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きんしゃい有田 珠玉の器紀行
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きんしゃい有田 珠玉の器紀行

きんしゃい有田 珠玉の器紀行

創業400年を迎えた有田焼。16名の陶芸作家を訪ねる旅へ
“大きな産地を小さな皿を通して見る”をテーマに昨年刊行された『きんしゃい 有田豆皿紀行』につづく第二弾。今回は、有田で活躍する陶芸家16名に焦点を当てます。作家が個人で手がけるうつわは、量産品とは異なり、この世に二つと同じものはありません。一人ひとりの手から生み出されるうつわへの深い思い、伝統ある有田焼で培われた卓越した技能の秘密に迫ります。有田焼作家の系譜もわかりやすく紹介。うつわのファンの心をわしづかみにする、有田焼の魅力が詰まった一冊です。作家の工房マップつき。本書を片手に有田に足を運んでみてください。

  • 書籍:定価1760円(本体1,600円)
  • 電子書籍:定価1408円(本体1,280円)
  • 2016.09.29発行
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目次

珠玉の器に出合う旅
百田暁生
中村清吾
奥川真以子
川崎精一
中尾恭純
井上康徳
インタビュー 中島 宏
白須美紀子
馬場光二郎
豊増一雄
十四代李参平
坂本達也
馬場九洲夫
たなかふみえ
田中 忍
中尾英純
葉山有樹
有田焼陶芸作家の技能と感性の系譜
有田焼陶芸作家・窯元一覧
珠玉の器紀行マップ

「珠玉の器に出合う旅」より抜粋

 本書の取材で出会えたのは、陶芸作家として有田の地で焼物を焼き続けている人たちである。窯元に勤め、決められた焼物作りに従事し、給料を得ている人たちではない。いつ、何を、どれだけ焼くかを自ら決め、それらが売れて初めて収入を得る人たちなのである。自ら腕を磨
き、個性的な表現をとがらせるために試行錯誤することに労を厭わない人たちばかりだ。そうすれば、焼くものが常に一定ではなくなるので、収入が安定しない時期もあると聞く。それでも、焼物の話になると、時間を惜しまずに質問に答えてくれる。発見の喜び、失敗からの学び、大物作家でも、若手の作家でも、そこは変わらない。ついには作家の家族、師弟関係にある者も話の輪に加わり、問わず語りで話題が広がっていく。
(中略)
  一度会って作家とともに語り合った焼物は、使うたびに何度も語りかけてくる。それは絵付も、染付も、白磁も、青磁も変わらない。大胆で勢いのある造形、繊細で気の遠くなるような筆の冴えから再び聞こえてくる熱く、優しく、健やかなその言葉は、自分だけのもう1つの宝物なのだと感謝する。私にとって珠玉の器とは、そんな語り合う器なのである。皆さんも、ここ有田の地で、一生付き合える珠玉の器に出合ってみませんか?
 
有田焼創業400年事業 デザインディレクター 意と匠研究所 代表 下川一哉

企画/佐賀県有田焼創業400 年事業実行委員会
   ARITA SELECTION プロジェクト
プロデュース/名児耶秀美・砂口あや・藤田 吏(h concept)
編集・文/下川一哉・杉江あこ(意と匠研究所)
取材写真/高橋宏樹(HIROKI TAKAHASHI STUDIO)
作品写真/實重 浩(CRAYGPHOTO)
デザイン・装丁/小村裕一(CY)
広報/夏目康子(Lepre)
地図作成/デザインワークショップ ジン

http://www.kinsyai-arita.jp