  • 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
  • 四六判・並製/192ページ
  • ISBN978-4-484-15222-6 C0034
  • 2015.10.22発行

あなたの職場はなぜ、ストレスがたまる一方なのか? ミスや残業が多いのか? いつも仕事に振りまわされているのか?――本書では、一人ひとりが「仕事」に対して主導権を取り戻し、自分のペースで仕事をコントロールできるようになるための具体的な方法を紹介します。

書籍

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電子書籍

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内容

現在、日本ではホワイトカラーの仕事の基礎力(処理能力)が年々低下している。
この「スキルの空洞化」を止めるための、
まったく新しい仕事術+管理術(=スマートマネジメント)とは?
 
いまさら言うまでもないことだが、インターネットの普及でビジネス環境は情報の洪水に見舞われてどんどん複雑になっている。最新情報・最適情報の収集に日々追われて、かえってビジネスパーソンの自律性や決断力が低下している――これが、いまの日本の「現場」の状況だろう。ホワイトカラーの生産性が下がっている根本的な原因も、ここにあると思われる。

『ワーク・コントロール』は、個人個人が自分の仕事をしっかり管理し、自律的・主体的な働き方ができるようになるための、具体的な方法を提案する。それが、仕事を徹底的に「科学」することで構築された「スマートマネジメント」という手法である。

スマートマネジメントは、誰にも(社長から新入社員まで)、どんな仕事にも(企画書作成からコピー取りまで)あてはまる「仕事のしくみ」から導かれた「ロジック(考え方)」「ノウハウ(具体策)」「ツール(道具の活用法)」を指す。これを導入すれば、マネジメントの実態を数値化して確認することができるようになり、個人の自律性が高まる → 個人のスキルが上がる → チームの業績が向上する → 組織全体が活性化ずる という好循環を必ず生み出せるはずだ。

はじめに

 インターネットの急速な普及で、ビジネス環境は情報の洪水に見舞われている――。「いまさら、いうまでもない」と鼻白む人もいるでしょうが、あえて念を押します。
 なぜなら、情報量の激増にともなって「仕事」が複雑化するなか、多くのビジネスパーソンが自律性を失いかけているからです。
 また、従来の「やり方」が通用しなくなって、自信喪失に陥るケースも少なくありません。詳しくは本論を読んでいただくとして、ビジネスパーソンがこれまでに経験したことのない難局に直面していることは、紛れもない事実です。
 本書を「ワーク・コントロール」と名付けたのは、読者の皆さんにその現状を理解していただき、自律的・主体的な働き方を見つけてほしいと、心から願っているからです。

 
 本書の副題にある「スマートマネジメント」という言葉に戸惑う人も多いでしょう。これは「タイムマネジメント」に代わる用語として長年、探し求めていたものです。本書は構想から10年、執筆に3年を費やしましたが、その過程でこの言葉にたどり着きました。
 私は四半世紀にわたり、タイムマネジメントを表看板にコンサルティングを行ってきましたが、タイムマネジメントという言葉につきまとう限定的なイメージ――時間管理や時間の有効活用――の払拭に腐心した日々でもありました。
 本書が提供するノウハウは、単なる手帳の書き方などではありません。いわゆる組織論やリーダーシップ論の領域にまで踏み込んだ「仕事の技術」です。
 言い換えれば、スマートマネジメントは、「仕事」を徹底的に「科学」することによって構築された、まったく新しいマネジメントの理論体系です。つまり、スマートマネジメントを導入すれば、個人のスキル向上はもとより、チームの強化や組織の活性化も実現するのです。

 スマートマネジメントは、「誰でも」「ちょっとの努力や勇気で」「大きな成果を上手に出せる」ように設計されています。簡単に、スマートマネジメントの定義を述べておきましょう。
 ①仕事をしている人すべてにあてはまる
 ②どんな仕事にもあてはまる「仕事のしくみ」から導き出されている
 ③ロジック(考え方)、ノウハウ(具体策)、ツール(道具)の三位一体の手法である
 ④マネジメントの実態を数字で「可視化」できる
 ⑤強制ではなく、自律的な取り組みである

 本書では、ホワイトカラーを取り巻く厳しい現実から、スマートマネジメントの基本的な考え方、そして個人・チーム・組織全体における生産性向上の方法まで、わかりやすく解説しています。
 これらの考察は、データと理論にもとづいています。全編にわたり、私の思いが込められていますが、同時に数多くの事例と数値的な裏付けがあります。

 それでは、マネジメントの大転換につながるスマートマネジメントで、ワーク・コントロールの実現を目指しましょう。

 行本明説

目次

 はじめに
 
第1章 なぜ、仕事を「科学」するのか?
            間違いだらけのマネジメント
 
 1 いま、日本の「現場」がアブナイ!? 
 2 情報化が仕事をムズカシクする 
 3 生産現場の「成功法則」はホワイトカラーには通用しない 
 4 ジョブローテーションが生産性を低下させる 
 5 組織のフラット化だけでは成果を出せない 
 6 「働きやすい制度」が生産性向上の阻害要因 
 7 意思決定、役割分担ができないリーダーが急増している 
 8 「会議革命」だけでは生産性は向上しない 
 9 強制的な取り組みは必ず失敗する 
 
第2章 「仕事のしくみ」がわかればすべてうまくいく
             スマートマネジメントの基礎知識
 
 1 「一人ひとりの仕事」を軸に「仕事のしくみ」を体系化する 
 2 「両極併存」発想だから本質が見える 
 3 「誰にでも」あてはまる仕事のしくみ 
 4 「どんな仕事にも」あてはまる仕事のしくみ 
 
第3章 一人ひとりのスキルがすぐにアップする8つの技術
            ビックリするほど仕事が楽しくなる
 
 1 「今日の大事」をもとに1日をプランニングする 
 2 「仕事の棚卸し」で仕事をスッキリさせる 
 3 「自分へのアポイント」で時間をつくり出す 
 4 「4つの時間」で仕事をマネジメントする 
 5 「6つの仕事」で優先順位を決める 
 6 「生産性の方程式」をもとに投下時間をチェックする 
 7 「実績向上計画」で専門知識に磨きをかける 
 8 「思い」を「数字」に置き換える 
 
第4章 どんなチームでも確実に強くする8つの技術
            ウソみたいに効果抜群のチームデベロップメント
 
 1 「今日の大事」を共有することから業務革新がはじまる 
 2 メンバー個人の「今日の大事」をスケジュール管理する 
 3 仕事の「はじめ方」と「おわらせ方」を覚えて残業をなくす 
 4 「情報の公平化」でフラット型組織をよみがえらせる 
 5 「音声情報」がフレックスタイム制を機能させる 
 6 「文字情報」の使い方でチーム力が決まる 
 7 「自分の仕事」の把握がコミュニケーションの善し悪しを決める 
 8 「仕事の棚卸し」を共有してリーダーシップを強化する 
 
第5章 スキルチェックで組織風土を変える8つの技術
            個人が変われば組織も変わる
 
 1 一人ひとりのスキルと組織変革の深い関係 
 2 「スキル診断」で個人の基礎スキルと組織の状態を確認する 
 3 スキルレベルとストレスの驚くべき相関関係 
 4 個人のスキルが一定レベルに達したとき、組織変革がはじまる 
 5 一人ひとりのスキルと「大企業病」の関係がわかる 
 6 個人のスキルと組織への満足度から社風がわかる 
 7 投下時間を優先順位別に仕分けても社風が見えてくる 
 8 「両極のセット」で投下時間をチェックする 
 
 おわりに

略歴

行本明説(ゆきもと・あきのぶ)

日本タイムマネジメント普及協会理事長
◎北海道生まれ。名前を逆から読むと「セツメイ ホンギョウ」となる。コンサルタントに最適の名前だが、父が教師だったので「よい教師になれよ」と付けられた名前でもある。
◎東京教育大学在学中に学習塾を経営。それに没頭し4年で卒業できず、筑波大学に移管され卒業。10年間ほど民間の不動産会社に勤務したのち、不動産コンサルタントとして独立。その後、英国で開発されたセルフマネジメント手法「‘A’Time」の極東での責任者となる。
◎英国の親会社の清算に伴い、独自の理論を開発。『セルフマネジメント・スキルBOOK』(TBSブリタニカ)を上梓し、本書まで20冊の書籍を執筆・プロデュースする。ホワイトカラーの生産性をデータで語ることのできる、世界的にも数少ないコンサルタント。
【URL】 http://www.jtime.or.jp
【E-Mail】 info@jtime.or.jp

●装丁・本文デザイン/轡田昭彦+坪井朋子
●編集協力/メディアポート

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