ソクラテス・クラブへようこそ 子どもに学ぶ大人のための哲学教室
猫を殺したらダメなのに、蚊は殺してもいいの? 子どもはみんな哲学者。彼らの問いには、哲学的な思考がつまっています。自由と責任、動物と倫理 、正義と公正、幸福、人間性……など、ドイツ人哲学者と子どもたちとの対話によって生まれた哲学入門書。ドイツ発白熱哲学教室、日本上陸!
- 書籍:定価1870円(本体1,700円)
- 電子書籍:定価1496円(本体1,360円)
- 2013.10発行
内容
哲学とは、学びの場です。
<自由と責任> “どうしてピンポンダッシュをやっちゃいけないの?”
<動物と倫理 >“動物を殺してはいけないのに、お肉は食べてもいいの?”
<正義と公正>“お誕生会に好きな友達だけを呼ぶのは不公平なの?”
<幸福 > “人は有名になっても幸せにならないの?”
<人間性> “オウムは言葉が話せるから人間性があるんじゃない?”
子どもはみんな哲学者。
彼らの問いには、哲学的な思考がつまっています。
自由と責任、動物と倫理 、正義と公正、幸福、人間性……など、
ドイツ人哲学者と子どもたちとの対話によって生まれた哲学入門書。
ドイツ発白熱哲学教室、日本上陸!
目次
はじめに
Chapter1 子どもと哲学
Chapter2 真実と知るということ
本当のことを言っても、どうしてそれが嘘にもなるの?
真理と知
可謬主義
経験主義
真理と虚偽
だましと真実
合理性と真理
科学主義、確実性と不確実性
真実への探求における哲学の役割
コミュニケーションと真実
知と真理
理由と真理
真実性、あるいは真実を言おうとすること
習慣や自己防衛による嘘
Chapter 3 自由と責任 どうしてやりたいことを全部やっちゃいけないの?
自由と責任について
決定論
自由と責任
他人の利益
他人の自律の尊重
権利
自由における自発的自己規制
義務
自分に課す責任
規範倫理学
Chapter4 動物と倫理 どうして猫を洗濯機に入れてはダメなの?
動物に対するモラル
感覚中心主義
動物における発達の段階
動物における意識と自意識
心理主義
動物に権利はあるか?
動物における死や痛み
Chapter5 公平さ、あるいは正義
リスは木の実を三つしかとらないのに、
ライオンが五〇〇個もとるのは公平なの?
公平性、あるいは正義
民主主義と公平性
「生まれながらの」不平等の埋め合わせ
リバタリアニズム的アプローチ
需要、もしくは資源の公平性
普遍的な公平性
合理性と公平性
Chapter6 人間性 人間が二本歩行する毛のない動物じゃないのはなぜ?
人間らしさ
人間的とはどういうことか
人文主義という思想の流れ
自由と責任
政治理論における人文主義
古代ギリシア・ローマにおける、反人文主義的伝統
近代における反人文主義の潮流
今日、人文主義がさらされている脅威
Chapter7 アイデンティティ 悪い人が今日からすぐにいい人になれるの?
アイデンティティ
絶対主義的な見方
漸進主義的な見方
倫理的な見方
コミュニタリアニズム(共同体主義)
実存主義
ヒューム主義的な見方
カント主義的な見方
Chapter8 幸福 ぬいぐるみを植木鉢に入れられても怒っちゃダメなの?
幸福
古代における幸福、ヘドニズム(快楽主義)
プラトンにおける幸福
アリストテレスにおける幸福
功利主義における幸福
禁欲主義における幸福
Chapter 9 哲学って何?
哲学における重要人物一覧
訳者あとがき
参考文献
略歴
[著者]
ナタリー・ヴァイデンフェルト Nathalie Weidenfeld
作家、大学講師。2010年よりミュンヘン大学演劇学研究所にて映画理論を教えている。二人の娘の母。ミュンヘン在住。
ユリアン・ニーダ=リューメリン Julian Nida-Rümelin
1954年生まれ。ミュンヘン大学教授。専門は哲学。バイエルン州文化・メディア大臣として文化政策を携わった経験もある。ヨーロッパ科学芸術アカデミー会員。二人の娘の父。ミュンヘン在住。
[訳者]
岩佐倫太郎(いわさ・りんたろう)
1980年札幌市生まれ。早稲田大学第一文学部演劇映像学科卒業後、ドイツの新聞社にてリサーチアシスタントとして勤務。現在、ドイツ語と英語の通訳と翻訳に携わっている。
●装丁・本文デザイン/平木千草
●編集協力/柳原伸洋
●校正/鷗来堂
●DTP/朝日メディアインターナショナル