初代花柳壽輔 薫る寿
稀代の振付師・初代 花柳壽輔の江戸っ子魂をつらぬいて生きる流儀を瑞々しく匂い立たせ、そこに振付という輪郭の把えにくい世界の凄みをくっきりと彫り込んだ――。これは痛快で〈たくらみ〉にみちた異色の一代記だ。 ――村松友視氏(作家)絶賛!
- 書籍:定価2200円(本体2,000円)
- 2005.12発行
内容
初代花柳壽輔は、幕末から明治にかけてひときわ鮮やかに光り輝いた演劇界の巨星である。(中略)
繊細にして巧緻。爛熟した江戸文化の香りを漂わせた独創的な振付は、舞踊界だけでなく、日本人共通の財産ともいえる。
あとがきより
目次
第一章 吉原慕情
第二章 天保哀歌
第三章 江戸追放
第四章 新流創立
第五章 襲名披露
第六章 捲土重来
第七章 江戸壊滅
終 章 温故知新
あとがき
著者
加野厚志(かの・あつし)
1945年、旧満州国奉天生まれ。日本大学文理学部中退。以後、港湾労務、漫才師など職を変転。29歳の秋、『天国の番人』でオール讀物新人賞を受賞。NHK教育テレビの『若い広場』で司会をつとめる。著書には『龍馬慕情』『鮫』(集英社)、『悪の迷宮』(講談社)、『女陰陽師』(祥伝社)、『桂の花』(廣済堂出版)、『趙雲子竜』(幻冬舎)、『人斬り鬼門』(学研)、『島津義弘』『本多平八郎忠勝』『蕭何』『孫策』『井上成美』(PHP研究所)、『探偵沖田総司』(毎日新聞社)などがある。
●装訂/三村 淳