ビジネスについてあなたが知っていることはすべて間違っている
ビジネスにおける失敗の原因は、すべて「定説(セオリー)」にあった。価格設定、コスト削減から、予算と事業計画、業績評価、社員の動機づけまで、あらゆる常識を覆す。そろそろ「原始人の脳」を捨て去ろう!
- 書籍:定価1870円(本体1,700円)
- 2012.09発行
内容
失敗の原因はすべて「定説(セオリー)」にあった――
原価プラス利益の価格設定、利益を押し上げるためのコスト削減、
経営報告をもとにした業績評価、実績重視の予算と事業計画、
先人の知恵を生かした行動原則、金銭的報奨による動機づけ……
ビジネスの世界で定説とされていることは、実は間違いだらけ。
高度情報化社会となった現代においてなお、
私たちは、石器時代の思考法から抜け出せていないのだ。
そろそろ「原始人の脳」を捨て、変化の時代に対応した
新しい思考法にアップグレードしよう!
価格設定――真のコストは、設計図という形に表された知識の価値にある。
コスト削減――「利益を上げたい」という本来の目的から問題を考え直す。
業績評価――計画通りに進んでいても、その要因がわからなければ意味がない。
予算とプランニング――予算は機会を潰す。実績を重視すると実績を損なう。
行動原則――なかには、どんなときでも取り入れないほうがいいものもある。
動機づけ――人を動かすのはお金ではない。金銭的報奨は組織を崩壊させる。
目次
CHAPTER 1 なぜ行き詰まるのか、どうしたら抜け出せるのか
CHAPTER 2 価格設定
CHAPTER 3 コスト削減
CHAPTER 4 業績評価
CHAPTER 5 予算と事業計画
CHAPTER 6 行動原則
CHAPTER 7 動機づけ
CHAPTER 8 思考について考える
CHAPTER 9 次にすべきこと
はじめに
大金が賭けられているポーカーのゲームを想像してほしい。一連の勝負のあいだに何百万ドルものお金が行き来する。プレイヤーは全員同じ本を読み、ゲームの仕組みを同じように理解し、あらゆる状況での勝率を完璧に計算することができる。よいカードと悪いカードを手にする確率も平等だ。それでも着実に勝ちをものにするのは特定のプレイヤーにかぎられる。彼らのどこが違うのだろう?
同じ疑問がビジネスの場にもあてはまる。グローバル化は大勢が同じ市場と同じ供給ベースへのアクセスを得ることを可能にした。インターネットを通じて同じ情報にアクセスし、同じビジネススクールに通い、同じ考え方を学ぶ。競争的優位に立てる強みはいったいどこで身につければいいのだろう?
あなたがポーカーのプレイヤーであれ、世界的大企業の経営者であれ、個人で仕事をしているのであれ、どこかの会社に勤めてキャリアを構築中であれ、競争的優位を保つ力は同じ場所からやってくる。あなた自身の頭の中だ。ポーカーのプレイヤーなら、高額が賭けられているテーブルで勝ち続けるカギは、その場にいる誰よりも相手の心理を読む力を持つことだと知っている。広く理解されているわけではないが、ビジネスでも同じことがいえる。
そこにゲームで一歩先んじるチャンスがあるのだ。この本を読むことで、あなたがそのチャンスをつかむことを祈っている。
略歴
[著者]
アラステア・ドライバーグ Alastair Dryburgh
イギリスを拠点とするビジネス・コンサルタント会社、エイクンハースト・コンサルタンツ(Akenhurst Consultants)のCEO。イギリスのビジネス誌『Management Today』のコラム執筆者。ケンブリッジ大学で数学を専攻後、アーンスト&ヤングの見習い会計士としてキャリアをスタートさせ、大手出版社ピアソンの内部コンサルタント、チャーチル・コミュニケーションズ・ヨーロッパのコマーシャル・ディレクターなどを経て独立。
[訳者]
田口未和(たぐち・みわ)
1963年、北海道生まれ。上智大学外国語学部卒。新聞社勤務を経て翻訳業。主な訳書に『子どものための世の中を生き抜く50のルール』(PHP研究所)、『ビジネスパーソンの時間割』(バジリコ)、『インド 厄介な経済大国』(日経BP社)、『ヒエログリフ解読史』(原書房)など。
翻訳協力 リベル
●ブックデザイン/萩原 睦(志岐デザイン事務所)
●組版・DTP/大山陽子(志岐デザイン事務所)
●校正/円水社