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ストレスゼロの伝え方
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ストレスゼロの伝え方

ストレスゼロの伝え方

コミュニケーションにストレスを感じていませんか? 相手に伝えるのは簡単なようでいて難しいもの。無意識にやっている伝わらない原因を探るとともに、対話力を上げる7要素「伝える目的」「伝える方法」「相手」「環境」「印象」「影響力」「自分」について解説します。

  • 書籍:定価1540円(本体1,400円)
  • 電子書籍:定価1232円(本体1,120円)
  • 2015.11.27発行
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内容

これから先、あなたの生活をより豊かにするために大切なものは、
「対話力」です!

人間関係のストレスの根本は、「あなたが伝えたい」内容が「相手に伝わらない」ことにあります。

相手が自分の予想とは違う反応をしたときに、私たちは「伝わらなかった」事実に気がつき、驚いたり、狼狽したり、怒りに打ち震えたりするのです。

無自覚によって引き起こされている「伝わらない原因」を明らかにし、そのうえで対話の達人たちが自在にこなしている「対話力を上げる7つの要素」について紹介していきます。

はじめに

これから先、より豊かな暮らしをするためにいちばん大切なものは何かと問われたら、あなたはなんと答えるでしょうか。
私は間違いなく「対話力」だと答えます。

それは、私自身の手痛い経験から学んだことでもありますが、それだけではありません。

私はコンサルタントになって以来、起業家から業界トップ企業の経営者、新入社員から60代の先輩ビジネスマンまで、幅広い業種の、さまざまな職制の方々のトレーニングを行なってきました。

そのなかで、対話力がないことで「見えない壁」にぶつかって悩んでいる人を数多く見てきました。

その見えない壁は、自分の能力を高める障害にもなり、恋愛をするためのハードルにもなり、ひいては子育てをするにも、友人関係を育むにも、つねに大きな壁になって立ちはだかるのです。
その一方で、対話力の達人、コミュニケーションの達人といってもいい人たちにも多く出会いました。達人が話をすると、部下は嬉々として働き、初対面の人も瞬く間にファンになり、子どもは自分に自信を持ちます。そして当然、男女ともにモテモテ。

それは、本当に魔法のようです。達人は、なにも特別なことを話すわけではありません。
彼らが言っているのと同じようなことを他の人も言っているのに、達人が対話したときは相手の態度や気持ちが明らかに違ってくるのですから。そこには、何か不思議な力が働いているに違いありません。
好運なことに私は、こうした達人たちの対話力を分析する機会に恵まれてきました。

そうして発見したことはたくさんありますが、なかでももっとも大事な発見は、「達人の対話力は遺伝によるのではなく、学習によるものだ」ということです。

この事実に、私は多いに勇気づけられました。おそらく、本書の読者の方々にとっても朗報に違いないと思います。

達人によって学習の方法には違いがあるようでしたが、彼らの対話力には明らかな共通点がありました。その共通点を組み合わせることで、達人たちは人に魔法をかけていたのです。

この本では、その魔法のエッセンスを共有するのが目的です。どれも拍子抜けするほどシンプルなものばかりです。あまりにシンプルすぎて、ある日私は頭を抱えてしまったほどです。

「これほどシンプルなことなら誰でもできそうなのに、現実にはなぜ一部の人しか実践していないのだろうか」と。

答えは簡単です。対話力の達人たちは、学んだのです。そして、学んだことを実行して、「自分のもの」にしたのです。シンプルだからといって、すぐにできるとはかぎりません。
そう、「練習」が必要だったのです。
多くの人は、「人に伝える」ということにあまりにも無自覚に生きてきたのではないかと思います。

生きていくうえで、他人に自分の意思を伝えることは、あまりにも当たり前のことだからです。

しかし、仕事やプライベートでもう一段上のレベルを求めるのであれば、この「伝える」技術の向上は避けて通れないと私は思っています。

人との対話に関しては、人の数倍失敗してきた私ですが、今では多くの方々の対話力改善のお手伝いをさせていただいています。

本書では、まず、無自覚によって引き起こされている「伝わらない原因」を明らかにします。そのうえで、対話の達人たちが自在にこなしている「対話力を上げる7つの要素」についてご紹介します。

7つの要素とは、「伝える目的」「伝える方法」「相手」「環境」「印象」「影響力」「自分」です。これらを「整える」ことで、あなたの対話力は格段にレベルアップします。多くのトレーニング経験から、私はそれを確信しています。
それでは、さっそくはじめていきましょう。

もくじ

はじめに

第1章 伝わらない原因はこれだ

共通する話題を見つけられない
優先順位は人それぞれ
銃で腕を撃たれたときどう感じるか
情報のフィルターは〝指紋〟と同じ
辞典ですら違う言葉の定義
コップは空か、いっぱいか
かけ離れた価値観
延々と〝おしゃべりしている
見ているゴールが違う
「意識の矢印」の向きが逆
つぶすなら鉄の箱より紙の箱?
第1章のポイント

第2章 伝える目的を整える

相手に行動をとらせたい
言葉に頼りすぎていませんか?
「慣れ」vs.「伝わる」
方法や手段を変えてみる
世界共通の「伝わる」方法
第2章のポイント

第3章 相手を整える

相手の頭に入りやすい形に加工する
頭の中を整理してあげる
相手の注意をひくために
効果的な質問内容とは?
相手の〝頭の中〟を確認する
 第3章のポイント

第4章 伝え方を整える
グーグルには決してできないこと
「伝わる」の基本のキ
人を動かすストーリーの力
営業マンとコンサルタントの違い
鎧をはぎ取る
文字より音、音より映像で状況を描写する
第4章のポイント

第5章 環境を整える

水がしみ込む下地を作る
口はひとつ耳はふたつ
信頼を築くための話の聞き方
心理的な距離を縮める
相手の「変化」こそ褒めポイント

正しく褒められるコツ
相手とリズムを合わせる
価値観や信念を共有したときにうまれるもの
進め方の合意をとる
自己最高レベルの挨拶がもたらすもの
「YES」より大切なもの
つい相手が行動してしまう話法
第5章のポイント

第6章 印象を整える

相手に与える影響をコントロールする
清潔さは「伝わる」前提条件
正しい姿勢が与える影響
「声」は変えられる
適正な声量は印象まで左右する
ドキドキさせることをゴールにする

「目線」は絶対はずさない
5%が印象を決める
人の意志は「語尾」にあり
言葉に〝熱〟があるか?
心の込もっていない礼儀は無意味
第6章のポイント

第7章 影響力を整える

口癖から自信を作り出す
「判断基準」は変えようがある
自分のOSはバージョンアップできる
しなやかな見方を選択してみる
「価値の優先順位」がわかる人に、影響力は備わる
行動するためのエネルギー源を掘り当てる
不完全な自分とどうつきあうか
未来を見据えて行動する
第7章のポイント

第8章 自分の状態を整える
気分は結果を左右する
イライラを一瞬でリセットする方法
「感謝日記」が幸せな気分を作り出す
心と体に変化をもたらす「呼吸」の力
まず体を緩めてみる
何か大きな力とともに生きる
自分との信頼関係は良い言葉で作られる
今に集中すると思考がクリアになる
第8章のポイント

おわりに

略歴

木村英一(きむら・えいいち)

1970 年、岩手県釜石市生まれ。
オハイオ大学卒業後、NEC、外資系コンサルティング会社を経て、複数のベンチャー企業の経営に参画。その後、人と組織の生産性を向上させる思考・行動法に出会い、コンサルタントに転身。脳科学、行動科学、心理学の要素をも取り込んでさらなる生産性向上を実現する独自のプログラム「加速成長トレーニング」「4ステップ対話法実践プログラム」等を開発。
近年、経営者の個別コンサルティングに加えて、次世代リーダーのマネジメント力強化を数多く手がける。中でも、リーダーの対話力の改善による短期間の組織変化は、業界でも大きな注目を集めている。
著書に『ストレスゼロの仕事術』(CCC メディアハウス)がある。
●装丁/轡田昭彦・坪井朋子
●校正/櫻井健司