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「よい倒産」の実務
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「よい倒産」の実務 元気な会社こそ知っておきたい

「よい倒産」の実務

中小企業の経営者は、順調な時にこそ経営を脅かす「予想外の事態」にいかに対応するか考えるべき。備えあれば憂いなし。倒産のプロパー弁護士が教える「よい倒産」の実務を紹介。

  • 書籍:定価2200円(本体2,000円)
  • 2007.03発行
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内容

みんなが幸せになれる「倒産」の方法がある!

私達に依頼が来る事件の中でも企業の倒産に関する業務は非常に多く、これらの事件の相談が途切れることはありません。そのような中で、私達は何度も、「残念だなあ。もっと早く相談に来てくれれば」、と思ったことが多々あります。
多くの非公開の中小企業では、専門家のアドバイスを受ける機会が無いまま社長や経理の責任者が、「長年の勘」などのあまり合理的とは言えない名人芸で資金繰りを行っているのが実情でしょう。経営が順調であるうちは何の問題もありません。しかし、企業経営においては、「取引先の倒産」、「プロジェクトの失敗」、「取引銀行から予想された融資が得られない」、「予想していた売上げが上がらなかった」「重要なスタッフが急に退職し売上げが急に落ちた」等の突発事故は付きものです。このような場合、多くの中小企業が、打つべき手を打たず、その場しのぎを行い、最終的に相談すべき専門家にめぐり会うことも出来ず、ずるずると倒産への道を歩むことが本当に多いのです。
本書は、私達の長年の「悔しさ」を動機として出版するものです。「優秀なスタッフに囲まれている企業」あるいは「素晴らしい特許を持っており居眠りをしていても儲かる企業」の方は読む必要はないでしょう。しかし、「突発事故」が起きる可能性がある、あるいは既に起きつつある中小企業の関係者には是非読んでいただき、盲腸で亡くなるようなことのないように備えてもらえればと、私達は心から願っています。(本書「はしがき」より)

目次

はしがき

第1章 倒産にはよい倒産と悪い倒産がある
1 悪い倒産の事例
2 よい倒産の事例
3 倒産にあたっての各種手続き

第2章 倒産の原因について
1 投資の失敗(過大な借入金)
2 売上の急激な減少
3 原価管理の不徹底
4 税金の滞納
5 経営者の心構え

第3章 よい倒産の条件
1 よい再建型倒産の条件
2 よい清算型倒産の条件

第4章 よい倒産をするためには
1 早期に決断する
2 よい弁護士の選び方・相談のしかた

第5章 よい倒産の実践例
1 よい民事再生の事例
2 私的整理(中小企業再生支援協議会スキーム)の事例
3 私的整理(条件変更「リスケジュール」)の事例
4 私的整理(事業譲渡+破産型)の事例
5 特別清算の事例
6 破産の事例

第6章 経営者よ、決断せよ! ――シビアな個人保証問題
1 私的整理(リスケジュール)の場合
2 私的整理(中小企業再生支援協議会スキーム)の場合
3 法的整理(民事再生、特別清算および破産)の場合
4 個人のみ切り離し(破産・清算型任意整理)の場合

著者

千原 曜 (ちはら・よう)
1961年に東京に生まれる。1985年司法試験合格。1986年早稲田大学法学部卒業。1988年第二東京弁護士会に弁護士登録、さくら共同法律事務所に入所し現在に至る。
「企業の町医者」「個人の総合病院」をモットーに、大中小の企業約100社の顧問・監査役業務一般を行う一方、個人顧客の相談にも気軽に応じられるオールラウンドな弁護士を目指しており、得意分野は企業顧問全般・倒産法・知的財産法等。特に倒産案件に関しては、本書記載のように豊富な実務経験に基づく実際的なノウハウを有している。

松井 清隆(まつい・きよたか)
1969年に兵庫県神戸市に生まれる。1991年司法試験合格。1992年神戸大学法学部卒業。1994年第二東京弁護士会に弁護士登録、さくら共同法律事務所に入所。2003年6月さくら共同法律事務所を退所し、株式会社産業再生機構プロフェッショナルオフィスシニアマネージャーに就任。2005年6月株式会社産業再生機構退職。2005年7月さくら共同法律事務所パートナーに就任し、現在に至る。
会社を持続的に強くて元気にすることを生きがいにし、顧客に対してはリアルタイムで対応し、確実に成果をだすことがモットー。得意分野は、事業再生・M&A等。

●ブックデザイン/マッドハウス