兄の終い

兄の終い
村井理子 著
  • 書籍:定価1540円(本体1400円)
  • 四六・並/172
  • 978-4-484-20208-2
  • 2020/3/31発行

【好評8刷! ※2022年1月現在】憎かった兄が死んだ。残された元妻、息子、私―怒り、泣き、ちょっと笑った5日間の実話。

書籍

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内容

一刻もはやく、兄を持ち運べるサイズにしてしまおう。
憎かった兄が死んだ。
残された元妻、息子、私(いもうと)――怒り、泣き、ちょっと笑った5日間。

「わたくし、宮城県警塩釜警察署刑事第一課の山下と申します。実は、お兄様のご遺体が本日午後、多賀城市内にて発見されました」――寝るしたくをしていた「私」のところにかかってきた1本の電話。それは、唯一の肉親であり、もう何年も会っていなかった兄の訃報だった。第一発見者は、兄と二人きりで暮らしていた小学生の息子・良一君。いまは児童相談所に保護されているという。いつかこんな日が来る予感はあった。金銭的にも精神的にも、迷惑ばかりかける人だった。二度目の離婚をし、体を壊し、仕事を失い、困窮した兄は、底から這いがることなく、一人で死んだのだ。急なことに呆然としている私に刑事は言った。「ご遺体を引き取りに塩釜署にお越しいただきたいのです」
兄は確かに優しいところもある人だった。
わかり合えなくても、嫌いきることはできない。
どこにでもいる、そんな肉親の人生を終う意味を問う。
遺体を引き取り、火葬し、ゴミ屋敷と化している兄のアパートを整理し、引き払う。そして、何より、良一君の今後のことがある。兄の人生を終うため、私(いもうと)、元妻(加奈子ちゃん)、そして息子(良一君)の5日間の修羅場が幕を開ける。
「えっ! 」と思わず声が出た私に、
加奈子ちゃんは、「ほら、そっち! 早く! 」と促した。

まだ心の準備ができていないんだって!

★著者既刊『全員悪人』 好評3刷!(2022年1月現在)

書評

感動が感動を呼ぶ! 各紙誌の書評で絶賛!

■ 「女性セブン」7月2日号:書評
■ 「文藝春秋」7月号:書評(評者 佐久間文子 氏)
■ 「AERA」6月29日:著者インタビュー「この人のこの本」(インタビュー&執筆 千葉 望 氏)
■ 「婦人公論」6月23日号:著者インタビュー「私の書いた本」
■ 「河北新報」6月21日:書評
■ 「週刊朝日」6月5日:著者インタビュー「書いた人」(インタビュー&執筆 朝山 実 氏)
■「本の雑誌」6月号:書評(評者 大塚真祐子 氏/北上次郎 氏)
■「週刊文春」:書評「文春図書館」
■ 「東京新聞」5月30日「/中日新聞」5月31日:書評(評者 若松英輔 氏)
■「北海道新聞」5月24日:書評(評者 黒川祥7子 氏)
■ 「北海道新聞」5月24日「/北國新聞」5月30日等:書評(石田香織 氏)
■ 「SPA!」5月19日:書評(評者 辻本 力 氏)
■「西日本新聞」5月9日:書評(評者 ひとやすみ書店・城下康明氏)

著者

村井理子(むらい・りこ)

翻訳家/エッセイスト

1970年静岡県生まれ。琵琶湖のほとりで、夫、双子の息子、愛犬ハリーとともに暮らしながら、雑誌、ウェブ、新聞などに寄稿。
主な連載に、『村井さんちの生活』(新潮社「Webでも考える人」)『、犬(きみ)がいるから』(亜紀書房「あき地」)。著書に『犬ニモマケズ』『犬(きみ)がいるから』(亜紀書房)、『村井さんちのぎゅうぎゅう焼き』(KADOKAWA)、『ブッシュ妄言録』(二見書房)など。訳書に『サカナ・レッスン』(キャスリーン・フリン著、CCCメディアハウス)、『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』(キャスリーン・フリン著、きこ書房)、『ゼロからトースターを作ってみた結果』『人間をお休みしてヤギになってみた結果』(共にトーマス・トウェイツ著、新潮社)、『黄金州の殺人鬼』(ミシェル・マクナマラ著、亜紀書房)などがある。

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