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ブランドストーリーのつくりかた
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BRAND STORYTELLING ブランドストーリーのつくりかた

ミリ・ロドリゲス 著

ローリングホフ育未 訳

  • ビジネス・自己啓発

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ブランドストーリーのつくりかた

Z世代は“ソーシャルグッド”で、物を買う。ブランド力を高めるには、共感できるストーリーが重要だが、多くの企業は「製品がどう役に立つか」を伝えるだけで終わっている。しかし、本当に伝えなければならないのは、「製品が顧客にどのような変化をもたらしてくれたのか」である。地味なマイクロソフトを「世界ブランド」に変えたストーリーテラーが指南。

  • 書籍:定価2200円(本体2000円)
  • 電子書籍:定価1760円(本体1600円)
  • 2022.03.31発行
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内容

Z世代は"ソーシャルグッド"で買う
GAFAをはじめ、グローバル企業が重視するストーリー戦略の教科書

本書の「ブランドストーリー」とは、マーケティング全般を指す。製品やサービスをどのように世間にローンチしていくかに関わるすべてを言う。

ブランディングには共感が大事。人は理性より感情で消費行動をする。こうしたことはよく言われており、ブランディングにストーリーを取り入れようとする企業は日本でも増えている。しかし、多くのブランドストーリーは「企業が主人公」になっている。企業目線でブランドのメッセージや、サービスや製品を盛んにアピールしようとしてしまうのだ。共感を得られるブランドストーリーの主人公は、あくまでお客様でなければならない。「製品がどう顧客に役に立つか」ではなく、「顧客にとって製品がどのような変化をもたらしてくれたのか」が語られなければならない。

昨今、若い消費者は「その企業が自分の友人としてふさわしいか」という目線を明確に持つようになった。企業が発信する社会的なメッセージをチェックしているし、そのメッセージが場当たり的な美辞麗句であれば、すぐに見破られる。それどころか、中途半端なきれいごとでは却って評判を落とすことさえある。

つまり、今後のブランディングやマーケティングには、

ストーリーにオーセンティシティーがあるか?
つまり、ブレない"らしさ"を伝えているか?

が、必要になる。そのためにどうするか? 本書ではマイクロソフトのストーリーテラーが以下を指南する。

◎企業の"普遍的真理"を探る
◎ストーリーの型を知る
◎メディアを使い分ける
◎企業倫理のチェック
◎社員のストーリーテラー教育
◎炎上から企業を守る

主人公はお客様。企業は助っ人である。

著者

ミリ・ロドリゲス(Miri Rodriguez)

デジタル・マーケターで受賞歴を持つストーリーテラー。デジタルマーケティングとIT業界におけるソートリーダーとして、世界中で企業講演やコンサルテーションをこなす。業種を越えて、ブランドストーリーアドボカシーにマーケティングキャリアを捧げる。マイクロソフトでは、エンジニア分野のクリエイティブ・ジャーナリストとして働き始めたときから、「共感のプロセス」と「企業の弱い部分も隠さない」姿勢でストーリーテリングを実践。部署を越え、同僚やエンジニアたちのストーリーテリング教育にあたってきた。デジタル時代においては、盤石なストーリーをデザインし、イマーシブで気持ちを揺さぶる関わりを顧客体験として提供できるようにすることが目標だ。UXやデザイン思考の基本とストーリーテリングを融合させ、従来の方法とクリエイティブなコミュニケーション戦略の溝を埋めることに成功。同時に、多様性やインクルージョンの実現も目指している。クライアントはウォルマート、アドビ、McKesson、Discoverなど。ジョージタウン大学統合型マーケティングコミュニケーション修士号、デザイン思考課程修了。NASAソーシャルとMySkills4Afrikaの卒業生でもあり、アフリカと中東のソーシャル・エンタープライズ組織であるTrade+Impact、アメリカのマーケティングカンファレンスSocial Shake-Upの取締会役員。ベネズエラのカラカス出身。現在はアメリカワシントン州に夫と2人の息子、アメリカンブルドッグと暮らす。

訳者

ローリングホフ育未(Ikumi Roellinghoff)

英日翻訳家。大学生のとき、アメリカコロラド州に留学し、パンク音楽に目覚める。学生結婚後、カナダに移住。しばらく専業主婦でアイススケートの修業に励むが、一念発起して修士号を取る(トロント大学オンタリオ教育研究所)。英語のストーリーテリングについて学びたくて色々なところに顔を出していたら、ひょんなことから映画作りの世界へ。NBC、CBC、NHK、トロント国際映画祭など多数のプロジェクトで番組制作・字幕作成・脚本翻訳にたずさわる。2020年コロナ禍中に日本に帰国。大好きな英語の本を日本で紹介したいと決意し、現在に至る。主な訳書に『痩せる脂肪』(クロスメディア・パブリッシング)。1987年、佐賀県出身。東京都在住。
■ ホームページ: https://www.ikumiyrtranslates.com

目次

はじめに――ブランドストーリーテラーになるために
イントロダクション―― 本書について、ざっくりと
第1章 ブランドストーリーテリングって?
■ 人はストーリーに課金する――情報と感情を結べ
■ 顧客が企業と歩む道――企業理念とストーリー曲線
■ ストーリーの素材を集める準備
■ ストーリーテリング――「機能的」「戦略的」「人の心に訴える」
《Adivice 1》顧客の旅路で役立つこと (ダックス・レイモンド・サイ)
第2章 ストーリーの骨を組む
■ 企業は助っ人――「ロビン↓バットマン戦略」
■ 共感が軸――「デザイン思考」を使う
■ ブランドの魂「普遍的真理」を探す
■ 登場人物とプロットを考える
■ どの型が効果的?――ストーリーの構造8つ
■ ストーリーコンセプトを試作し、チェックする
《Adivice 2》オーディエンスの内なるニーズをつくること (ラズ・マリア・ドリア)

第3章 ストーリーに魔法をかける
■ 魔法1:伝える舞台は用意せず、探せ!
■ 魔法2:見られるときは、「映え」よ!
■ 魔法3:今あるもので、リフレッシュせよ!
■ 魔法4:オチは語らず、想像させよ!

第4章 マーケティングはストーリーで
■ 「いいね、それで?」で、共感のアプローチをする
■ マーケティングは成長型マインドセットで
■ 社会運動と企業メッセージの一貫性――ジレットの炎上
■ ブランドメッセージは社内から社外へ――IMC再考
■ 目的は「SMART」に共有されているか
■ デザイン・オーディエンスを設定する
■ 企業の内側から共感を育てる
《Adivice 3》Z世代を知ること (デレク・E・バード)

第5章 ストーリーのヒーローは、お客様
■ 検証! じわじわ来ている「顧客中心」のトレンド
■ 「ヒーローは、お客様」のストーリーをつくる
■ 日常業務の当たり前――共感とインクルージョン
■ 会議室に「顧客の椅子」を置いてみたら
■ 営業担当の心を持つ――粘り強さと情熱
《Adivice 4》結果を問われないところで遊ぶこと (グレッグ・ウィット)

第6章 ストーリーは「弱い」から「強い」
■ 「弱さ」が人の心を揺り動かす――マイクロソフトの例
■ 転ばぬ先の「魔法の杖」――「弱さ」の使いかたのヒント5つ

第7章 秘密兵器とストーリーの倫理
■ 「秘密兵器、お母さん!」は、卑怯?
■ 倫理なきストーリーは危険な黒魔術
■ 倫理を考える5つの視点
■ 自分の倫理を持つためのワーク
《Adivice 5》ストーリーに耳をすますこと (シンディ・コロマ)

第8章 体感するストーリー
■ 体感で伝える――イマーシブ・ストーリーテリング
■ イマーシブ・ストーリーテリングの手法4つ
■ ストーリーを探さず場面を見つけること (パーク・ハウェル)

第9章 最強ストーリーテラー、従業員
■ 従業員の「ストーリーテリング部隊」を結成する
■ 「ストーリー・ペルソナ」を設定する5ステップ
■ 従業員とインフルエンサー、良し悪しを考える

第10章 さあ、ストーリーを試そう
■ 感動を測る――「主要想定チェック表」
■ ストーリーコンセプトをテストする8つのルール
《Adivice 6》本当の話をすること (キャンディ・ラスミン―ライノ)
第11章 そのストーリーは響いているか?
■ オーディエンスのわくわくを測るには
■ 評価の指標――「感情」「反応」「持続する行動」

第12章 ストーリーテリングを邪魔する者たち
■ 悪のキャラクター9タイプと攻略法
■ 攻撃のための最強の武器――社員トレーニング
■ 3つのルールで、内部ステークホルダーを鍛えよ!
《Adivice 7》型を取っ払って考えること (ドナ・サーカー)
第13章 ブランドストーリーテリングの未来
■ マシン、入場せよ――「人」が伝える意味
■ 「人類・対・マシン」ではなく「人類とマシン」でいく
■ AIテクノロジーのトレンドと10の提案
「おわりに」に代えて――ミリに会わなきゃ!(シンディ・コロマ)
謝 辞
訳者あとがき 企業と顧客が友達になる時代の手引き(ローリングホフ育未)
参考文献/取材協力・寄稿