ブレイキング・ナイト ホームレスだった私がハーバードに入るまで
薬物中毒の両親、貧困、いじめ、矯正施設収容、家庭崩壊。そして15歳でホームレスになるも、高校に戻りハーバード大学へ――過酷な日々を懸命に生き抜き、決して人生を諦めなかった女性のリアルストーリー。
- 書籍:定価2420円(本体2,200円)
- 2012.02発行
内容
リズ・マレーは、薬物中毒の両親のもと、ニューヨーク・ブロンクスに生まれ育った。両親は定職につかず、一家が頼りにする生活保護手当てもほとんどがドラッグに消えてしまい、リズと姉は空腹に耐える日々を過ごす。学校では不潔な服やシラミだらけの頭のためにいじめられ、不登校になり、児童福祉施設に送られる。15歳のとき家庭が崩壊、ホームレスとなったが、必死に食料をあさり、寒さをしのぐために地下鉄で寝泊まりするなどして、なんとか生きのびる術を身につける。最愛の母をエイズでなくした後、人生をやり直そうと高校に再入学。ホームレスのまま通路や地下鉄駅などに寝泊りして勉強を続ける一方、アルバイトをして生活費を稼ぎながら、本来4年かかる高校の過程を2年で修了。優秀な成績も認められて、ニューヨークタイムズ紙の奨学金を獲得、ハーバード大学へ進学する。
全米のメディアが報じた驚きと感動のストーリー。
「人間の精神とは決して状況に縛られるものではなく、無限に成長する力を秘めているとリズ・マレーは教えてくれる。『ブレイキング・ナイト』は、コミュニティ、人生の障害、そしてアメリカン・ドリームについての見方を変える、美しい文体で描かれた誠実な回想録だ。インスピレーションに満ちた必読の書」
――ロバート・レッドフォード
目次
プロローグ
第1章 ユニバーシティ・アベニュー
第2章 学校
第3章 精神病棟
第4章 崩壊
第5章 お手上げ
第6章 男の子
第7章 ブレイキング・ナイト
第8章 モーテル
第9章 真珠
第10章 壁
第11章 訪問
第12章 可能性
エピローグ
略歴
[著者]
リズ・マレー Liz Murray
1980年、ニューヨーク・ブロンクスに生まれる。両親は薬物中毒で、生活保護に頼る貧困な家庭で育つ。学校ではいじめられ、不登校になって児童福祉施設に収容される。15歳のときに家庭が崩壊、ホームレスに。地下鉄のホームなどで寝泊りを続けるが、最愛の母をエイズで亡くした後、高校に戻る決意をする。ホームレスであることを隠したまま高校に通い、猛勉強の末にニューヨークタイムズ紙の奨学金を得て、ハーバード大学に進学。2009年に同大学を卒業。ホワイトハウスプロジェクトのロールモデル賞、クリストファー賞、オプラ・ウィンフリーから贈られるフツパー賞などを受賞。ライフタイムTVにより、その半生を描いたテレビ映画 “Homeless to Harvard: The Liz Murray Story(ホームレスからハーバードへ:リズ・マレー物語)” も製作された。現在は、ニューヨークのマニフェスト・リビング社の設立者・ディレクターとして、人々が人生を変革し、目標を達成するための支援を行い、世界中でワークショップや講演活動を行っている。
[訳者]
大城光子(おおき・みつこ)
東京外国語大学中国語科卒業。商社勤務、通訳ガイド、映画製作等を経て翻訳家に。訳書に『アリー・myラブ the official guide』(徳間書店)、『あなたの周りの困った人の攻略法』(角川書店)、『ミットフォード家の娘たち』(講談社)、『デスパレートな妻たち オフィシャル・ガイド』(NHK出版)、『メイキング・オブ天使と悪魔』(竹書房)などがある。
翻訳協力 株式会社トランネット
●ブックデザイン/松田行正+山田知子