若さを卒業すれば女はもっと美しくなる

若さを卒業すれば女はもっと美しくなる
花千代 著
  • 書籍:定価1540円(本体1400円)
  • 電子書籍:定価1232円(本体1120円)
  • 四六判・並製/216ページ
  • ISBN978-4-484-14210-4 C0095
  • 2014.04発行

新橋売れっ子芸者からフラワーアーティストに転身した著者が教える、年齢や他人に振りまわされず、自分スタイルを確立する方法。もっと自由に。もっとチャーミングに。「迷える年頃のための成熟レッスン」

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推薦

新橋売れっ子芸者からパリ留学。
フラワーデザイナーとして活躍して国際結婚。
花千代さんの言葉はすべて説得力に充ちている。

――作家・林真理子

内容

いつまで「女子」って言ってるつもり?
――賢い大人は、いち早く女子を卒業し、成熟を歩みはじめています。

人として、女性として価値のあるものは、若さではなく成熟であるということを、早くから感じてきた著者が、
「この先どのように年を重ねていけばわからない」と悩むあなたへ、「成熟」の素晴らしさを提案します。

目次

Lesson 1 「女子」からの卒業
美しいひとは「女子」とは言わない
賢い大人はいち早く女子を卒業し、成熟を歩みはじめている
「成熟」とは、あなたの母性が花開いた状態
母性とは、相手を包み込む器のこと
「ゆるす」ことは、未熟な自分からの卒業
成熟したいと望むなら、自分に「負荷」をかけなさい
なにかに熱中することは、年齢から自由になること
楽な道と険しい道、私は進んで険しい道を選ぶ

Lesson 2 成熟を一生の価値に
大人のリセットはすべてをゼロにしなくてもいい
思いやりを相手に届けることができる。それが成熟のふるまい
出会うのは簡単。大事なのは、よい関係を長く保ち続けられるかどうか
自分に似合うもの、似合わないものがわかると、
ファッションはどんどん引き算になっていく
年齢とともに現れる「おとなの影」さえ魅力に変えて
捨て目を利かせられるようになったら上級者
肌ほど饒舌に人生を物語るものはない

Lesson 3 聡明な女は自分を知っている
その装いは、あなたの「個」を表現していますか?
自分をピタリと表現するキーワードを三つ用意しておく
うぬぼれ鏡で体型を見ない
エッジを効かせたファッションで「個」を際立たせる

Lesson 4 「しない」という潔さ
「ブランド品だから」だけで所有するのは小娘のすること 
「今シーズンの流行」「いちばん人気のアイテム」
そう言われた瞬間、買うのはやめる
自分の意見はきちんと表明する。
でも、自己主張だけする女にはならない

外食ばかりに終止符を。
料理を楽しめる女は男からも女からも一目置かれる
なんとなく食べない。抑制できてこそ、極上の食体験を味わえる
カードで膨らんだ財布は見苦しい。持たない潔さが幸運をもたらす
本当に必要なものを見極め、「持たない暮らし」をめざす
あなたにいちばんしてほしくないのは、自分を卑下すること

Lesson 5 大人の知性を磨く
「政治や経済に興味がない」では恥ずかしい
情報や知識の引き出しは豊富に。それを自分の「知性」に昇華させる
人を年齢で判断するのはナンセンス。本質的な価値に目を向ける
他人への垣根を低くし、人生の扉を開け放しておく

Lesson 6 愛するということ
「愛されたい」より「愛したい」
出会いは待つものではない。理想の相手は「攻め」てつかまえよう
恋愛に対する躊躇、恐怖を克服する
いいことも悪いこともわかちあいたい。そう思えるひとが理想の相手
変化を恐れない。変わることこそ、人生の醍醐味
おとな婚は素晴らしい!
緊張感と特別感、それが結婚生活をフレッシュに保つ秘訣
愛を与えることが私を幸福にする

はじめに

 三十代後半にさしかかり、四十代に足を踏み入れると、多くの女性が「どっちつかずの自分」に気づき、呆然としてしまいます。
「おばさん」ではないけれども、肌の衰えは隠せませんし、体型も少しずつ変化し、二十代に着ていた洋服が似合わなくなってくる。すると「ああ、もう自分は若くはないのだ」という事実をいやでも痛感します。

 若くはない。しかし、中年とかおばさんという言葉で自分をくくりたくない。おばさんにはなりたくないし、中年というのも老けたイメージが拭えない。じゃあいったい、自分はどこに属せばいいのだろう。
 そんな気持ちが「女子」という言葉の多用を生んだのでしょう。「女子」を自称している限り、「若くはない」実年齢から目をそむけられるからです。
 でも、それでは女性としてもったいないと思います。
 若さが女性の最大の価値とでもいわんばかりの日本ですが、世界を見渡せば、年齢を重ね、知性と品格、そして経験を備えた大人の女性がいきいきと輝いています。「若さ」より「成熟」することに価値がおかれ、尊敬される立場にあるからです。
 グローバルな視点に立てば、「成熟」は人として最上級の価値と認識されているのです。
 そもそも、年齢を重ねるごとに成熟を模索することは人として自然なことです。

 多くの人が「成熟」の価値に気づき、大人の魅力を磨いていけば、女性はもっと輝ける。年齢を肯定的に受けとめ、まわりに振り回されず、自分スタイルを確立している女性は、とても魅力的です。
 そんないきいきとした大人の女性が増えれば、社会は変わります。女性はもっと自由に、そして美しく。若い女性にしか見向きもしなかった男性だって、大人の魅力に気づくでしょう。そうすれば、年をとるのは怖い、と思っている若い子たちの意識も変わるはず。あの女性のように、素敵な大人になりたいと憧れられるかもしれません。
 
 私が、「成熟」を意識したのは中学生のときです。

 親の離婚によって、ひとり暮らしを強いられたときのこと。生活費の援助はあったものの、十三歳で生活のすべてを自分でしなければならず、その孤独や寂しさを打ち明けられる友人も大人もいなかったのです。なにもかもを自己処理しなければいけない状況のなか、早く大人になりたい、未熟な自分から卒業したいと願っていました。
 高校卒業後は、子どもの頃から読みふけっていた文学の世界にたびたび登場する芸者の世界に憧れ、その扉をたたきました。およそ十年間、花柳界のなかで、酸いも甘いもたく
さんの経験をしてきました。
 三十歳を過ぎて芸者を辞め、フランスへ単身留学。そこで出会った花の世界に魅せられてフラワーアレンジメントの勉強をし、現在はフラワーアーティストとして空間演出などを手がけています。
 振り返ってみると、花柳界やフランスなどさまざまな場所で素敵な女性たちと出会い、彼女たちの生きざま、積み重ねてきた経験、知性、発言力、また、そうした内面を物語るファッションなど、たくさんのことに刺激を受け「成熟」というものを学んできました。
 
 早くから、人として、女性として価値あるものは、若さではなく成熟であるということを肌で感じてきた私です。
「この先どのように年を重ねていけばいいかわからない」と悩む人、あるいは若さにこだわるがゆえに無理をしている人。そんな女性のみなさんに、「成熟」の素晴らしさを提案
したいと思っています。
 そして、年齢や周囲の視線などから自由になり、だれでもないあなただけの魅力を開花させることができればと願ってやみません。

略歴

花千代
HANACHIYO

フラワーアーティスト
東京・新橋料亭での芸者経験を経て、フランス・パリにてフラワーデザインを学ぶ。帰国後、CMや映画のスタイリング、イベントや店舗ディスプレーなど多岐にわたって活動。2008 年の洞爺湖G8 サミットオフィシャル晩餐会、2013 年のオランド大統領総理官邸ランチョン、APECアジア総理公邸晩餐会などの会場装花も手がける。ジュエリーや家具、シューズデザインなどとのコラボレーションワークも多い。また、テレビ、雑誌などのメディアでも幅広く活躍中。

●装丁/名久井直子

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