アステイオン89
特集:国籍選択の逆説
人は親や出生地を自分では決められない。よってこの地球上の圧倒的大数の人々には国籍選択の機会はない。国籍とは自分の身体のように受け入れざるを得ないのが現実だ。だが、国際結婚、移住、国境変更など様々な理由で、国籍選択を迫られる人々が増えているのは、見逃されがちな事実だ。(略)あらためて国家と国民、そしてその先にある国際秩序の意味を読者に問うてみたい。
責任編集・田所昌幸(「巻頭言」より一部抜粋)
<特集>
田所昌幸/林 晟一/デイヴィッド・A・ウェルチ/李 承赫/アンドリュー・コーエン/鈴木章悟/大屋雄裕/陳 天璽
<写真で読む研究レポート>金子 遊「ラタナキリの呪術師――カンボジア北東部の少数民族」
<連載>
張 競「夢を種蒔く人・厨川白村――京都と大阪で過ごした幼少年時代」
山崎正和「哲学漫想1――味覚の現象学」
三浦雅士「世界史の変容・序説――『ティラン・ロ・ブラン』と『国性爺合戦』」
<座談会>
御厨貴+鷲田清一+隈研吾+福岡伸一「ポストオリンピックの東京と地方」
<時評>芳賀 徹/高階秀爾/渡辺 裕/伊藤公一朗/福間良明/遠藤正敬/藤森照信/奥本大三郎
<世界の思潮>白鳥潤一郎/前田亮介/左地亮子/池内 恵
<グラヴィア 地域は舞台>
阿川尚之「思い出をよみがえらせた人たち 対馬の朝鮮通信使、今と昔」
朝鮮通信使行列振興会(長崎県対馬市)