節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す
ネットのせいで、やろうとしていたことができずに終わったり、むなしい気持ちになったり、イライラしたり、悲しくなったり、他人が妬ましかったり……そんな経験が、あなたにもありませんか? 34歳・ネット中毒女が不健全な関係を見つめ直し、程よく付き合う「節ネット道」をあみ出しました。
- 書籍:定価1540円(本体1,400円)
- 電子書籍:定価1232円(本体1,120円)
- 2014.09発行
内容
時間がない! お金がない! 余裕もない!
――すべての元凶はネットかもしれません。
■ ネットのせいで、実際の日常生活でやろうとしていたこと(家事、仕事、趣味など、あらゆること)ができずに終わった日がよくある
■ ネットを見た後、なんでこんなことに時間を使ってしまったのだろうとむなしい気持ちになることがよくある
■ ネットを見た後、イライラしたり、悲しくなったり、他人が妬ましかったりと、見る前より不幸になっていることがよくある
ひとつでも当てはまれば、あなたもすでに「ネット中毒者」です。
すべてに当てはまった「34歳・ネット中毒女」が不健全な関係を見つめ直してみた結果……
↓ ↓ ↓
「脱」ネットではなく「節」ネット。取り締まり対象を絞って狙い撃ち。
【黒ネット】見たことに対する後悔が大きいもの。見ていて心がざわついたり、見る前よりも自分は不幸になっていると感じる【節ネット優先度高】(例:2ちゃんねる、各種まとめサイト、ゴシップ・芸能ニュース、ヤフー知恵袋、大手小町、フェイスブックなど)
【白ネット】ためになったり面白かったりで後悔はないもの。よく言えば知的好奇心を満たす旅だが、ネットの樹海にどっぷりはまり込んでしまっている迷子状態とも言える【節ネット優先度低】(例:ウィキペディア、ユーチューブ、不動産物件サイト、求人サイト、健康・美容のクチコミサイトなど)
【無害】仕事や生活で必要なもの。これの履歴をつなげれば、日記よりも雄弁にその人の生活を語る【節ネット対象外】
●対策案●リンクまみれのページは見ない/見終わったらログアウト/フェイスブックでは友達の投稿は見ない/SNS時代だから、あえてのブログ/今より遅い回線にする/スマートフォンをやめる/ネットの代わりにやることを見つけておく(暇だと、今度はテレビを見ます)
目次
はじめに
第1章
あなたの健康を損なうおそれがありますので、
インターネットの見すぎには注意しましょう。
実はあなたもネット中毒だった!
ネットのせいで不幸になっていませんか?
世間はどのくらいネットを見ているのか
ネット中毒を生み出した、罪深きSNS
食事時間が1分遅れる「お写真」の儀式
それはマルチタスクか、だらしないだけなのか
危険なネガティブ共感
ネットのどこかに、わたしを待っている人がいる
実録・人がダークサイドに落ちるとき
フェイスブックの功罪
友人同士の血で血を洗うシノギの削りあい
義理やスケベ心で「いいね!」をしていないか
「いいね!」まみれの人は、一体何が違うのか
「いいね!」がほしい人のための「いいね!必勝法」
自慢ではない、営業だ!――個人事業主とフェイスブック
第2章
ネットとの道ならぬ関係を清算する
――距離を保って程よく付き合う「節ネット道」
目覚まし時計も、ペアレンタルコントロールもやってはみたが
【初級】履歴管理が第一歩
ネット履歴で自分の惨状に驚く
閲覧履歴を仕分けする――黒ネット、白ネット、無害
「手書き」で節ネットに弾みをつける
【中級】いざ、黒ネット退治
カスタマイズで反撃の狼煙を上げる
フェイスブックとのクールな付き合い方
成功体験はくどいほどかみ締める
フェイスブックとのクールな付き合い方
成功体験はくどいほどかみ締める
寄り道を取り締まる――リンクまみれのページは見ない
入り口を封鎖する
寄り道を誘うものは寄せつけない
入るための関門を増やす――見終わったらログアウト
ネットの代わりにやることを見つけておく――暇だと、今度はテレビを見ます
アウトプットの快楽を増やす
難易度アップ、ここからは根性論です
【上級】白ネットにも対策を
「ためになる」は案外クセ者
でも、嫌いになれない! 大好きなサイトとはどう付き合う?
魅惑の「発信者側になれるサイト」は少数精鋭で
SNS時代だから、あえてのブログ
節ネット仲間をつくろう
第3章
なんと! 節ネットをすると、
もれなくおこづかいがついてくるんです!
「定額使い放題」の罠
年18万が通信費に消えるOL
通信費には貧富の差がない
よく見ると、通信費にも選択肢はある
「素」の通信料金を比較してみる
もう一度、ショックを受けてみる
速度と量の「身の丈」を知る
通信の「速度」を理解する
自分にちょうどいい速さを知る
0・3メガbpsでできること
通信の「量」を把握する
通信費の節約方法はこんなにある
高すぎる通信費にノーと言う
固定と移動、どちらを我慢するか、どちらも我慢するか
2年おきに乗り換える、という手もある
あなたの通信費は、いくらなら〝イエス〞なのか
おわりに
はじめに
2013年2月。わたしの月収は2万5000円でした。
それまで10年間、会社員として堅めの仕事をしてきましたが、「わたしって自由を求めるタイプだし」とタカをくくってフリーライターになったのです。しかし、自由形は甘くない世界でした。口約束のひとつひとつを真に受けたウブなわたし(当時33歳)は、月収が2万5000円になってしまったのです。
貯金を崩して生きる身で、娯楽になど金を使えません。タダでできるフェイスブックを開いたところ、A5ランクの肉を食っただの、麻布で飲んでいるだの報告が添えられた食いかけの飯の写真と、それらに対する多数の「いいね!」やコメントが踊っていました。
楽器店のショーウインドーに飾られたトランペットを眺めている黒人少年のような状況でした。あの話では、やさしいおじさんが現れて少年はトランペットを手に入れられたはずですが、練馬区の自宅で一人ネットをしているいい年した女のもとには、やさしいおじさんは一生やってこないでしょう。
自分でなんとかするしかありません。確信してしまったからです。フェイスブックはわたしを不幸にしていると。そして、そもそもインターネットそのものが、わたしの人生の限りある時間を蝕んでいると。
ネットのすべてが悪いわけではありません。ネットなしでは知り合えなかった人や仕事がたくさんありますし、通販サイト、ネットバンキングなどの便利なサービスは生活には欠かせないものです。
しかし、それらの〝無害〞なネット利用以外に、自分をすさませたり、悲しい気持ちにさせたりする「黒ネット」を、わたしはあまりに見すぎていました。また、悲しい気持ちにはならず、見ていてためになったり楽しかったりするものの、それゆえにドツボにはまりがちな「白ネット」から抜け出せないケースも多々ありました。
あなたはどうでしょうか? 自分がギャフンとなる情報、あるいはギャフンとなる可能性の高い黒ネットになぜか、あえて、自分からアクセスしていないでしょうか? また、ウィキペディアや不動産サイト、アットコスメ、時代の論客が頭よさそうなことを書いているビジネス系サイトなどの白ネットで、好奇心が止まらずリンクの無間地獄から抜け出せなくなったことはないでしょうか?
この本は、ネット中毒者だった著者が、自分のネット利用のなかから時間を無駄にしている黒ネットと、ついつい見すぎてしまう白ネットは何かを見極め、それらを減らしていく「節ネット」に挑んだ体験をもとにした実用書です。各項目の最後には「楽になるためのドリル」をつけました。素通りせず、ひとつひとつ挑めば、あなたも節ネットできます。
略歴
石徹白未亜 いとしろ・みあ
ライター。1980年宮城県生まれ。埼玉大学教養学部卒業後、システムエンジニア、IT関連のマーケティングリサーチャーを経て、ライターとして独立。企業取材を得意とするほか、同人文化、性にまつわることなど、柔らかいものも執筆。
難読苗字ゆえに名前を書くとき、ふりがな欄がなくともそっとかなを振る思いやりの持ち主。居酒屋の予約は聞き返されるのが面倒なので偽名を使う。なお、「石徹白」は岐阜県・飛騨高山方面の苗字です、と生まれてから5000回は言った。変わった苗字は覚えてもらいやすいので、なんやかんやで気に入っている。
ビールと漫画があれば幸せ。個人に向けたスタイリストとしても活動している。
ホームページ「いとしろ堂」 http://itoshiromia.com/
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