夫婦仲の経済学 皿洗いからセックスライフまで、妻と夫の不満は経済理論で解決

夫婦仲の経済学
ポーラ・シューマン/ジェニー・アンダーソン 著

永井二菜 著

  • 書籍:定価2200円(本体 2,000円)
  • 四六判・並製/424ページ
  • ISBN978-4-484-12108-6 C0033
  • 2012.04発行

人生最大の投資(=結婚)で最大のリターン(=幸せ)を得るための指南書。浪費癖が抜けない夫に苛立つ妻も、忙しすぎる妻に不満がある夫も、経済理論で考えれば、結婚生活はうまくいく!

書籍

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内容

結婚は最大の投資。誰もが最大のリターン(=幸せ)を得たいはずなのに、日常の雑事に追われていつの間にか、夫婦の関係がぎくしゃく……。そんな経験のある人は多いはず。でも、感情にまかせるのではなく、経済理論を応用すれば、妻と夫の仲を修復することはできるのです。

2人の女性経済記者が1000人以上の既婚者にインタビューし、赤裸々な夫婦事情をリサーチ。多くのノーベル経済学者や専門家にも意見を求め、豊富なケーススタディーとユニークな語り口が楽しい経済の入門書を書き上げました。アメリカのメディアでも話題を呼んだ1冊です。

たとえばこんなふうに考えればいいのです。
・一滴の血も流さずに家事の分担を決めるには<比較優位>に従え
・セックスライフは<費用対効果>で考えよ
・<ナッシュ均衡>に陥ったら、ときには談合も視野にいれる

はじけた「結婚バブル」の痛手から回復したい人におすすめです!

目次

はじめに

第1章 労働の分業   家事の分担はこうして決める
ケース1 エリックとナンシーの場合
問題点――公平性の偏重
解決策――役割の特化と比較優位

ケース2 アンドリューとノーラの場合
問題点――市場の失敗
解決策――効率的な市場の確立

ケース3 サムとアシェリーの場合
問題点――インセンティブの整合性
解決策――芸を増やす

第2章 損失回避 夫婦ゲンカを早く、丸く収めるには
ケース1 ホセとエイミーの場合
問題点――損失の拡大
解決策――タイムを取る

ケース2 ニービとポーラの場合
問題点――授かり効果
解決策――リフレーミング

ケース3 ロブとエレンの場合
問題点――現状維持バイアス
解決策――積極的な意思決定

第3章 需要と供給 性生活を充実させる秘策
ケース1 ジャックとハイジの場合
問題点――不透明な市場
解決策――透明性の確保

ケース2 コナーとリンジーの場合
問題点――誤った習慣
解決策――習慣のリセット

ケース3 セスとモニカの場合
問題点――協調の失敗
解決策――シグナリング

第4章 モラルハザード 結婚という保険に甘えない、甘えさせない
ケース1 トロイとビアトリスの場合
問題点――手厚すぎる救済制度
解決策――出資をさせる

ケース2 ジョーとラナの場合
問題点――危機感の欠如
解決策――新規の契約

ケース3 ピートとカーラの場合
問題点――逆誘因
解決策――インセンティブの是正

第5章 インセンティブ 思いのままに妻、夫を動かす切り札
ケース1 ソロルドとジェニーの場合
問題点――小言
解決策――信頼

ケース2 ポールとレベッカの場合
問題点――しっぺ返し
解決策――無罪放免カード

ケース3 コリンとリリーの場合
問題点――インセンティブの乱発
解決策――いたわり

第6章 トレードオフ 苦渋の選択をすんなりと行なう技術
ケース1 ショーンとクレアの場合
問題点――非現実的なアプローチ
解決策――限界分析

ケース2 トムとキャロラインの場合
問題点――埋没費用にこだわる
解決策――埋没費用を忘れる

ケース3 ガスとアビーの場合
問題点――不公平回避
解決策――仕方がないと割り切る

第7章 情報の非対称性 風通しのいい関係を確立するコツ
ケース1 ビルとアンジェラの場合
問題点――一括均衡
解決策――シグナリング

ケース2 デーブとケイトの場合
問題点――言明選好と顕示選好
解決策――事実申告のメカニズム

ケース3 スコットとマディーの場合
問題点――情報処理コストの高騰
解決策――情報の最適化

第8章 異時点間の選択 初志貫徹で良き家庭人になる
ケース1 マークとアリスの場合
問題点――双曲割引
解決策――努力継続ツール

ケース2 ハワードとジェンの場合
問題点――感情移入ギャップ
解決策――努力継続ツール

第9章 バブル 夫婦の好景気を長続きさせるには
ケース1 ダニエルとキムの場合
問題点――確証バイアス
解決策――創造的破壊

ケース2 ジェイクとレイラの場合
問題点――群集行動
解決策――鏡と相談する

ケース3 フィルとマーサの場合
問題点――過信
解決策――夫婦信頼感指数
夫婦信頼感指数チェックテスト

第10章 ゲーム理論 フルシチョフ並みの戦略とケネディ級の駆け引き
ケース1 ライアンとアリエルの場合
問題点――戦略の分極化
解決策――談合

ケース2 プラディーブとへザーの場合
問題点――囚人のジレンマ
解決策――努力継続ツール

ケース3 マイクとイングリッドの場合
問題点――フリーライディング
解決策――混合戦略

ケース4 マーカスとゲイリーの場合
問題点――男女のいさかい
解決策――先発者の優位

謝辞

略歴

[著者]
ポーラ・シューマン Paula Szuchman
ウォール・ストリート・ジャーナル紙のビジネス・経済エディター。コスモポリタンやフォーブス誌などにも寄稿。夫と娘の三人家族。ニューヨークのブルックリン在住。

ジェニー・アンダーソン Jenny Anderson
ニューヨーク・タイムズ紙記者。長年にわたってウォール街を取材し、メリル・リンチ関連の記事でジェラルド・ローブ賞を受賞。現在は教育問題を担当している。夫と娘二人の四人家族。ニューヨークのマンハッタン在住。

[訳者]
永井二菜(ながい・にな)
主な訳書に『人生を変える、お金の授業』(PHP研究所)、『こんな男とつきあってはいけない』(アスペクト)、『ハリウッド・カクテル』(グラフィック社)、『イベントトレーディング入門』(パンローリング)など。書籍のほかに映像翻訳、雑誌の連載、海外タレントのインタビューなどを担当。東京都在住。

●装丁・本文デザイン/Bookwall

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