心を操る発声法 できる人は声を使い分けている
声なんて変えられないと思っていませんか? 発声は単なる癖。だから、誰でもなおせます。TPOに合わせて自由自在に声を使い分ければ、ビジネスもプライベートも、すべてうまくいきます。
- 書籍:定価1650円(本体1,500円)
- 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
- 2012.11発行
内容
≪声は変えられる!≫
多くの人は、「声なんて変えられない」と思っているでしょうが、
決してそんなことはありません。声は変えられます。
なぜなら、発声は持って生まれた「資質」ではなく、
単なる「癖」だからです。「癖」は誰でもなおせます。
TPOに合わせて自由自在に声を使い分ければ、
ビジネスもプライベートも、すべてうまくいきます。
秘訣は……〈声で酔わせて、心を操る〉
職場で優位に立ちたいなら >>> 「ツアコンの声」でリーダーになる
頼み事を断るときは >>> 「個性派ヴォーカリストの声」でしっかり伝える
悩みを聞いてほしいなら >>> 「葬儀司会の声」で深みを出す
きつい印象を和らげたいなら >>> 「落語家の声」で想像させる
異性にアピールするなら >>> 「カップリングパーティ司会の声」で乗せる
できる営業マンを目指すなら >>> 「有能な詐欺師の声」を見習うべし
はじめに──声は変えられる
「誤解されやすくて困る」という人がいます。
たとえば、自分ではそんなつもりはないのに「話を聞いていないと思われる」「冷たい人に見られる」「軽薄な人だという印象を与えてしまう」など、ケースはさまざまですが、いずれの場合も、自分の思いが相手に伝わらずに悩んでいると言えます。
意外に感じられるかもしれませんが、実はこうした悩みは「声」の力で解消できます。
多くの人は、「声なんて変えられない」と思っているでしょうが、決してそんなことはありません。声は変えられます。なぜなら、発声は持って生まれた「資質」ではなく、単なる「癖」だからです。「癖」は誰でもなおせます。
そして、声が変われば、誤解されやすいという悩みも解消します。本書では、このことを多くの実例を紹介しながら解説していきたいと思います。
私は、葬儀司会やカップリングパーティ司会、シンポジウム司会など各種司会業のほか、選挙うぐいす、各種営業職、病院受付、ウェイトレス、新幹線の車内販売、ツアーコンダクター、テレフォンアポインター、テレフォンオペレーターなど、多くの仕事を経験するなかで、職種によって求められる発声がまるで違うことに気づきました。
しかし、それほど重要な要素でありながら、職種や場面によって「声を使い分ける」ことを意識している人はほとんどいません。
その後、私は、さまざまな職種に合った発声法を学び、現在はそれを日常生活で応用する方法を、講座で一般の方々に教えています。人はさまざまな声を操れることを知っていただくとともに、それを実生活に生かせるとあって、とても好評をいただいております。
「声」に関する本はいろいろと出版されていますが、多くは「発声のプロの視点」が色濃く出ているため、一般の人にはあまりなじまないようです。
また、日常生活やビジネスシーンに生かすための「話し方」の本も数多くありますが、「声」そのものを変えることで、対人関係やコミュニケーションの円滑化を図る、というものはかつてないのではないでしょうか。
本書では、実際に多くのさまざまな職種を経験した私だからこそわかる、「声のTPO」を紹介するとともに、それらの声が他者に与える影響、そして自分自身に与える影響を、わかりやすく解説します。
私自身の経験だけでなく、多数の生徒さんと接するなかで得た実例も織り交ぜていきますので、親近感を持って読んでいただけると思います。どうぞ、お楽しみください。
目次
CHAPTER 1 まずは「声」について考えてみよう
「声」のいろいろ
気持ちひとつで声は変わる
声の「色」をまとう(陽の声、陰の声/速い声、遅い声/温かい声、冷たい声)
職業によって「声」はこんなに違う
陽の声(ツアーコンダクターの声/カップリングパーティ司会の声)
陰の声(精神科医の声/葬儀司会の声)
想像させる声(優秀な営業マンと有能な詐欺師の声/落語家の声)
その気にさせる声(ウェイトレスの声/テレフォンオペレーターの声)
「できる人」の声(優れた医者の声/個性派ヴォーカリストの声)
こんな発声もあります(選挙うぐいすの声/車内販売の声/病院受付の声/
取調室の刑事の声/危ない洗脳者の声)
CHAPTER 2 憧れの「声」を手に入れる
体と声の密接な関係
心のゆがみ、体のゆがみ、声のゆがみ
脳と酸素──「心を操る発声」の基礎
鼻呼吸で免疫力アップ
タイプ別・発声練習法──職種にふさわしい「声」を
陽の声──人を引っ張る明るい発声
陰の声──体に響かせる深い発声
想像させる声──ないものを見せる発声
その気にさせる声──意のままに相手の心を動かす発声
「できる人」の声──心身のバランスがとれた発声
シチュエーション別・声の使い分け──これで相手は思いのまま
交渉の場面で優位に立つ声
職場で優位に立つ声
男女間で優位に立つ声
友人関係で優位に立つ声
自分を大事にしてもらう声
犬に対して優位に立つ──飼い犬に噛まれないために
CHAPTER 3 声で誤解されたことはありませんか?
やる気がない、無気力だと思われる
冷たい人に見られる、きつい人だと思われる
物事を深く考えていない、軽薄な人という印象を与えてしまう
断っても聞き入れてもらえない、何でも聞いてもらえると思われる
好意があるのに、無関心だと思われてしまう
何を考えているかわからない、裏がありそうだと思われる
恐い人、攻撃的な人だと思われる
話を聞いていないと思われる
CHAPTER 4 声を変えて人生が変わった人々
せっかちで空気の読めない強引な人が、優しく穏やかな人に
不器用でシャイな男性が、誘い上手なモテ男子に
説得力のない経営者が、威厳と信頼と安心感のある社長に
愛想笑いで万年疲労の女性が、イキイキ明るい笑顔に
人前で話すと緊張してカミカミな男性が、堂々と話せるように
彼氏や夫のお母さんになってしまう女性が、守られる女性に
進路に悩む青年が、現実的に地に足をつけて歩む青年に
自分に自信のない女性が、人前で堂々と歌えるように
略歴
[著者]
高山華奈(たかやま・かな)
ヴォイストレーナー、ヤマハピアノ講師、ピアノ弾き語り奏者。
1969年生まれ。ヤマハ音楽院大阪卒業後、選挙うぐいす、司会業、テレフォンオペレーター、ツアーコンダクター、営業職など数多くの仕事を経験する。現在はヴォイストレーニング「うたのまなびや」を主宰するかたわら、JEUGIAカルチャーセンター、大阪よみうり文化センターなどでも発声講座を開催。「仕事ができる人の発声の秘密」「発声からの自己変革講座」「親父の“酔わせる”発声法」などビジネスパーソンを対象とした講演も多数。
●装丁・本文デザイン/轡田昭彦、坪井朋子