アステイオン102
「アカデミック・ジャーナリズム」はジャーナリズムとアカデミズムの協働の必要性を訴える本誌の編集方針の一貫性を示すものだが、ジャーナリズムの「思想」と「科学」に焦点を当てるという新機軸も打ち出した。ジャーナリズムが社会科学になるための条件について改めて議論し、「ジャーナリズム」を再定義する。
■特集:アカデミック・ジャーナリズム2
<抜粋再録>ジャーナリズムの思想(鶴見俊輔)
SNS時代のジャーナリズム(武田 徹)
人生を変えた一枚のグラフ――世論調査と分極化(山脇岳志)
日本型「報道倫理」論を越える(澤 康臣)
実践から考える科学ジャーナリズム(須田桃子)
映画リテラシーのすすめ――『オッペンハイマー』と科学技術社会(粥川準二)
大学出版部――アカデミック・ジャーナリズムの礎(斎藤哲也)
■論考
社会科学が社会の科学になるために(江頭 進)
トランプ時代のジャーナリズム論(渡辺将人)
二〇二三年タイ総選挙――重要な岐路(プラチャーク・コンギラティ)
■写真で読む研究レポート
モンゴルの住まいと都市――遊牧文化に根ざした定住の姿(八尾 廣)
Sound of Ikebana――先端技術による「日本美」(土佐尚子)
■研究会レポート 自由主義国際秩序の再建と日本の役割
自由主義国際秩序の再建と日本の役割(池内 恵+廣瀬陽子+森 聡+北岡伸一)
歴史の中のロシア・ウクライナ問題(袴田茂樹)
習近平がめざす世界秩序(桃井裕理)
インドが描く世界秩序(長尾 賢)
大国の横暴への抵抗――マレーシアの試み(鈴木絢女)
■時評
「歴史教育」とは何か(岡本隆司)
芸術としての「ジェンダー・ハッキング」(村上由鶴)
政治的暴力と民主主義(池田真歩)
■エッセイ
《たにし踊り》の旅――国立国会図書館デジタルコレクションの威力(渡辺 裕)
AIと物理学のパラダイム (橋本幸士)
コミュニティとしての大学(苅谷剛彦)
インドの仏教建築(藤森照信)
樹木葬(奥本大三郎)
誠実な引きこもりと、辻立ちする扇動屋(トイアンナ)
■海外通信
カーストをどう捉えるか(鈴木真弥)
イスラエルの統治「契約」――ユダヤ人国民の前提(山森みか)
流行としての英語、ツールとしての英語――ポーランドとEUの事例(貞包和寛)
地球の裏側の日系人(ロメロ・イサミ)
ニューヨークの音風景(廣津留すみれ)
■書評対談
戦後日本社会と三島由紀夫(平野啓一郎+中西 寛)
■追悼
高階美術史学私観(三浦 篤)
方法としての高階秀爾(三浦雅士)
美術史家の自画像(北澤憲昭)
道標の星(原田マハ)
高階秀爾氏を悼む(大笹吉雄)
- 書籍:定価1320円(本体1200円)
- 電子書籍:定価1320円(本体1200円)
- 2025.05発行
●アステイオン編集委員会
委員長 田所昌幸
岡本隆司
佐伯順子
武田徹
土居丈朗
中西 寛
●ブックデザイン/清原一隆(KIYO DESIGN)
●表紙画/安斉将
●翻訳/ジャネット・アシュビー
●ロゴ/荒田秀也・清原一隆(KIYO DESIGN)
●写真/河内彩
●校閲/竹内輝夫
●編集協力/CEメディアハウス