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ひとり 誰にも看取られず
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ひとり 誰にも看取られず ――激増する孤独死とその防止策――

ひとり 誰にも看取られず

NHKスペシャル『ひとり 団地の一室で』をベースに大幅な追加取材を行って書籍化。格差社会の苛酷な現実を最も的確にあぶり出している「孤独死」の実状と対策に迫る!

  • 書籍:定価1540円(本体1,400円)
  • 電子書籍:定価1232円(本体1,120円)
  • 2007.07発行
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内容

孤独死の原因、孤独死が急増している現状、地域社会による孤独死防止の取り組み、団地やマンションで孤独死が起きた場合の対処法、そして自分が孤独死しないためには。
――孤独死問題とその防止策を網羅!
「孤独死」が格差社会の苛酷な現実を最も的確にあぶり出している。
聖路加国際病院理事長・日野原重明氏絶賛!

目次

プロローグ NHKスペシャル『ひとり 団地の一室で』が与えた衝撃と反響

第1章 ニュータウン・常盤平団地に起きた「孤独死」
1 2000年秋、死亡当時69歳、死後3年の白骨死体が見つかった
●───私たちの団地で孤独死なんて
●───急増する「若年孤独死」
2 「孤独死」は、いったいどれくらい起きているのか
●───「孤独死」者数が自殺者数を上回る
●───孤独死の定義・・孤独死とは、いったいどのような死か──
3 “夢のニュータウン”が、「孤独死」を招き入れるまで
●───憧れのニュータウン・常盤平団地
●───もともと住んでいた団地住民の高齢化
●───団地の家賃の低下と単身入居者の激増
●───世帯構造の変化と、その変化が招いたもの
4 「孤独死ゼロ」を合い言葉に、崩壊したコミュニティーを復活させよう!
●───自治会と社協、民生委員の協働
●───自宅電話番号を公開し、通報を受ける体制に
5 孤独死の防止を目指して「まつど孤独死予防センター」設立
●───センターを拠点に「孤独死ゼロ作戦」を展開
●───ケース1(男性、58歳)
●───ケース2(男性、57歳)
●───ケース3(女性、85歳)

第2章 「孤独死」はいったいなぜ、どのようにして起きるのか
●───1 戸惑い
●───2 Tさんの人生をたどって
●───3 70代のNさんの場合
●───4 62歳、最期まで仕事を探していたUさん

第3章 全国で激増する「孤独死」があぶり出しているもの
1 分譲マンションの価値を暴落させる「孤独死」
●───隠されるマンションの孤独死
●───住人の高齢化と「終の住みか」としてのマンション
●───中古マンションの価格下落がコミュニティーを崩壊させる
2 都市部の団地でも、地方でも「孤独死」が激増している
●───東京の都市再生機構の賃貸住宅では孤独死が4倍
●───孤独死が発生したとき、管理事務所はどう動く
●───高齢化が進む都営戸山団地の孤独死のケース
●───徳島県の孤独死のケース
───農村部の未婚男性の増加が将来の孤独死を増やす
3 震災があぶり出した中年男性の「孤独死」と「孤独死予備軍」
●───若年孤独死の背景にあるアルコール依存
●───専門の治療・訓練施設が必要
4 団塊の世代の一斉リタイアが招く「孤独死」大量発生の時代
●───生き甲斐と社会とのつながりの喪失
●───「自立」ではなく「上手な依存」が大切

第4章 各地で動き出した「孤独死」防止の取り組み
1 常盤平団地のその後
●───孤独死防止に有効な「連絡・相談・便利帳」
●───医師と大学が一体となって「一人暮らし見守りシステム」を開発
2 都市再生機構、住宅供給公社などの取り組み
●───都市再生機構の取り組み
●───東京都住宅供給公社などの取り組み
●───シルバーハウジング・プロジェクトとは
3 民間マンションの取り組み
●───ソフィア ステイシアの取り組み
●───高幡芙蓉ハイツの取り組み
●───動きだした各地での取り組み
4 地方自治体などの取り組み
●───各地で実施されている見守り訪問や、電話による安否確認
●───高齢者の賃貸住宅への入居を支援
●───情報紙の手渡しで直接見守り
●───千葉県では「孤独死対策モデル事業」を実施
5 地域住民やNPOの取り組み
●───「曖昧な居場所」が孤独な人を救う
●───成年後見制度を利用できない人を後見する
●───在宅医療用のシステムを活用
●───“ご近所”の潜在能力で孤独死を防止
6 2007年開始、厚生労働省「孤立死ゼロ・プロジェクト」
●───対策は中央レベルと各都道府県レベルの2段構え
●───孤独死対策の対象に、若年層も含まれるか

第5章 団地やマンションで「孤独死」が起きたらどうすればいい?
1 突然の事態に備えて緊急時ネットワークを構築する
●───24時間対応可能な通報窓口の設置
●───通報を受けてからの連絡先をリストアップ
2 「異変あり!」の連絡を受けたらどう動く?
●───まず現場に直行、状況を見極める
●───ときには遺族の相談にものる
3 身寄りがない住人の場合は?
●───相談窓口がどこかを把握しておく
4 対処法マニュアル

終章 「孤独死」しないために

著者

NHKスペシャル取材班(松木秀文/清水將裕/小形修一/春原雄策)
佐々木とく子(ささき・とくこ)

早稲田大学第一文学部卒業後、雑誌編集などを経てフリーライターに。人物ドキュメンタリーを中心に、ビジネス、医療、食などの分野を執筆。

●カバー写真/小平尚典
●ブックデザイン/熊澤正人+大谷昌稔(パワーハウス)