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女と男の万葉集
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女と男の万葉集

女と男の万葉集

憧れも嫉妬も未練も激情も、繊細かつ大胆に表現した万葉人。千三百年の時を経てなおみずみずしい恋歌と、歌から生まれた現代のラブストーリー集。切ない純愛から激しい愛憎まで百三篇を収録。

  • 書籍:定価1760円(本体1,600円)
  • 電子書籍:定価1232円(本体1,120円)
  • 2010.07発行
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内容

日本最古の歌集・万葉集には、繊細かつ大胆に愛を表現した万葉人の恋歌が多く編まれている。憧れ、嫉妬、未練、激情……千三百年の時を経てなおみずみずしい恋歌は、現代を生きる私たちの心に深く染み入る。色とりどりの恋歌と、歌から生まれた現代のラブストーリー百三篇を収録。いつの世も変わらない女と男の恋心に触れながら、和歌の世界に親しめる。それぞれの歌には現代語訳と解説付き。

前書き

万葉集は、日本でいちばん古くて、永遠に新しい――。
七世紀後半に、柿本人麻呂はこんな歌を詠んでいます。

古にありけむ人も我がごとか 妹に恋ひつつ寝ねかてずけむ
(昔の人もわたしと同じように恋人を思い寝つけなかったのだろうか)

現代に生きるわたしたちも、そんな恋をしています。
あこがれ、片思い、不安、甘美、嫉妬、失恋、後悔……。
恋する気持ちは、いつの世も変わりません。
万葉集には、遠い昔にも自分と同じ気持ちの人が生きていたのだと
リアルに感じる歌が、たくさん詰まっています。
本書は、万葉集歌と、その歌をもとにした恋心を今に伝える
オリジナルストーリーを集めています。
万葉集を紐解くとき、わたしは人の肌触りやぬくもりを感じ、
時としてそれらに慰められ、勇気づけられます。
そして、またときめく恋をしたくなってしまうのです。

目次

序章 さまざまな恋模様
第1章 立ちのぼる春の色香
第2章 夏の渚に恋の波
第3章 落ち葉 恋文 秋の風
第4章 雪舞う冬のぬくもり
第5章 青き恋のエチュード
第6章 切ない心受け止めて
第7章 ひとり涙に凍える夜
第8章 滴る喜びの雫
終章 恋心よ永遠に
おわりに

著者

桜川ちはや
万葉集研究家。1965年生まれ。岐阜女子大学文学部国文学科卒。皇學館大学院修士課程修了。熱田神宮宝物館学芸員、名古屋市史料調査員、教育関係専門学校講師等を経て、98年より盛岡市に移り、岩手県立図書館協議会委員等を務める。現在、NHK文化センター古典講座講師。

●装丁・本文デザイン/松田行正+山田知子