母の旅立ち
母に残された時間はあと1ヶ月。在宅で看取り、家族葬で送ったドタバタ記。大切な人を看取るときに知っているだけで救われることは、ある。
- 書籍:定価1760円(本体1600円)
- 電子書籍:定価1760円(本体1600円)
- 2025/04/30発行
内容
「わたし、死なないから」
えっ? いまなんて言った?
ーー底抜けに明るいドタバタの実話
乳がんステージ4からの脳転移!? 作家の「わたし」は旅先のシンガポールでそのことを知った。
底抜けに明るいがトラブルメーカーの母に残された時間はあと1ヶ月。京都で訪問医療のクリニックを開業している看取りのプロ医の次女による仕切りのもと、母を在宅で看取り、家族葬で送ることになった。
母にいちばん迷惑をかけられながらも心優しき長女、気が強く明晰な次女、行動派の三女、四女の「わたし」、そしてほぼ戦力外の父が一致団結する。喧嘩したり、泣いたり、笑ったりした、「その日」を迎えるまでの20日間を描く。
■目次
プロローグ:母、倒れる
第一章:四姉妹、団結する
第二章:次女、看取りのプロ仕事
第三章:父と母、離婚し再婚し
第四章:母、危篤……からのこと
第五章:母、旅立つ
第六章:母、シリウスにて
プロフィール
尾崎英子(おざき・えいこ)
作家 1978年、大阪府生まれ。2013年『小さいおじ さん』(文藝春秋、のちにKADOKAWAより『私たちの願いは、いつも。』として文庫化)で、第15回ボイル ドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。
著書に『ホテルメドゥーサ』(KADOKAWA)、『有村家のその日まで』『竜になれ、馬になれ』『たこせんと蜻蛉玉』(以上、光文社)他。近年は10代から楽しめる作品に も執筆の幅を広げ『きみの鐘が鳴る』『学校に行かない僕の学校』(ポプラ社)他。2024年、『きみの鐘が鳴る』で、うつのみやこども賞受賞。