アイデアが枯れない頭のつくり方
TEDxTokyoに登壇し、新進気鋭のアイデアパーソンとしても活躍。世界で335万個売れた大ヒットおもちゃ「∞プチプチ」を開発したおもちゃクリエイターが伝授する、平凡なあなたでも斬新なアイデアを出し続けられる方法。【茂木健一郎さんとの特別対談も収録】
- 書籍:定価1650円(本体1,500円)
- 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
- 2014.06発行
内容
平凡なあなたでも
斬新なアイデアを出し続けられる方法
2013年のTEDxTokyoに登壇し、
「新しいアイデアのつくり方」というプレゼンが話題に。
世界で335万個売れた大ヒットおもちゃ
「∞プチプチ」を開発したおもちゃクリエイターであり、
新進気鋭のアイデアパーソンとしても活躍する
高橋晋平さんが伝授します!
TEDxTokyo 高橋晋平「新しいアイデアのつくり方」
http://www.tedxtokyo.com/talk/takahashi/
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どんな仕事でも、「新しいアイデア」を
出し続けることが求められています。
でも、そんなこと自分には無理。
そう思っていませんか?
「アイデア発想の3大原則」は、
・A×B=C
・アイデアは「量より質」ではなく「質より量」
・まずダメなアイデアから出し始める
この方法を使えば、誰でも
珠玉のアイデアを出せるようになります。
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●本書は、アマゾンKindle連載としてリリース(2014年5~6月)し、
ご好評を得た内容に増補して書籍化しました
●本書のために行ったオリジナル対談
「茂木健一郎さんに聞く、アイデアと創造性の話」を
巻末に収録しています
はじめに
私は、おもちゃの企画開発の仕事をしています。
今まで約10年間、いろいろなアイデアを盛り込んだおもちゃを作ってきました。
2007年に発売した代表作「∞(むげん)プチプチ」は、世界で335万個(シリーズ累計)を販売するという、有名キャラクターを起用しないノンキャラクターの玩具としてはまれに見る大ヒット商品となりました。
「プチプチ®」は皆さんご存じの、無数の気泡を持つポリエチレン製の緩衝材です。ついつい指でつぶす感覚を楽しんでしまうあの気泡を、キーチェーンを付けた玩具として再現した「∞プチプチ」も、多くの人に記憶していただいているのではないかと思います。
私は例えば他にも、
・「∞(むげん)エダマメ」―枝豆をつまみ出す感触を何度でも楽しめるキーチェーン玩具
・「瞬間決着ゲーム シンペイ」―「3目並べ(いわゆる「○×ゲーム」)」に「上下の世界」「はさんで飛ばす」という概念を加えたボードゲーム。私の本名が商品名になっている
・「5秒スタジアム」―ストップウォッチを感覚だけで5・00秒ぴったりで止めることを競い合い、5秒からのズレが大きければ大きいほど、音声で罵倒される
・「ほじれるんです。」―好きなだけ鼻をほじることができる鼻型キーチェーン玩具。いろいろな鼻の形のラインナップがあり、肌色の他に、ほじっている指の動きを観察できるクリアタイプもある(カプセル自販機「ガシャポン®」商品)
・「鳥人間」―羽ばたくポーズをとった人間型フィギュアが、台座の上で、まるで飛んでいるかのようにふわふわ動く不思議なバランスオブジェ(カプセル自販機「ガシャポン®」商品)
・「猫背」―見ただけで気持ち悪くなるほど、ものすごい猫背のネコフィギュアで、自分のデスクなどに置いておくと、それを見るたびに猫背を直したくなる。「200円で健康に」がコンセプト(カプセル自販機「ガシャポン®」商品)
などなど、斬新でバラエティに富んだおもちゃを開発し続け、ヒットした商品や、話題になってテレビなど各種メディアで何度も取り上げられた商品がたくさんあります。
また、「アイデア発想術」を研究する活動も行っており、2012年に『∞(むげん)アイデアのつくり方』(イースト・プレス)という書籍を出版したり、さまざまな大学・企業・団体などから依頼を受けて、アイデア発想に関する講演を行ったりもしています。
2013年には、多分野の方が登壇する話題のプレゼンテーションイベント「TEDxTokyo」に出演することもできました。アイデア発想法についてのスピーチをさせていただき、ご好評を頂きました(当時のプレゼンは公式ホームページやYou Tu be で視聴できます)。
しかし、これまでに50種類以上のおもちゃを世に送り出してきた私ですが、ずっとアイデアが湧き続け、新しいものを簡単にどんどん作れてきたわけではありません。
実際には、幾度となく、いわゆる「スランプ」を経験してきたのです。半年間、一度も企画が通らなかったり、何を考えればいいのかまったくわからなくなったり、二度と企画なんて考えたくない、と思ったり。そんなことを繰り返してきました。
おそらく、アイデアを出す仕事をしている方は、誰でも少なくとも一度はそのような経験があるのではないでしょうか。ずっと新しいアイデア、いいアイデアがひらめき続ける天才なんて、世界中を探してもほとんどいないでしょう。
たぶんこの本を手にとってくださった皆さんも、頭の中が真っ白になったり、考えることが嫌になったりした経験があると思います。
私の職業はいわゆる「企画」ですが、企画という仕事は、物事を考える仕事というより、物事を考え続ける仕事です。
さらに言うと、企画を仕事にしている人だけではなく、ビジネスマンは皆、アイデアを出し続けなければなりません。
世の中は、どんどん変化し続けます。その変化に対応し、世の中の役に立つ仕事をし続けるためには、新しいアイデアが絶えず必要となります。アイデアを出すことをせず、ずっと同じことをしていては、必ず仕事の成果は下がります。これはとても恐ろしいことです。
企画が職業の人に限ったことではありません。デザイン、営業、販促、管理、研究、総務、人事……。どんな仕事でも、アイデアを出し続けることが求められます。すべてのビジネスマンは、新しいアイデアを出し続け、仕事を改善し続けなければ、成長が止まるどころか、間違いなく衰退していってしまうのです。
そのように考えると、「あと何十年も、新しいことを考え続けられるのだろうか」と、重圧を感じてしまうかもしれません。
少しプレッシャーをかけるようなことを書いてしまいましたが、でも、そんなことはまったく気にする必要はありません。
あなたは必ず、アイデアを出し続けることができます。毎日生活を続けるのと同じように、新しいアイデアは出し続けられるのです。
あなたのアイデアが枯れることは、絶対にありません。
この本では、アイデアが枯れない頭のつくり方を、皆さんにお教えします。
目次
はじめに
――何も思いつかず、頭の中が真っ白になったことはありませんか?
第1章
なぜ何も思いつかなくなるのか
「何も思いつかない!」が起こる理由
そもそも、何も思いつかないなんてことはありえない
ダメなアイデアを思いついたらいけないのか
第2章
アイデアを思いつく頭のつくり方
あなたはどうやってアイデアを思いついていますか?
アイデア発想の3大原則
3大原則その1:A×B=Cの公式
3大原則その2:アイデアは「質より量」
3大原則その3:ダメなアイデアから出す
斬新なおもちゃをどうやって思いついたか
第3章
連想からアイデアを生み出す「A×B=C」の公式
すべての発想は「連想」である
「A×B」の「×」とは何か
「×」に必要な2つの連想力
連想を使ったアイデアづくりをやってみよう
企画の仕事以外への応用
さらに連想力を強化するためのヒント
第4章
「質より量」から最高のアイデアを選ぶ
アイデアを大量に出した後の「選び方」
いいアイデアは一人ではつくれない
第5章
アイデアを通し、実現させる技術
アイデアの通し方
通らないものは通らない
通るものはさらっと通る
本気で通したいものは、いくらでも通す方法がある
第6章
アイデアを出し続ける頭のつくり方
いかにボツネタを楽しめるか
どんなボツアイデアにも、1個1万円の価値がある
ダメアイデア日記をつける
勝手にアイデアの材料が集まってくる仕組みをつくる
自分だけの「ネタ新聞」を作る
「人はだれでも○○だノート」を作る
土曜の朝1時間、アイデアづくりという趣味で遊ぶ
脳ではなく「口」に考えさせる
特別対談
茂木健一郎さんに聞く、アイデアと創造性の話
おわりに
――自分が思いつく、世界にたったひとつのアイデアに興味を持とう
略歴
高橋晋平(たかはし・しんぺい)
1979年11月14日生まれ。秋田県北秋田市出身。東北大学大学院修了。2004年、株式会社バンダイ入社。入社以来、主に大人向けバラエティ玩具の企画開発を担当し、現在はカプセル玩具「ガシャポン®」の商品企画開発を担当。国内外累計335万個を販売した「∞(むげん)プチプチ」をはじめ、さまざまな玩具商品を企画開発し、ヒットさせてきた。
独自の発想法「アイデアしりとり」を提唱・実践し、2013年にはTEDxTokyoに登壇。そのプレゼンテーション「新しいアイデアのつくり方」が高く評価されている。JAPAN MENSA会員でもある。著書に『∞(むげん)アイデアのつくり方』(イースト・プレス)がある。
●ブックデザイン/TAKAIYAMA inc.
●撮影/吉次史成
●編集協力/廣川淳哉
●校正/鷗来堂