読むだけで「うまい」と言われる字が書ける本
字をうまく見せるには、12の法則があります。この法則さえ頭に入れて書けば、お手本はなくとも美しい文字が書けるようになるのです。これまで1000人以上に教えてきた新進気鋭の書道家が教える、真の美文字メソッド。
- 書籍:定価1375円(本体1,250円)
- 電子書籍:定価1100円(本体1,000円)
- 2014.04発行
内容
やみくもに練習していませんか?
美文字にはロジックが必要だったのです!
12の厳選メソッドさえ頭に入れれば、今日からきれいな字が書けます。
メソッド順に記憶・練習することで、手本なしでも美しい文字が書けるように。
イザという時に恥をかかないために。
「書道学博士」という肩書きをもち、
これまで1000人以上に教えてきた新進気鋭の書道家が教える、
真の美文字メソッド。
手書き文字には、丁寧な気持ちを相手に伝えることができる
という魅力があります。
この時代だからこそ、手書き文字を武器にしよう。
はじめに
今、あらためて手書き文字の重要性が見直されています。これは大変喜ばしいことであり、最近では、ビジネスシーンにおいても相手先への手紙は手書きで書く場合が増えているそうです。
手書き文字には、より丁寧な気持ちを相手に伝えることができるという魅力があります。封筒の宛名や、書類と同封する一筆箋、暑中見舞いや年賀状など、ここぞというときや、大切な取引先には手書き文字で気持ちを伝えてみるといいのではないでしょうか。
そのときに、美しい文字でしたためられれば、相手の印象はさらに良くなるでしょう。つまり、「美しい文字は武器になる」と言えるのです。
ほかにも、冠婚葬祭の場や子どもの学校に関する書類やゼッケンなど、美しい文字で書きたい場面は多くあります。
しかし、現在刊行されている多くの本は、お手本重視で練習をさせるものが多く見受けられます。そのため、その文字や文章自体は書けるようになりますが、お手本なしでは書ける自信がないという意見もよく耳にします。それは多くの本がポイントを並列的に示してしまい、論理的に伝えたものが少ないということが大きな要因だと感じます。
つまり、「論理的に書くための文字の教科書がない」。そこで、本書は、文字を書くコツを整理し、系統立てた上で、その法則を伝えることを第一の目的としました。
私は、中学生の頃より、平安時代の仮名書道を専門に学び始めました。その後、書道専門学科を設ける大学に進学し、漢字を上手に書く才能を持った仲間たちに囲まれました。それまで仮名文字を中心に勉強していたため、私には漢字の素養がなく、授業についていくのが大変だったのを覚えています。
教員免許取得のために履修した一つの科目において、書道の手本を書くためのルールというものを論理的に教えてくれるものがありました。内容は学術的なものなので、やや難しいものでしたが、数年聴講を繰り返すことで一定のルールを身に付けることができました。
そこで、「この法則をかみ砕いて、かつ、わかりやすい言葉で順序立てて伝えれば、書道が苦手な方でもすぐに上手くなるのではないか」と思い立ち、本書にまとめました。
これまで、まとめたメソッドをもとに、書のワークショップを開催し、のべ一〇〇〇人以上の方々に美しい文字の書き方を伝えてきました。そのほとんどの方がこの法則を記憶・練習することで格段に文字が美しくなりました。
読者のみなさんも、第1章のメソッドをまず順番に記憶し、本文の上に挙げた漢字を練習してください。できるようになったら、第2章のトレーニングではメソッド以外にも気をつけたい難しい漢字を載せてありますので、さらに練習を進め、知識と技術を自分のものにしてください。
ここまで来れば、手本なしでも美しい文字が書けるようになっています。
みなさんが自信を持って文字に向き合えるよう、本書がお力になれれば幸いです。
もくじ
はじめに
筆記用具の種類と選び方
第1章 これさえ押さえておけば、あなたの字は格段に美しくなる! 厳選メソッド12
メソッド① 基本を知る
メソッド② 「一画強調」「一対強調」
メソッド③ 点画の方向Ⅰ
メソッド④ 点画の方向Ⅱ
メソッド⑤ 左右・上下の組み立て
メソッド⑥ 内外の組み立てⅠ
メソッド⑦ 内外の組み立てⅡ
ひらがな一覧表
メソッド⑧ 文字の中心
メソッド⑨ 文字の概形
メソッド⑩ ひらがなの書き方Ⅰ
メソッド⑪ ひらがなの書き方Ⅱ
メソッド⑫ 整った文章の書き方
ひらがな一覧表
カタカナ一覧表
第2章 メソッドを定着させる! 実践トレーニング
似たもの同士の漢字で練習しよう
一筆箋
はがきの宛名
暑中見舞い
寒中見舞い
和封筒
履歴書
のし袋
年賀状
おわりに
略歴
根本知 Satoshi Nemoto
博士(書道学)。号(一鶴)。2013 年、大東文化大学大学院書道学専攻博士課程後期課程修了、博士号取得。大東文化大学文学部書道学科非常勤講師。書道教室を主宰する。新宿伊勢丹や銀座三越、日本橋ロイヤルパークホテルでの「美しい名前の書き方」講座をはじめ、企業研修向けのペン字ワークショップを各地で開催。これまで1000 人以上にメソッドを伝授してきた。また、企業へのデザイン提供や、パンフレットの文字提供など、他分野とも積極的にコラボレーションをしている。茶会の床の間も数々手がけ、専門の仮名文字のみならず日本書道の柔らかさを漢字作品にも生かすなど、活動の幅を広げている。
本書と合わせて利用したい『この1冊で完全マスター!「うまい」と言われる字が書ける ペン字練習帖』も執筆。
本書と合わせて利用したい『この1冊で完全マスター!「うまい」と言われる字が書ける ペン字練習帖』も執筆。
●装丁・本文デザイン/荒井雅美(トモエキコウ)
●写真/中村年孝
●校正/桜井健司