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「期待」の科学
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「期待」の科学 悪い予感はなぜ当たるのか

「期待」の科学

イングランド代表チームはなぜPKをはずすのか? 偽薬はなぜフランス人に効いて、ブラジル人には効かないのか? 偽ブランドのサングラスをかけると、なぜ犯罪率が上がるのか? 歴史と最新の科学研究から、驚くべき「期待」の力に迫る。

  • 書籍:定価1980円(本体1,800円)
  • 電子書籍:定価1584円(本体1,440円)
  • 2014.06発行
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内容

・イングランド代表チームはなぜPKをはずすのか?
・偽薬はなぜフランス人に効いて、ブラジル人には効かないのか?
・偽ブランドのサングラスをかけると、なぜ犯罪率が上がるのか?
・高級ワインはなぜ美味しいのか?
・なぜ冤罪は起こるのか?
・なぜバブル経済が起こり、バブル経済は崩壊するのか?

私たちの見ている世界像は、「期待」や「予測」から成り立っている。
人間の脳には、常に未来を見る癖があり、
いつでもどこでも「この先はどうなるのか」という予測ばかりをする。
特殊な状況に置かれない限り、自分の脳の未来予測に
自分が支配されているなどとは思わないのである。
「期待」の歴史と最新の科学研究から、驚くべき「期待」の力に迫る。

目次

はじめに 現実世界と世界像      
動物磁気は科学か
委員会による調査
予測の力を利用する
 
第1章 孤独なランナー       
世界記録は生まれなくなる?
心のブレーキ
限界を押し上げる―騙しとドーピング
 
第2章 過去の呪縛    
PKの呪い
プレッシャーの影響
勘が狂う
よく見るとかえって見えない
緊張からの逃避
先輩の失敗に縛られる
 
第3章 中毒の構造      
報酬系の活性化
カロリーのプラシーボ
邪魔の効果
欲求が強すぎるのは問題
負けても辛くない
依存症とのつき合い
 
第4章 高いワインは本当に美味しいか   
酔って本音が
好きだと思うと好きになる
無知が力になる時
評価をするのは誰か
本当の価値
ブラインドテイスティングの有効性
好みはなぜ揺れ動くのか
真の嗜好という「聖杯」
自分の無知を知る
 
第5章 信用の創造     
期待の力
他人の目が価値を決める
ダムマネー
予言の自己成就
常に他人に影響される
周囲の思惑
五つの円
 
第6章 私とあなたの曖昧な境界線  
幻肢
ゴムの腕
黒いユニフォーム
新しい自分
幻肢の克服
 
第7章 我思う故に我あり   
予感の自己成就
目撃者証言の誘導
なれると思えばなれる
ステレオタイプの脅威
自尊心の功罪
 
第8章 力と自制心    
権力者のようにふるまえば力が生じる
プラシーボ効果の害
自制心の重要性
自制心は再生可能なエネルギーか
力と自制心の再定義
 
第9章 心の力   
プラシーボ効果は実在する
プラシーボ効果の種類
踊りが止まらない
プラシーボ効果の起きやすい人
 
第10章 プラシーボは「噓」か   
偽薬を超えたプラシーボ
どこまでが本当の薬効か
文化や社会の影響
タイムスリップ
プラシーボ効果を本格的な医療に
信頼の重要性
常識、先入観を疑う
 
謝辞      
脚注      

略歴

[著者]
クリス・バーディック Chris Berdik
 科学ジャーナリスト。ハーバード大学で歴史学を学んだ後、スタンフォード大学で修士号(ジャーナリズム)取得。The AtlanticMother Jonesの編集者を経て、現在、The Boston Globe, The New York Times, The Washington Post, New Scientistなどに執筆している。ボストン在住。

[訳者]
夏目 大 Dai Natsume
1966年大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。大手メーカーにSEとして勤務後、翻訳家に。現在、翻訳学校フェロー・アカデミーの講師も務める。『音楽の進化史』(河出書房新社)、『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 3』(共訳、早川書房)、『ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト』(講談社)など訳書多数。

●ブックデザイン/熊澤正人+尾形忍(POWERHOUSE)
●校正/円水社