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千利休の功罪。
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千利休の功罪。

ペン編集部 編

木村宗慎 著

千利休の功罪。

黒の美を表現した黒樂茶碗、二畳の空間に無限大を込めた待庵、誰より早く注目したミニマル・デザイン、空前絶後の一大イベント……日本初のクリエイティブ・ディレクターが生んだ、比類なきデザイン性のすべてがここに!

  • 書籍:定価1650円(本体1,500円)
  • 2009.11発行
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内容

《利休の登場で、茶の湯はどう変わったのか?「茶聖」の光と影を徹底解明》
黒の美を表現した「黒樂茶碗」、
二畳の空間に無限大を込めた茶室「待庵」、
誰より早く注目したミニマル・デザイン、
そして空前絶後の一大イベント……
日本初のクリエイティブ・ディレクターが生んだ、
比類なきデザイン性のすべてがここに!
――茶聖70年の生涯を追体験できるスゴロク付き!

前書き

「茶の湯」を完成させた男として、いまもなお伝説的な存在である、千利休。
プロダクトから空間、さらにはグラフィックやイベント・プロデュースにいたるまで、あらゆる分野に才能を発揮し、すぐれた「デザイン」をもたらした。
絢爛豪華で激動の安土桃山時代に生きたトレンドセッターは、茶人という枠に収まりきらない、日本初の「クリエイティブ・ディレクター」なのだ。
70年の生涯のなかで、決して歩みを止めることなく、常に自らの美意識を研ぎ澄まし、伝統や歴史にとらわれずに、まったく新しい価値観で確固たる「個」を打ち立てた。
そんな千利休の比類なきデザイン性、そして、その光と影、功と罪を徹底的に解明する。

目次

千利休の功罪を、いま改めて問い直す。

利休デザイン徹底解剖。
茶室 二畳敷きの極小空間に込められた、深遠な思想。
床の間 その場限りの美しさこそが、本来の侘びである。
樂茶碗 空間や世界観を変えてしまう、唯一無二の存在。
茶碗 樂茶碗誕生につながった、さまざまなルーツ
利休形 まさに茶の湯のユニバーサル・デザイン
見立て 目利きゆえの「見立て」は、エポックメイキング
花入 素朴であれ豪華であれ、どちらにも本質がある。
グラフィック ミニマル・デザインのよさに、誰よりも早く注目。
料理 身近で「旬」な食材で作る、心尽くしの茶懐石。
菓子 懐石を締めくくる、デザートとしての菓子。
茶会 プロデューサーとして、空前のイベントを実施。

利休自作、3つの茶杓のエピソード 一

利休をめぐる人々の興亡。
信長が考案した、世の中を支配するメカニズム――織田信長・豊臣秀吉・千利休
茶の湯の三巨人は、こんなにも違う。――千利休・古田織部・小堀遠州
もっとも愛した絵師、長谷川等伯とは?
モチーフを繰り返し描いた、琳派の美意識。

利休自作、3つの茶杓のエピソード 二

現代における利休とは。
クリエイターが語る、それぞれの利休像。

千 宗守 茶の湯の世界を、真空状態に押し上げた存在。
樂 吉左衞門 利休と長次郎の、美をも削ぎ落とす凄まじさ。
赤瀬川原平 憧れて近づいたら危ない、無口な芸術家。
原研哉 無駄を削ぎ落とし、互いの美意識を共有する。
黒鉄ヒロシ 「安土桃山人」を代表する、ひとりの殉教者。
さまざまに描かれた、キャラクター「利休」。

利休自作、3つの茶杓のエピソード 三

[対談]花人 川瀬敏郎 × 茶人 木村宗慎
利休の登場で、一体何が変わったのか?

茶の湯に捧げた、「茶聖」70年の生涯。

あとがきに代えて――利休の“罪”は、いかにして創られたか。

千利休 茶会道具一覧

【特別付録】茶聖70年の生涯を、スゴロクで再現。

著者

木村宗慎(きむら そうしん)
茶人。本名・慎太郎。1976年愛媛県宇和島市生まれ。神戸大学卒業。裏千家茶道を学び、97年に茶道「芳心会」を立ち上げ京都・東京に教室を主宰。そのかたわら、「茶の湯」を柱に雑誌、TV、CM、イベントなどの監修・コーディネートや執筆活動を行う。ミラノ・サローネやフランクフルト工芸美術館の展示など、国内外のデザイナーやクリエイターとの幅広いコラボレートを通して茶の湯のいまを問い続けている。2006~2008年(財)佐川美術館設立準備委員会広報担当。宇和島市伊達博物館協議会委員。宇和島市文化協会顧問として郷里の博物館での展覧会の企画なども手がける。2008年日本博物館協会顕彰を受彰。著書に『所作美人』(サンマーク出版)、『茶の湯デザイン』(阪急コミュニケーションズ)など。
www.hoshinkai.jp

編者

ペン編集部

●ブックデザイン/SANKAKUSHA
●カバーデザイン/佐藤光生(SANKAKUSHA)