ペンギンガイドブック Encyclopedia of Spheniscidae
ペンギンの住む地球にいる幸せ。 地球上に生息するペンギン全18種をすべて掲載。生息域、繁殖、子育てetc.ペンギンの生態がこの1冊に!
- 書籍:定価2860円(本体2,600円)
- 2002.12発行
内容
ペンギンをこよなく愛する人たちも、まさかペンギンが熱帯の海で泳いでいたり、ジャングルで子育てをしたり、町で交通事故にあっているとは思わないでしょう。
ぼくは20年以上にわたって南半球の生き物たちを撮影してきて、ペンギンも全18種に出会う機会に恵まれました。営巣地で人なつっこく近づいてくるペンギンたちを、なるべくペンギンの気持ちが伝わるように、ペンギン目線で撮影してみました。そこから見えてくるペンギンワールドは、不思議な世界そのものです。
ぼくの生まれ故郷である秋田県は、南極探検家、白瀬中尉の出身地で、探検隊の偉業を記念して白瀬生誕の地、金浦町に白瀬南極探検隊記念館があります。白瀬隊によって1911年から1912年にかけて行われた南極探検が、日本人が南極のペンギンと出会った最初のできごとでした。その時の写真なども、コラムのなかで紹介しています。
7000万年前ころに空を飛ぶことをやめて、水中に適応していったペンギンの祖先たちは、今や水中を猛スピードで飛行するスーパーバードになった。極寒の南極でも熱帯ガラパゴスでもアフリカの砂漠やニュージーランドの森でも、暮らし続けるペンギンたち?しかし、ペンギンたちが暮らしてきた豊かな自然は今、危機的な状況になっています。絶滅は時間の問題とみられているペンギンもいるのです。ペンギンのユニークな生き方とともに、急速に進む自然破壊の現状も、感じとっていただけたら幸いです。
本書あとがき「ペンギンによせて」より
著者
藤原幸一(ふじわら・こういち)
写真家、ナチュラリスト。秋田県生まれ。1970年代後半、海の勉強に憧れ、オーストラリアに渡り研究生活を送る。
1988年より豪州にワークショップを置いて、南極、南極海の島々、アフリカ、南米さらに北極圏を精力的に取材している。
代表作は『イルカ物語』『ガラパゴス博物学』『Friends of the Ice』『The Antarctic Ocean―ペンギンたちの旅・病める南極海―』など。
http://www.natures-planet.com/
●装丁/椎名麻美