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日韓企業戦争 国際市場で激突する宿命のライバル

日韓企業戦争

日韓企業のグローバル競争の来し方行く末を、自動車とデジタル家電分野で追い続けた渾身のレポート。 生き残るのは日本か韓国か!?

  • 書籍:定価1980円(本体1,800円)
  • 電子書籍:定価1584円(本体1,440円)
  • 2007.10発行
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内容

日韓それぞれの企業がお互いの評価を誤っているのは、「韓国の自信過剰と日本の警戒過剰」のせいだ。
デジタル家電でしのぎを削る、サムスンvs.松下、シャープ、ソニー。収益率、成長率で戦うトヨタと現代自動車。
両国の二分野の企業の実態を克明にレポートし、グローバル競争の行方を占う。

目次

はじめに

第一章 韓国経済の実力診断
~日本に学び、日本を超えるか~

一. 韓国経済の現状
● 国際競争で日本に勝ち抜くことが韓国経済の生きる道
● なぜ自動車とデジタル家電が重要なのか
二. 韓国経済の実力を知る
● GDPの数字から分かること
● 経済の先行きへの不安感
● 政権と経済界の対立
● 北東アジアでうまく舵取りができるか
三. サムスンの強さを知る
● 韓国経済の最大の牽引車
● サムスンの強さの源泉
● 日本から技術をAI移転
● サムスンのアキレス腱
● 不人気と言われるサムスン
● 日韓企業の激突はこれからが本番
四. 現代自動車は世界トップ・ファイブ入りを目指す
● 韓国の誇りである
● アメリカ市場での現代
● 中国市場での現代
● 現代自動車グループのジレンマ
● 相手国市場の攻略が最後のフロンティア

第二章 破竹の勢いのトヨタ、ホンダと追撃する現代自動車
~自動車産業・アメリカ市場編~

一. 世界の中での日韓自動車メーカーのポジション
● 日韓の自動車メーカーが世界の自動車産業の成長をリードしている
● 世界市場の成長フロンティア
● 収益力世界一のトヨタ、成長率抜群の現代
二. アメリカ市場での競争
● 日本勢が圧倒的に優勢、しかし韓国勢が猛追
● GMを筆頭にビッグ・スリーの不振が続く
● ビッグ・スリーの不振の理由
● 快走が続く日本勢
● トヨタの強さの要因は四つある
● 量販車ブランドでのトヨタと現代
● 入門車ブランドでのトヨタと現代
● 高級車ブランドでのトヨタと現代
● ハイブリッド車でのトヨタと現代
● 現代、恐るべし
● 日本勢は破壊的革新を継続すべし
三. 韓国自動車メーカーの生い立ち
● 戦後最大の韓国による「カルチャー・ボローイング」
● 大宇自動車の場合
● 現代自動車のAI移転

第三章 遅れてきたトヨタと急成長する現代
~自動車産業・中国市場編~

一. 中国市場での競争
● ダイナミックな成長を続ける中国市場
● 中国企業との合弁による海外メーカーの現地生産
● 日韓米欧主要メーカーの業績を俯瞰する
● 現代の躍進とホンダの高成長、トヨタの遅れ
● 国家、産業、企業・製品ブランドの相互関連を解き明かす
● トヨタが繰り出す中国戦略
● トヨタが学ぶ中国レッスン
● トヨタのマーケティングの課題
二. 中国に魅せられる日本企業、その機会とリスク
● 東アジアに巨大な龍が蘇る
● 中国経済の光と陰
● それでも日本企業は中国を目指す

第四章 消費者愛国主義に支えられた日韓両国の自動車メーカー
~自動車産業・日韓市場編~

一. 両国内市場での日韓自動車メーカー
● 日本の国内市場は低迷している
● 日韓のメーカーが世界の中心軸になりつつある
● 日本の自動車産業の国内外でのポジショニング
● 韓国の自動車産業の国内外でのポジショニング
● 現代が直面しているいくつかの問題
● 低迷する日本国内市場の打開策
● トヨタのリコール問題、ホンダの技術革新
二. 相手国市場での日韓自動車メーカー
● 日本市場での「現代」の不振理由を解き明かす
● 韓国市場での「レクサス」「ホンダ」の好調理由
● 消費者愛国主義と原産国評価の影響力
三. 欧州やASEAN諸国での日韓自動車メーカーを概観する

第五章 薄型テレビをめぐる世界覇権戦略
~デジタル家電・日韓激突編~

一. 世界の薄型テレビ市場を俯瞰する
● 北東アジアが世界のセンター
● なぜ薄型テレビなのか、日韓メーカーの負けられない競争
二. 薄型テレビ市場での日韓メーカーの激突
● 今日の日本市場が五年後の世界を先取りしている
● 液晶テレビとプラズマ・テレビの違い
● 海外市場で勝ち抜かなければ、日本勢の明日はない
三. 液晶テレビでの攻防
● 日本勢の優位はいつまで続くのか
● 北米市場は世界のショー・ルーム
● 欧州市場は韓国勢のフランチャイズである
● 中国市場は価格競争の震源地
● 日本市場は世界のアンテナ・ショップ
四. プラズマ・テレビでの攻防
● 松下対韓国勢二社の構図
五. サムスンが抱く懸念
● 李会長の「サンドイッチ・コリア論」に注目
● 韓国勢が恐れている日本勢の反撃
● 低価格マーケティングだけでは真の勝者になれない
● 韓国企業は世界に向けて新しいライフスタイルの提案をせよ

第六章 日韓新ビジネス・モデルの攻防
~デジタル家電・市場展望編~

一. 薄型テレビの競争力を支える半導体とパネル
● 日韓両国勢による世界市場の争奪戦はまだ序の口だ
● 日韓両国勢の競争力を比較する
● 日本勢の垂直統合モデルは磐石か
● 設備投資で日本勢は遅れをとっている
● 日本勢はこのまま後退を続けるのだろうか
● 日本企業の技術開発力は後退している
● 電子材料では日本勢が世界の供給基地
二. 薄型テレビは利益を生むのか
● 営業利益率で日本勢と韓国勢を比較する
● 今後の収益向上の見通しは暗い
● 薄型テレビの新たなビジネス・モデル
三. その他のデジタル家電での日韓メーカー
● 世界における日韓メーカーのポジショニング

終章 日韓企業戦争の行方
~競争と協調は可能か~

一. 韓国で「日本を見習え論」が復活しつつある
● 日本企業の復活、韓国企業の苦悩
● 現代自動車のビジネス・モデルの改革は待ったなし
二. 日韓企業による新たな世界への貢献
● 日韓間での「新たな協調」のフレーム
● 「文明の配電盤」への可能性
三. 日本人と韓国人は協調できるのだろうか
● むずかしいからこそ挑戦すべき
● 韓国人はどんな人たちなのか
● 韓国人の「文化の型」を整理する
● 文化の違いを超えて文明の大義で協調しよう

あとがき
参考文献

著者

林廣茂(はやし・ひろしげ)
1940年、韓国生まれ。同志社大学法学部卒。インディアナ大学経営大学院MBA(経営学修士)課程修了。法政大学大学院経営学博士課程満了。長年外資系マーケティング・コンサルティング会社でコンサルテーションに従事。滋賀大学教授を経て、同志社大学大学院ビジネス研究科教授。日韓マーケティング・フォーラム共同代表理事。著書に『等身大の韓国、等身大の日本』(タケハヤ出版)、『国境を越えるマーケティングの移転』(同文舘出版)、『幻の三中井百貨店』(晩聲社)など。

●ブックデザイン/倉田明典