ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論
一日の大半、人は〈仕事〉している。ゆえに毎日をハッピーにするには「好きな仕事の比重を増やすこと」と「好きでない仕事をおもしろくすること」だ。そのために必要な要素が、〈勉強〉と〈遊び〉である。〈仕事〉〈勉強〉〈遊び〉は連鎖し、補完し合う――作家で猟師、ベストセラー『三行で撃つ』の著者による人生講座
- 書籍:定価1650円(本体1500円)
- 電子書籍:定価1650円(本体1500円)
- 2024/4/26発行
内容
将来が不安? 今の自分でいい? 大丈夫。
毎日をご機嫌にする技術
〈仕事〉〈勉強〉〈遊び〉
――幸せの大三角をめぐる旅
作家で猟師、『三行で撃つ』著者による人生講座
こんな、あなたへ。
◉仕事にやりがいを感じていない
◉世の中の役に立っている気がしない
◉好きなことがわからない
◉人生このままでいいのか不安
人はなぜ、働くのか?
幸せになるため。
ナイスな日々を過ごすためである。
ワーク・ライフ・バランスって言いますけれど、じゃあ、ワークとライフのバランスをどうしようっていうんですか?(略)この思想の根底にあるのは、ワークとはライフを豊かにするため、カネを稼ぐために嫌々やる苦役という発想です。
おもしろい〈仕事〉がしたい、と人は言う。しかし、〈仕事〉のみならず、〈勉強〉、そして〈遊び〉でさえ、他者に強制される何かとは、本質的におもしろくないものだ。
ただ、〈仕事〉をおもしろくする人間は、いる。〈仕事〉は与えられるものではなく、つくるものという発想を持つことだ。
工夫する。少しでいいから、快適にする。おもしろいと思えるように、変えていく。あるいは、自分が変わる。最終的に仕事によって、自分を表現する。表現者としての職業人。そこを目指すにはどうするか? 人生を支える三つの要素を強くすることだ。
〈仕事〉〈勉強〉〈遊び〉――幸せとは、この大三角から成り立っている。
三つは切り分けて考えられがちだが、互いが補完しあう。一つが強くなれば他も強くなる。自分の軸ができていく。
一生かけてしゃぶり尽くす、自分の「骨」を知る。歯を食いしばって〈遊び〉、自分で自分を律する〈勉強〉を経て、自発的に創りあげる〈仕事〉に結実する。大三角の永久循環運動。幸せとは、このことだったんです。
いい人になる。おもしろい人になる。
自分で信じられる、「自分」になる。
転がる石に、なれ。
■関連書籍
近藤康太郎 著『三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾』
近藤康太郎 著『百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術』
目次
はじめに:幸せの大三角をめぐる旅
- なぜ懸命に生きるのか?
ささやかに機嫌よく生きていくために
第一夜話:〈仕事〉
【噺 (一):お茶売り】
■ 一生の大半は〈仕事〉している
■ワークとライフのバランスの正解
■好きな仕事だけして生きていける、わけがない
■苦役はおもしろくすればよい
■「人でなし!」と言われた日
■『ボヴァリー夫人』のおかげで、ブルシットじゃない
■ 自発でない“自由”はくだらない
■〈仕事〉は創る――「猟師になれ」と言われた、わけがない
■ 希望の仕事とイエスのご加護
■ クレイジーの休日
■ 左手の仕事と右手の仕事
■ 局地戦で目的地を見失うな
■ 仕事は質か量か?――頼まれやすい人になる
■ 冷遇されたら――筋肉と語学は裏切らない
■ 自由がないからクリエイティブ?
■ チェーホフ、鷗外、本居宣長の共通点
■ 本当にしたい仕事をするための二足のわらじ
■ よく、生きる――〈仕事〉の幸福論
第二夜話:〈勉強〉
- 【噺(二):記憶長屋】
■ 〈仕事〉だけしていた結果
■ プロとして仕事漬けを経験する
■ 〈勉強〉とは読書である――第三次産業の社会
■ コミュニケートは現代人の武器――言語能力
■ あなたの話は聞くに値するか?――ナラティブと語彙
■ 年間百冊読む人は本を変えたほうがいい
■ 自分を変える―― ボブ・ディランとプロデューサー
■ 難しくても、気に食わなくても――選書リストに従う
■ 〈勉強〉とは百姓になること――パラノイアの集中
■ 大人の〈勉強〉は自分への強制
■ 一流は〈勉強〉している――転がる石になる
■ 人にやさしく――〈勉強〉の「得」と「徳」
第三夜話:〈遊び〉
- 【噺(三):博奕風景】
■ 〈遊び〉と〈勉強〉の接近
■ 二つの星が衝突したら――新たな星(遊び)の誕生
■ 不良のナラティブ、学級委員のナラティブ
■ 正しさという暴力、しかもおもんないし
■ 〈遊び〉とは猟師になること――スキゾフレニアの散漫
■ 遊びでしないのが〈遊び〉
■ 遊びでするのが〈仕事〉
■ 「プレイ・ボール!」しているか
■ 人が人たる所以――〈遊び〉はクリエイティブ
第四夜話:事故
- 【噺(四):言い訳講釈】
■ 事故によって才能と努力の限界を超える
■ 初めての事故:音楽にあったら、評論家になった
■ 人生最大の事故:本を出したら、文章に取り憑かれた
■ さらなる事故:アメリカで遊べば、スランプを抜けた
■ 最新の事故: 百姓・猟師になったら、ステージにいた
■ 本物の事故:撥ねられたら、幽体離脱した
■ 事故りやすい体質① :注意散漫
■ 事故りやすい体質② :無鉄砲
■ どれだけ仕事したかではなく、どれだけ遊んだか
■ 〈仕事〉〈勉強〉〈遊び〉のスケジュールは?
■ 事故りやすい体質③:酔っている
■ 疑わずに〈仕事〉に酔うのは致命傷になる
■ 無鉄砲の粋――身上を潰して〈遊ぶ〉
■ 事故にあうとは、予測不可能に生きること
第五夜話:異常
- 【噺(五):家路道中】
■ 人生を支えるもの―― 自分の骨を知る
■ 遊び、酔い、はみ出せ、世界を変えよ
謝辞
引用・参考文献
プロフィール
近藤康太郎(こんどう・こうたろう)
作家/評論家/百姓/猟師
1963年、東京・渋谷生まれ。1987年、朝日新聞社入社。川崎支局、学芸部、AERA編集部、ニューヨーク支局を経て、九州へ。新聞紙面では、コラム「多事奏論」、地方での米作りや狩猟体験を通じて資本主義や現代社会までを考察する連載「アロハで猟師してみました」を担当する。
著書に『三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾』『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』(CCCメディアハウス)、『アロハで田植え、はじめました』『アロハで猟師、はじめました』(河出書房新社)、『朝日新聞記者が書けなかったアメリカの大汚点』『朝日新聞記者が書いたアメリカ人「アホ・マヌケ」論』『アメリカが知らないアメリカ 世界帝国を動かす深奥部の力』(講談社)、『リアルロック 日本語ROCK小事典』(三一書房)、『成長のない社会で、わたしたちはいかに生きていくべきなのか』(水野和夫氏との共著、徳間書店)他がある。
装幀:新井大輔
装画・挿絵:オオクボリュウ
校正:朝日新聞メディアプロダクション校閲事業部
印刷製本:図書印刷