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妊娠体質になりたい人は、肉を食べなさい。
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妊娠体質になりたい人は、肉を食べなさい。

妊娠体質になりたい人は、肉を食べなさい。

あなたの不妊の原因は、栄養不足かもしれません。体外受精や顕微授精でも、栄養不足は妊娠の妨げになります。仮に妊娠しても発育不良、流産になりやすく、出産しても子どもの健やかな成長は望めません。妊娠を望むなら、真っ先に栄養をとることです。

  • 書籍:定価1540円(本体1,400円)
  • 電子書籍:定価1232円(本体1,120円)
  • 2014.12発行
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内容

現代人は、「隠れ栄養不足」なのです――。

今の日本は世界一の不妊大国だそうです。2009年の日本での年間の不妊治療回数は、延べ21万1000件を超えています。これはアメリカの14万6000件に比べるとなんと約1.5倍にあたり、治療件数の多さでは世界一になっています。

しかし、不妊治療によって生まれた出生児数を見てみると、アメリカが約6万人に対し、日本では約2万6000人にすぎません。つまり、日本では不妊治療をたくさん行うものの、妊娠・出産にあまり結びついていないということなのです。なぜこういう結果になっているのでしょうか?

それは日本人に栄養、具体的には肉や魚から摂取するタン白質やビタミン、ミネラルなどが足りていないからだと、私は考えています。

はじめに

最近、「妊活」という言葉をよく耳にします。「妊活」とは、妊娠活動の略で「妊娠適齢期や卵子の加齢、不妊といった、妊娠にまつわる知識を正しく身につけること。そして自分の体の現状を把握し、自分にベストなライフプランを描くこと」だそうです。
 
妊娠するには、個人差がありますが、卵子の老化などによりタイムリミットがあります。しかし、そのことを知らない女性が多いのです。妊娠しやすいといわれている20歳代の女性でもなかなか妊娠できない方も最近は少なくありません。

この最大の原因は、「栄養欠損(栄養不足)」であると私は考えています。しかし、妊活を実践している女性でも、栄養欠損で不妊になることを知っている女性は少ないのではないでしょうか?

世間では不妊治療というと人工授精や体外受精といった高度不妊治療ばかりに目が向いており、栄養のことなど見向きもしません。当たり前のことですが、人間の体はすべて栄養でできています。卵子、精子、子宮内膜、性ホルモンも栄養から成り立っています。生命の営みは、栄養なくしては成立しません。そして妊娠が成立するためにも栄養は欠かせません。

受験する学生は、日頃から入試に備えて日々学力を高めるべく勉強にいそしみます。スポーツ選手も試合に向けて練習を怠りません。また基礎体力をアップさせるために走り込みをしたり筋トレをしたりもしています。エベレストなどの高い山に登る人も、基礎体力をつけて入念に登山の準備をします。

しかし、妊娠に関しては多くの方が準備をきちんとしていないように思えてなりません。妊娠可能な年齢の女性の中には、スリムになりたいために変なダイエットをしたり、避妊のためにビタミンB群を不足させるピルを安易に飲んだり、細胞を酸化させるたばこを吸ったり、間違ったヘルシー志向でマクロビをやったり……。妊娠・出産は人生において一大イベントなのに、全くそれに向けて準備ができていないどころか、妊娠するのを困難にさせるようなことばかりを平気でやっている人が多いのには驚かされます。

真の妊活とは、体の仕組みを理解し妊娠するためにどのような栄養素が必要か、そして妊娠に必要な栄養素を確保するにはどのような食事やライフスタイルにすれば良いかなどをきちんと理解し、かつきちんと実践することだと思います。


妊娠はゴールではなく、スタートにすぎません。妊娠前、妊娠中の栄養状態が、生まれてくる赤ちゃんの将来を大きく左右するといっても過言ではありません。

不妊症のほとんどは病気ではありません。その証拠に、病気ではないので不妊治療は健康保険が適応されません。不妊症の多くは、「栄養欠損である」と認識を改めるべきなのです。言い換えれば、栄養欠損はご本人の努力で是正できますので、不妊症の多くはご自分で治せるのです。

この本をきっかけに、母子ともに元気に出産を迎えられることができることを願っています。

もくじ

はじめに
 
分子整合栄養医学とは何か?

第1章 現代人は、「隠れ栄養不足」

不妊治療してもなかなか妊娠しない日本人
飽食の時代の、栄養不足
太っているから、栄養が足りているわけではない
現代の食材は、栄養素が減っている
食べているつもりでも摂取できていないタン白質
タン白質の摂取は量と質が重要となる
肉を100g 食べても、利用できるタン白質は10g 足らず
尿素窒素(BUN)に注目する
肉を食べると癌になる?
肉を食べると胃がもたれるわけ
やせすぎが不妊を招く
間違ったダイエットが不妊の原因に
炭水化物の役割とは? 
肉は太らない
何肉を食べればいいの? 
するなら肉食ダイエット
メディカルノート

第2章 栄養不足だと赤ちゃんは宿らない

不妊症といっても、原因はさまざま
原因不明の不妊症は、栄養不足からくる
妊娠するにもエネルギーが欠かせない
コレステロールは妊娠に欠かせない
子宮内膜をふかふかにするためには
マクロビで、妊娠に必要な栄養素が不足する
なぜ野菜だけではダメなのか
性ホルモンをつくるコレステロール値も低くなる
肉に含まれるヘム鉄なら、細胞を傷つけない
産婦人科で栄養不足を指摘されない理由
血液検査の項目も栄養を見ている
メディカルノート

第3章 月経不順、ホルモンバランスの乱れも栄養不足が原因
 
栄養不足で無月経になる
肥満も無月経の原因
ストレスと月経不順
ホルモン療法は対症療法
排卵誘発剤には弊害がある
ピルには危険がある
基礎体温を測りましょう
メディカルノート

第4章 妊娠力を高めるには

卵子の数には限りがある
卵子も老化する
卵子の老化を防ぐには
鉄は代謝を助け、子宮内膜をふかふかにする
ビタミンEは卵巣機能を高める
亜鉛は女性にも重要な栄養素
副腎が疲れると妊娠力が低下する
ストレスコントロールの重要性

第5章 意外と多い男性不妊

男性不妊も栄養不足が原因
精子の活動性を高める食事とは? 
禁煙・節酒のすすめ

第6章 栄養療法のすすめ

漢方治療と栄養療法
負担の大きい高度不妊治療
不妊症の治療方法の説明
栄養療法は苦痛のない自然に近い不妊治療
栄養状態が悪いままの妊娠には、リスクがある
安全・安心な栄養療法
摂取する量と質が重要
オーダーメイド治療
なぜ、産婦人科では栄養療法を行わないのか? 
メディカルノート

第7章 妊娠はゴールではなくスタート
 
不育症・流産も栄養不足が原因
新生児集中治療室が満室のわけ
妊娠は本来、ゴールではない
正しい葉酸の摂取時期
つわり対策
軽視されている妊婦の貧血
妊婦健診での間違った指導
「大きく産んで大きく育てる」が正解
妊娠中の栄養不足がもたらす生活習慣病
賢い赤ちゃんを産むためには
メディカルノート

第8章 産後に母子が健康であるためには

産後うつの予防
母乳のすすめ
産後に美肌を維持するためには
赤ちゃんの肌トラブルの原因
夜泣き・ひきつけ

妊娠前、妊娠中に重要な栄養素ノート
タン白質・アミノ酸/ビタミンA(レチノイド) /ビタミンB群/ビタミンE /ヘム鉄/亜鉛/カルシウム

おわりに
 

略歴

森谷宜朋(もりや・よしとも)
gdmクリニック院長。岡山大学医学部卒業。放射線科、内科等の勤務を経て、月経不順、不妊、アトピー性皮膚炎、ニキビ、慢性疲労、うつ、関節リウマチ、老化などあらゆる分野の慢性疾患・症状に対して、薬に頼らず栄養療法にて根本的な治療を行なうgdmクリニックを開設。また原因不明と診断された症状の原因を分子整合栄養医学的な血液解析によって解明し、栄養療法での病態改善を行なっている。
著書に『肉食女子の肌は、なぜきれいなのか?』(幻冬舎)がある。

編集協力/黒坂真由子
校正/櫻井健司(コトノハ)

本文イラスト/かたおかともこ

本文デザイン/相京厚史(next door design)
カバーデザイン/大岡喜直(next door design)