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世界平和はナマコとともに
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世界平和はナマコとともに

世界平和はナマコとともに

“歌う生物学者”待望のエッセイ集、第3弾! お菓子の家に住むナマコは、目も鼻も舌も、心臓も、脳もない。ヒトは全部もっているけれど、毎日ぎゅうぎゅう虫かごの中。本当の“しあわせ”はどっちにあるのだろう?

  • 書籍:定価1650円(本体1,500円)
  • 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
  • 2009.01発行
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内容

“歌う生物学者”こと本川先生の待望のエッセイ集、第3弾!
「ゾウの時間ネズミの時間」だけじゃなく、「ヒトの時間」も「ナマコの時間」も、
生きものにはみな違う時間が流れている。目もなく心臓も脳ももたず、まるでお菓子の家に住んでいるようなナマコと、毎日虫かご並みの通勤電車にゆられてせかせか生きるヒト。
生きものにとっての本当の“しあわせ”とはなにか。ナマコを見つめて30年の著者が現代社会の大問題を生物学の立場から考えたエッセイ集。

目次

世界平和はナマコとともに
ナマコワールドへようこそ
ナマコ学事始め
ナマコが融けてしまう話
ナマコで一攫千金
砂を噛む生活
坐禅の時間・ナマコの時間
五十倍遅いナマコの時間
ナマコは眠らない
ナマコは夏に眠る
恒温動物は虚しい
生で食べるからナマコ
ナマコの分身の術
ナマコと小正月
初めてナマコを食べた人
ナマコのように可愛い子
ナマコは俳句にふさわしい
ナマコもサクラも「五」が基本
ナマコはタイヤ、ウニは頭
ナマコの抜け殻はない
ナマコの足は三千本
手が足に、足が目に
ナマコの子供はよく動く
ナマコは高級中華料理
ナマコの養殖
ナマコで世界平和

ヒトの時間と「少子高齢化」
生物学から「少子高齢化」を考える
可愛い心臓
コンピュータは老人にやさしくない
子供の時間・老人の時間
「老いこそ生きがい!」と胸を張りたい
長命社会と医療――動物学の視点から
時間の見方を変える時
泡盛のおいしい飲み方
「サイズ」から動物を考える
1+1は2になるのだろうか?
ホヤと経済学
通勤電車は虫かごなみ
携帯電話にクールなマナー

歌う授業で教育改革
歌う授業の生物学的基礎
寄生虫賛歌
長くて曲がりくねった道
魚の体色・定年退職
貴族的研究者
熱愛長春
検定教科書というもの
音楽の教科書は必要か?
進路を決めかねている高校生へ
英語の苦手な理工系学生へ
当世バベルの塔
理系から国語科に期待すること

寿司サイエンスvsハンバーガーサイエンス
科学の違いを考えるためにまず宗教の違いから考えてみよう
東西の科学の違い
東西の科学者の違い
東西の科学の長所と短所
東西では論理も違う

あとがき
初出一覧

著者

本川達雄(もとかわ・たつお)
東京工業大学大学院生命理工学研究科教授。
1948年、仙台生まれ。東京大学理学部生物学科(動物学)卒。東京大学助手、琉球大学講師、同助教授を経て現職。専門は生物学。棘皮動物(ナマコ、ヒトデ、ウニ、ウミユリの仲間)特有の硬さの変わる結合組織の研究や、群体性のホヤを用いたサイズの生物学、サンゴの生物学などが研究テーマ。
著書『ゾウの時間ネズミの時間』『サンゴとサンゴ礁のはなし』(中公新書)、『歌う生物学』『ナマケモノの不思議な生きる術』(講談社)、『生きものいっぱいゆたかなちきゅう』(そうえん社)、『歌う生物学 必修編』『ナマコガイドブック』『おまけの人生』『「長生き」が地球を滅ぼす』(阪急コミュニケーションズ)など多数。

●装丁・本文デザイン・DTP/内藤寿美子