イタリアの保存食レシピ 旅して見つけた
おいしい! かんたん! おしゃれ! 実際に作りおきできるイタリアの保存食+保存食を使った料理レシピを全70品紹介。
- 書籍:定価1980円(本体1,800円)
- 電子書籍:定価1584円(本体1,440円)
- 2009.11発行
内容
オイル漬けの保存食、酢漬け・塩漬けの保存食、乾燥品や燻製、シロップやリキュール漬け、ジャム類など、作りおきすれば見た目もおいしいイタリアの保存食の数々と、それらを使って手早くできる料理が満載(ほぼ全品をトスカーナの農園で調理&撮影!)。食材の産地情報やイタリア人の魅力ある生活感を伝えるコラムも。
イタリアの食材や料理の美しい写真を多数掲載した、眺めるだけでも楽しいレシピ&ビジュアルブック。
「あとがき」より
イタリアで暮らしていると、どこかに旅したときに、「ちょっと重くてかさばるけど……」といいながらイタリア人が持たせてくれるお土産はいつも、自家製の保存食がむっちりと詰まった瓶詰め!
アルプスに咲くハーブ入りのグラッパはスキー仲間から。チンクエ・テッレの漁師さんには塩漬けアンチョビを。山の別荘に行った一家はフンギのオイル漬けを。シェフはお店のピクルスを。友達のマンマには特製トマトソースに杏のジャムを……。
帰国して、いつも身近にあった作り手の顔が浮かぶ手作り保存食が恋しくなったころ、廣瀬さんから「イタリアの保存食の本をイタリアで作りませんか?」との誘いを受け、「そうだ! 自分で作ればいいんだわ」
それから半年後の秋、ALEX一家の農園の離れのキッチンを借りて、幸せな撮影が始まった。バラの咲くテラスに向かって開放された、大きなテーブルのある心地いいオープンキッチンには、毎日いろんなお客さんもやってきた。「あれ、アンチョビがない」「あれ、胡桃が消えた」「あれ、干しリンゴが減ってる」。お客さんの正体は、しのび足の野良猫、器用に殻を割る庭の胡桃の樹に住むリス、そして、「おいしそうだったから~」と、お腹のすいただれかさん。
自然の光と風の中で本を作ろう! が、私たちの撮影ポリシーだったから、朝食後から日没までの時間が勝負。テーブルの上には毎日、いろんな食材と、瓶や布や道具、そしてレシピ代わりのスケッチブックと色鉛筆。そして、片付けと明日の準備を終えた後は、ALEX一家との楽しい秋の夜長&初夏の夕暮れの至福の夕ごはん&温泉タイムが待っていた。こんな幸せな時間ありかナー。
おかげで、料理書でありながら人を旅に誘うような、ページをめくる手が止まらないような本が完成しました。Grazie!
池田律子
目次
はじめに
殺菌の仕方/保存容器を選択/保存中の注意
1 オイル漬けの保存食
ペコリーノ・トスカーノのオリーブオイル漬け/丸赤唐辛子の詰め物/アンチョビのオイル漬け/マグロのオイル漬け/焼きピーマンのオイル漬け/ラルドのオイル漬け/カッペリのオイル漬け/ナスのプーリア風オイル漬け/ムスカリの球根のオイル漬け/サラミソーセージのラード漬け/ポルチーニのオイル漬け/オリーブのオイル漬け/フィンフェルリ(杏茸)のオイル漬けとイタリアンソーセージのパスタ/オイル漬けポルチーニのパニーニ/乾燥&オイル漬けポルチーニのリゾット/バーニャ・カウダ/ニース風地中海サラダ
イタリアの食材と料理を知るための雑誌、ガイドブック案内
2 酢漬け・塩漬けの保存食
野菜のピクルス/キュウリのピクルス/ナスの酢漬け/ニンニクの酢漬け/小玉葱の甘酢漬け/レモン塩/アンチョビの塩漬け/ナスの酢漬けのブルスケッタ/レモン塩とパセリのサルサ
ハーブビネガーとハーブオイル
3 乾燥品などのナチュラルな保存食
ペースト・ジェノヴェーゼ/グリーンオリーブの塩水漬け/ヴィンコット/2種類のトマトの乾燥(吊るしトマトと平干しトマト)/乾燥甘赤唐辛子/乾燥パン粉/ドライ・フィンフェルリ/ドライ・ポルチーニ/干しズッキーニ/干しリンゴ/アーモンド入り乾燥イチジク/小粒の白インゲン豆の水煮/ヒヨコ豆の水煮/グリーンピースの水煮/トマトの水煮/コルツェッティ/ドライトマト入りのグリッシーニ/ぺースト・アル・トロフィエ/テスタローリ/2種類のトマトのアクア・パッツァ/干しリンゴ入りのシリアル/栗粉のクレープ/天日乾燥した黒オリーブのオレンジ&赤唐辛子風味/水煮のプチトマトのスパゲッティ
ぼくの燻製づくり
4 シロップ漬け・リキュール漬け
チェリーのシロップ漬け/月桂樹の葉のリキュール/ザクロのグラッパ/ピーノとリーナの特製フルーツ入りブランディ/リモンチェッロ/クレーマ・ディ・リモーネ/シロップ漬けチェリーのチョコレートソース/ババ/洋梨の赤ワインコンポート
モスタルダあれこれ
5 ジャム
オレンジ+ピンクグレープフルーツ+レモンのミックスジャム/オレンジのジャム/レモンのジャム/チェリーのジャム/ブルーベリーのジャム/ラズベリーのジャム/杏のジャム/レッドカラントのジャム/グリーントマトのジャム
果物のジャムを作るときに…
6 旅して見つけたとっておきレシピ
カモミールのジュレ/オレンジピールのチョコレートがけ/一口サイズのモッツァレッラとプチトマトとニョッキのペースト和え/モンテ・ビアンコ/リコッタ・アル・フォルノ/スパゲッティ・カルボナーラ
トスカーナ、オリーブ農園にて
あとがき
著者
池田律子(いけだ りつこ)
イタリア料理・食文化講師、フードコーディネーター。
兵庫県西宮市生まれ。甲南大学卒業後、日本航空勤務を経てイタリア国立ペルージャ大学に留学。94年ミラノで料理教室をはじめ、01年からは宝塚、南青山のスタジオでも料理教室を開催。06年にベースを日本に移し、日伊での取材・講演活動のほか、大手百貨店のイタリア展など食にまつわるイベントプロデュースも手がけ、大学でも教鞭をとる。著書に、「フィガロジャポン」の連載をまとめた『イタリアのおいしい旅』『ようこそイタリア、スローフードの旅』(CCCメディアハウス)がある。
廣瀬智央(ひろせ さとし)
美術家。ミラノ在住。
1963年東京生まれ。多摩美術大学卒業後、イタリア政府給費留学生として渡伊。イタリア国立ミラノ・ブレラ美術アカデミー修了。旅やコミュニケーションをテーマに、日常生活や異文化間の差異性や共時性に注目しながら新しいアートの可能性を切り開く作品を展開。世界各地で展覧会多数開催。またライフワークとして旅の途中でとらえた空の写真を91年より継続的に制作。写真集『ヴィアッジョ―空をめぐる旅』(2000)『Viaggio』(2008)。池田律子『イタリアのおいしい旅』(CCCメディアハウス)の写真も担当。
●装丁・デザイン/伊丹友広(it is design)