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自分をバージョンアップする 外食の教科書

外食の教科書

食に淡泊な人は、仕事も淡泊である――。自分の殻を破るきっかけは、NYやパリでもなく、あなたの身近な場所にあった。関西で15年目を迎える人気グルメ情報番組「水野真紀の魔法のレストランR」のプロデューサーが、食をきっかけに、仕事も人生ももっとうまく回り出す極意を語りつくす。

  • 書籍:定価1650円(本体1,500円)
  • 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
  • 2016.02.27発行
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内容

テレビ番組を25年以上作り、世界的な音楽家、芸術家、建築家、職人、人間国宝、三つ星シェフ、一部上場企業の社長、ベストセラー作家、売れている芸能人、気鋭のクリエイター、億万長者など、その道でかなりの成功をおさめている世間で言う「一流」の人に数多くインタビューした著者が気づいたこととは……。

「一流の人は、外食を武器としている」ということ。

おいしい料理を食べると心身ともにパワーをもらえ、さらには「行きつけ」の店を持つことはステイタスにもつながることに、彼らは無意識的に気がついているといいます。

本書では、外食を楽しむコツを紹介するとともに、「外食」をキーワードに、自分をバージョンアップし、仕事もプライベートも今より充実させるための具体的な方法を伝授します。

はじめに

一歩踏み出す勇気をもらえる「外食のチカラ」

「『人間は、全員疲れているのだ』と仮定する。」という、僕が私淑しているコピーライター仲畑貴志さんの有名なコピーがありますが、日々働いていると、「ああ最近、ほんと疲れた。ちょっときついなあ」「あの人面倒くさいなあ。どこか遠くへ行かないかなあ」など、仕事が嫌になったり、人間関係が煮詰まったり、身体だけでなく心の「疲れ」を経験したことが誰しもあると思います。

そんなとき、ふらりと入った飲食店のおばちゃんが明るく元気で、
「兄ちゃん、ちょっと太り気味ちゃうか。肉ばっかり食べんと野菜も食べや」
「今日のイカめっちゃおいしいよ。ゲソサービスしとくわ」
「私ら、こう見えて人生しんどいことばっかりやけど、人前では泣いたことないで」

こんな言葉をかけられたら、少しは気分が楽になります。何気ない会話の奥の「人情」にふれて、心があったまります。元気な人から元気をもらえて疲れが癒されることがあります。

料理の先の人を味わうことができる。それこそが外食のチカラです。

あなたは、現状に満足していますか? 自分を取り巻く環境(ヒト、コト、モノ)に満足していますか?

満足しているなら、この本を読んでいただく必要はないでしょう。

前著『うまい店の選び方 魔法のルール39』(KADOKAWA)では、「いい店をどう選んで、どう常連になるか」を中心に書きましたが、本書では、「外食」をキーワードに、自分をバージョンアップし、仕事もプライベートも今より充実させるための具体的な方法を書いています。

僕はテレビ番組を25年以上作ってきました。ドキュメンタリー、歴史紀行、音楽、アート、ドラマ、バラエティー、料理情報など幅広いジャンルの番組を手掛けてきたおかげで、いわゆるプロフェッショナルに何百人と出会え、取材し、インタビューすることができました。

たとえば、世界的に有名な音楽家、芸術家、建築家、職人、人間国宝、三つ星シェフ、一部上場企業の社長、ベストセラー作家、売れている芸能人、気鋭のクリエイター、億万長者など、その道でかなりの成功をおさめている世間で言う「一流」の人たちばかりです。
彼ら彼女らと仕事上だけではなく、プライベートな会食も多々経験し、気づいたことがあります。

「一流の人は、外食をとても大切にしている」
 言い換えれば、
「一流の人は、外食を武器としている」
ということです。一流の人たちは、意識的にしろ無意識的にしろ、

1 旨い料理を食べると、身体だけでなく、心のエネルギーになる。
2 食を通したコミュニケーションは、相手との心理的距離をぐっと縮められる。
3 「行きつけの旨い店」を持っていることは、ステータスになる。

という3点に気づいているのです。

さきほど、僕はいろんなジャンルの番組を制作してきたと書きましたが、中でもライフワークのひとつが、料理情報番組です。25年にわたり、ゴールデンタイムの料理情報番組を1000本以上作ってきました。
1万軒を超える飲食店、料理人、食に関わる人びと、そして食べ手側のいわゆる食通やグルメな富裕層に、話を聞いたり、密着取材したり、実際食べに行ったり、この25年でかなりの「外食経験」を積んできたつもりです。プライベートでも自腹で食べ歩く店は年間500軒を超えていて、飲食店側と食べ手側、両方の立場から「外食」について考え続けてきた25年とも言えます。

ここ数年は、毎年100回を超える食事会、食イベントを主宰しています。2人の会もあれば、4人、8人、20人、100人、300人規模の会もあり、5年間でのべ5000人以上の人たちと食事をともにしてきました。
僕が「外食」を通して得た人的財産は、はかりしれません。
人生を学ぶべき一世代上の友人や感性を学ぶべき20歳以上年下の友人ができた。
一生の親友ができた。
異性の友人が多数できた。
大企業、中小企業を問わず、さまざまな業界の会社経営者の友人が多数できた。
医師、弁護士、税理士など実生活で頼りになる友人ができた。
小山薫堂さんや、堀江貴文さんらインフルエンサーと出会い、交流が生まれた。
このような強力な人的ネットワークを「プライベートな外食」を通して、構築することができたのです。

外食を通して利害関係のないところから始まった関係は、ときにゆるく、ときに強く……プライベートを大いに充実させる基盤となりました。

人間関係が楽しい。
そう思える日々をいま僕は送ることができています。
飲食店や、食事会、食のイベントが、会社、自宅以外の自分の居場所“サードプレイス”となってくれているのです。

さらには、外食を通して知り合った人たちから、

◆出版依頼が来た
最初の1冊『うまい店の選び方 魔法のルール39』も、食事会で交流を深めた編集者からの依頼がきっかけです。
◆原稿依頼が複数来るようになった

たとえば、『東京いい店うまい店』(文藝春秋)の2015~16年版へ「特別寄稿」8ページ分。
◆雑誌の連載依頼が来た
グルメ雑誌『あまから手帖』に「月間麻婆豆腐」というページを連載。

◆講演依頼がくるようになった

ビジネス勉強会、士業のクラブ、飲食業界、ホテル業界などから。
◆ラジオの出演依頼が来た
◆堀江貴文さんが作っているグルメアプリ『テリヤキ』のキュレーター、テリヤキスト就任依頼が来た

というように、本業のテレビ番組制作を続けながら、ここ数年パーソナルブランディングという点においても画期的とも言える進展がありました。
幸運は〝外食〟を媒介として人からやってくる。

これが、51歳の僕の実感です。
一食一食大切に。
オープンマインドで人と接して食事を共にしていたら、新しい面白いことがどんどん舞い込んでくる。
予期せぬ良いことが起こる。

論理的には飛躍していますが、これは真実です。

食事×人=チャンス
あなたも「外食」を使い倒して、現状を打破し一歩前に進んで、毎日が面白い、楽しいと思える生活をしてみませんか?

もくじ

はじめに 明日が待ち遠しくなる「外食のチカラ」

第1章 身近な秘境の扉を開ける冒険外食術

外食は自分のキャパシティーを広げるチャンスタイムである。
冒険外食術1  「銀座の鮨店」に1人で行って度胸をつける。
  貧乏学生時代に体験した「東京の高級鮨店」/1人で行く「銀座の鮨店」おすすめリスト
冒険外食術2  京都の料亭や割烹で「和の美意識」を学ぶ。
  美意識を書き換えられる/「京都の料亭」おすすめリスト/「京都の割烹」おすすめリスト

冒険外食術3  「ロマネ・コンティ」を飲んで、背伸びしてみる。
冒険外食術4 12歳年上の先輩と食事に行ってみる。
冒険外食術5  「おひとり様」を積極的に楽しむ。
  おひとり様ネガティブクルージング/おひとり様ポジティブクルージング/辛さはエンターテインメント
冒険外食術6 食日記で、自分の生活をふりかえる。
冒険外食術7 自分の「ラッキーフード」を3つ決める。
コラム*有名人の外食術!小山薫堂さんの「偏愛外食術」

第2章 部下の心をぐっとつかむ リーダーとしての外食術

できる人かどうかは、一緒に食事に行けばわかる。
修業時代の外食術1 夜の予定を入れない。
修業時代の外食術2 激安居酒屋チェーン店に連れて行く上司は見限る。
リーダーとしての外食術1 リーダーは「気持ちのいい打ち上げ」を企画せよ。
  打ち上げは、次の戦いへの決起集会である
リーダーとしての外食術2 リーダーは「ほめる」テクニックを磨け。
  あなたは、部下をほめるのが得意ですか?
リーダーとしての外食術3  じっくりと部下と話すときはカウンターで。

リーダーとしての外食術4  行きつけの店はこう作る。
  「接待」にも使える「行きつけの店」を5軒持つ
リーダーとしての外食術5 女子会を企画して感性マーケティングをする。
  カジュアルなイタリアンだけを食べ歩く「イチジクの会」

第3章 フェイスブックを使い倒して自分をバージョンアップする SNS外食術

SNSは「友達」も「幸運」も連れてくる!
自分バージョンアップ外食術1  「フェイスブック投稿」で自分をバージョンアップする。
  「グループ」機能を使い倒す
自分バージョンアップ外食術2  食イベントの核メンバーをつくる。
  本P企画
自分バージョンアップ外食術3  飲食店、シェフとのつながりを強化する。
  本P企画 for Chef(シェフ)
自分バージョンアップ外食術4  偏愛する麻婆豆腐関連の活動を強化する。
  麻婆十字団/「麻婆豆腐」のおすすめリスト
自分バージョンアップ外食術5  飲食店、料理人に貢献する。
  急に誘う同盟、ドタキャン対策連合
自分バージョンアップ外食術6  「外食」で知的好奇心を刺激する。
  超アヴァンギャルド食卓の騎士団/超アヴァンギャルドの会 開催店リスト

コラム*有名人の外食術!ホリエモンの「ネットワーク外食術」

第4章 パーソナル人脈がみるみる広がる モテる外食術

「おいしい店を知っている人」のところに人は集まる!
モテるスマート外食術1  モテたければ幹事をやれ。
モテるスマート外食術2 幹事に大切な3つのこと。
モテるスマート外食術3  食事会はネーミングで決まる。
  「なんとなく面白そう」「なんとなく楽しそう」を作る/参加したくなる食事会開催店リスト
人数別戦略的食事会の開き方1  サシメシでは未来を語る。
  ユニット名をつけてイベント化

人数別戦略的食事会の開き方2  3人会は「お見合い」をプロデュース。
人数別戦略的食事会の開き方3  4人会は街を探険する。
  北新地のバー「カツサンドめぐり」訪問店リスト/銀座のバー「カツサンドめぐり」訪問店リスト
人数別戦略的食事会の開き方4  8人の会で本当に役立つブレーン集団を作る。
人数別戦略的食事会の開き方5  大規模食事会でネットワークのハブになる。
  会費別参加者層

コラム*有名人の外食術! 坂田利夫さんの「ひとつ覚え外食術」

第5章 後半生の自分をバージョンアップする 50歳からの外食術

後悔しない人生を送るための外食術。
50歳からの外食術1  「その年の一番の当たりの店」に妻を招待する。
  孝行のしたい時分に親はなし
50歳からの外食術2  「頂点」の店に一度は行ってみる。
50歳からの外食術3  思い出の街、思い出の味めぐりをする。
懐かしいは快感
50歳からの外食術4  還暦までに「私の好きな店100軒」を決める。
   「百鮨夜行」訪問店リスト
50歳からの外食術5  旅をする「グルメ都市」ランキングをつくる。

50歳からの外食術6 還暦パーティーを企画する。
50歳からの外食術7  還暦を迎えたら、仲間が集まる「食べる場」を作る。
おわりに いま、この一食を大切にする。

略歴

本郷義浩(ほんごう・よしひろ)

毎日放送プロデューサー。1964年、京都生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、88年毎日放送に入社。以来、「真実の料理人シリーズ」「伊藤若冲 増殖する細胞」「近畿は美しく」「京都知新」「音舞台シリーズ」「ラーメン覇王」「ビビビのB 級グルメ覇王」「あまからアベニュー」「水野真紀の魔法のレストランR」などドキュメンタリー、アート、歴史紀行、音楽、ドラマ、バラエティー、料理情報と幅広いジャンルの番組を制作。海外でのテレビ賞受賞は30を超える。番組関連で取材した飲食店はのべ1万軒、プライベートでの食べ歩きも1万軒以上に達している。近年では世界でただ1人の麻婆豆腐研究家を名乗り「麻婆十字団」を結成、さまざまな活動を行うほか、「油断大敵教会」「超アヴァンギャルド食卓の騎士団」「秘密の美食倶楽部Q」「偏愛カフェ」などユニークなネーミングの食事会を多数企画し、年間3000人以上を集客している。堀江貴文さん主宰のグルメアプリ「テリヤキ」のキュレーター、テリヤキストの一人。『あまから手帖』にコラム「月間麻婆豆腐」連載中。著書に『うまい店の選び方 魔法のルール39』(KADOKAWA)。
編集協力/古屋荘太(本の企画)、佐々木美穂
カバーデザイン/渡邊民人(タイプフェイス)
本文デザイン/清水真理子(タイプフェイス)
校正/円水社