社会を動かす、世界を変える 社会貢献したい人のためのツイッターの上手な活用法
ツイッター社の社会貢献部門トップが教える、メッセージを世界に響かせるための「つぶやき戦略」。豊富な事例をもとに、つぶやきの基本からチャリティーイベントの告知法まで、社会貢献のためのツイッター活用術を伝授します。
- 書籍:定価1650円(本体1,500円)
- 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
- 2012.07発行
内容
ツイッター社のソーシャルイノベーション&フィランソロピー部門トップが教える、メッセージを世界に響かせるための「つぶやき戦略」。豊富な事例をもとに、「誰がツイートすればいい?」「どれくらいの頻度で更新すればいい?」などの基本から、チャリティーイベントの告知法まで、社会貢献のためのツイッター活用術を徹底的に伝授します。ツイッター社の共同創業者ビズ・ストーンによる序文あり。
津田大介氏(ジャーナリスト・メディアアクティビスト)推薦!
人々の善意を集めて社会を変える――もはやツイッターは社会運動になくてはならないツールになった。人々を「動員」するノウハウが詰め込まれている本書は、今後社会運動家・社会起業家の「バイブル」になるはずだ。
はじめに
現代では安全な飲み水よりも携帯電話のほうが手に入りやすい。この現実が国際社会に大きな課題を突きつけている。多種多様な社会問題を解決するには、テクノロジーをどう役立てたらいいのか。子供たちを飢餓から救い、地域社会の貧困を解消し、この世界を持続可能な方向に変えていくには身近なハイテクツールをどう使えばいいのだろう。その答えは一人ひとりのなかにある。
ツイッターは個人頼みのネットワークだから、改革を起こすほどの力はないと批判する向きがある。マルコム・マクダウェルなどの論客は、オープンソースの情報網を利用したところで広い世界を変えることはできないと断じる。その論調になびく人もいる。
ツイッターのユーザーは異議を唱え、それこそがツイッターの強みだと反論する。そもそもツイッターが普及したのはオープンなリアルタイムの情報網だからだ。その情報網に参加する誰もが、日常で、地域で、世界で起きていることを瞬時に共有できる。“どこからでも”共有できるだけではない。“誰とでも”共有できるのだ。
私はケニアで活動していたころ(周辺には清潔な水が一滴もなかったが)、携帯電話でツイッターにアクセスし、地球の反対側にいる人たちとリアルタイムでつながれることに感動した
あれから5年が過ぎ、今では1日に何百万件ものツイートが投稿されている。投稿された情報は人から人へ、国から国へと伝わり、世界に影響をもたらす。ツイッターが世界的に普及したことでツイッターの使いみちは多様化し、その効果を示すデータも増えてきた。ツイッターが世界各地の非常時に活用されるようになったのには理由がある─ハイチ、中東、日本はその好例だ。
ハイテクが人の営みを変えつつある今こそ、ハイテクを社会に役立てる方法を模索するチャンスだ。ツイッターはその一助になる。ツイッターを動かしているのはテクノロジーだが、ツイッターを生かしているのはユーザーだ。ツイッター社の共同創業者ビズ・ストーンは、ツイッターの勝利は善意の勝利であり、技術のそれではないと言った。本書では、ツイッターというテクノロジーを生かした人たちの体験談を数多く紹介する。オープンな情報交換を身上とするシンプルなウェブサービスとして、ツイッターは個人の声を世界に響かせる。ツイッターの原動力はユーザーなのだ。
だから、私たち一人ひとりの行動は、世界を変えられる。
目次
本書に寄せて ビズ・ストーン(ツイッター社共同創業者)
読者のみなさんへ
はじめに
Chapter1
善意をかたちにするために
“志”を支援するツイッター社の取り組み
T.W.E.E.T.モデルのシンプルさ
Chapter2
T(設定):
アカウントの「ターゲット」を決める
ツイッターを利用する目的は3つ
どのターゲットを選べばいいのか
お手本を見つける
アカウントとキャンペーンの両立
ターゲットは柔軟に変更しよう
半年で達成したい5つの目標を決める
“設定”に関するFAQ
Chapter3
W(投稿):
人気ラッパーのつぶやきに学ぶ
何をどうつぶやけいばいいのか――カニエ・ウエストに学ぶつぶやき方
コンテンツ情報をプラスする
ターゲットが変われば、ツイートも変わる
“投稿”に関するFAQ
MINI ESSAY 活動現場で世界を変える
フリー・ザ・チルドレン国際協力事業部ディレクター/
ケリー・クリーデン
MINI ESSAY ツイッターで社会に貢献するということ
ウォーター・ドット・オーグ ウォータークレジット局長/
エイプリル・リニー
MINI ESSAY 誰がつぶやくべきか
ブリングUK代表/ジョン・カーネル
Chapter 4
E(交流):
つながるためのツール
おすすめのつながる機能
ツイッターで善意をつなぐには
データとしてのツイート――災害情報マッピングの現在と未来
“交流”に関するFAQ
MINI ESSAY 民主化運動のシンボルになった#Jan25
@alya1989262
MINI ESSAY ハイチ大地震ではツイッターが人々を束ねた
ファイアーサイド・インターナショナル創設者/ルーク・レナー
MINI ESSAY 東日本大震災と“ライフライン”としてのツイッター
ツイッター・ジャパン代表 近藤正晃ジェームス
Chapter5
E(開拓):
活路を開く、ネットワークを広げる
自分たちの関連ツイートを検索する
強力な味方を見つけよう
有力なユーザーにアピールするには
スポンサーを発掘する
ツイートを読んでもらうには
成功例をまねてみよう
“開拓”に関するFAQ
Chapter6
T(検証):
アカウントの成果を評価する
ターゲットを思い出す
情報提供のアカウントを検証する
親睦目的のアカウントを検証する
募金用のアカウントを検証する
アカウントの検証に使える分析ツール
アカウント運営を合理化する
“検証”に関するFAQ
MINI ESSAY ツイッター募金の教訓
ボーン・トゥ・フライ・インターナショナル創設者/ダイアナ・シモーネ
MINI ESSAY 元ギャングが集うツイッター学校
リコンストラクテッド・リビング・ラボ創設者/マーロン・パーカー
Chapter7
T.W.E.E.T.モデルの実践
ケース1:女性支援のNPOイヌア
ケース2:南米のテレビ局ビバ
FAQ集
おわりに
略歴
[著者]
クレア・ディアス=オーティス
2009年より、ツイッター社ソーシャルイノベーション&フィランソロピー部門責任者。法人、個人がツイッターを有効に活用するための“T.W.E.E.T.モデル”を考案し、世界各地で講演活動を行なっている。エイズで両親を失ったケニアの子どもたちを支援する非営利団体ホープ・ランズの共同創設者でもある。スタンフォード大学大学院で人類学を学んだ後、スコール財団の奨学生として英オックスフォード大学でMBA(経営学修士)を取得。世界4大陸で過ごし、50カ国以上を歴訪。ビジネスウィークやハフィントンポストなどに寄稿している。
@Claire
[訳者]
永井二菜(ながい・にな)
主な訳書に『人生を変える、お金の授業』(PHP研究所)、『こんな男とつきあってはいけない』(アスペクト)、『イベントトレーディング入門』(パンローリング)、『夫婦仲の経済学』(阪急コミュニケーションズ)など。書籍のほかに映像翻訳、雑誌の連載、海外タレントのインタビュー等を担当。東京都在住。
●装丁・本文デザイン/萩原弦一郎(デジカル)
●校閲/鴎来堂