ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術
シリーズ累計120万部の大ベストセラー、『アタマにくる一言へのとっさの対応術』著者による待望の新作! いつも言われっぱなしのあなたへ、やり返さず、逃げ出さず、笑顔で受け流す極意を教えます。
- 書籍:定価1650円(本体1,500円)
- 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
- 2009.12発行
内容
《『アタマにくる一言へのとっさの対応術』の著者による待望の新作!》
嫌味ばかり言う上司、すぐに文句をつける部下、
いつもケンカ腰の同僚……ムカつく相手はどこにでもいます。
しかし、彼らと戦うことは、決して最善の方法ではありません。
戦わず、それでもなお勝つ、というやり方があるのです。
いつも言われっぱなしのあなたへ、やり返さず、逃げ出さず、
堂々と笑顔で対抗する“返し技”をお教えします。
はじめに
鉋(かんな)をかければ木くずが落ちる――同じように、会話をすれば、時には言い方を間違えることもあります。これは、よくあるだけでなく、不意打ちのことがしばしばです。いきなりだれかに不愉快なことや無礼なことを言われたとき、私たちは呆然とします。どうしようか。そっちがそうならこっちもこうだと、やり返そうか。それとも、そのまま何も言わずにいて、どうやってしっぺ返ししてやろうか延々と思い悩むのか?
もう長い間、私はコミュニケーション術のセミナーを開いています。セミナーの参加者に日頃抱えている問題を書き出してもらうと、いつでもいちばん多いのは次のような質問です。「癪(しゃく)にさわることを言われたら、どういう態度をとったらいいのでしょう?」。さらにこういう補足がついています――「ただし、カッとしたり、ケンカしたりすることのないように」。いい質問です。
10年以上、私はこの問題に対する解決策をいろいろ集めてきました。理論的に正しいというだけでは不十分です。何より実地に応用できなければなりません。できるだけ上品に、ストレスなしに、言葉による攻撃をかわせる、そんな方法はないだろうか。
そう思って探しているうち、アジアの格闘技を知って大きなヒントを得ました。きっかけは合気道の練習を見たことでした。小柄な中年の女性が、自分よりはるかに大きな相手をマットの上に押さえこんだのです。素早い動きでしたが、闘いというよりダンスのように見えました。
私はこの場面を忘れることができませんでした。そして、ふとこう思ったのです。この技を会話に応用できないだろうか?
柔道や合気道の基本原則は次のようなものです。弱い者が強い者に勝つ。あるいは柔らかいものが硬いものを打ち負かす(柔よく剛を制す)。これらの格闘技を学ぶ人は、道教や仏教、それから禅に由来する精神面での訓練も受けています。
柔道や合気道では、投げ技、固め技、当身技という洗練された三つの技によって、強い相手をも倒すことができます。私は言葉による攻撃に立ち向かえる「返し技」を探しました。そして、見つけることができました。
その際、次のような基準に従いました。
● すべての技はただ自分を守ることにだけ役立つ。相手を攻撃することはできない。
● 簡単で覚えやすい。
● どこでも使え、ほとんどあらゆる種類の言葉による攻撃をかわせる。
● 相手を非難したり傷つけたりする言葉を含まない。
● ふたりの関係を悪化させない。もしそうしたければ、そのまま会話を続けることができる。
ひょっとすると、これらの技のいちばんの価値は、まったく違うところにあるのかもしれません。つまり、これらはみな、気分を変える力があるのです。それも、あなたの気分を。これらの技を用いれば、あなたは軽蔑もされず、ショックを受けることもなく、悠然とした態度でいられます。
相手がレベルの低い発言をしても巻きこまれる怖れはありません。ですから、むなしい泥仕合もせずにすみます。
もしあなたが、にっこり微笑みながら余裕たっぷりに反論したいと思っているなら、この本はお役に立ちます。どうぞ楽しんでください。
目次
はじめに
第1章 戦わずして勝つ
やり返さない、逃げ出さない
対立ではなく対話を
返し技▼やまびこトーク
あなたも傷つきやすい?
沈黙バンザイ
返し技▼にぎやかな沈黙
この番号は現在使われておりません
沈黙バンザイ
返し技▼ひとことコメント
こう考えてみよう――男性と女性
沈黙バンザイ
自己診断テスト(1)男性と女性の違いは?
第2章 ユーモアで勝つ
威張り屋には褒め言葉
返し技▼褒め言葉
うまくかわせれば楽勝
返し技▼迂回トーク
かなわなければ混乱させる
返し技▼場ちがいなことわざ
こう考えてみよう――当意即妙の才
自己診断テスト(2)当意即妙の才について
第3章 攻撃したくなったら
頭の中にある石
返し技▼諍いの原因を明らかにする
こう考えてみよう――仕返し
自己診断テスト(3)あなたの復讐心の強さは?
何のための競争?
返し技▼何のための競争なのかを自覚する
正しいのはだれ?
返し技▼相手を認める
返し技▼相手に尋ねる
こう考えてみよう――扱いにくい人たち
自己診断テスト(4)だれかに怒鳴りつけられたとき
おわりに
訳者あとがき
著者
バルバラ・ベルクハン(Barbara Berckhan)
1957年生まれ。ハンブルク大学で教育学と心理学を専攻。20年以上にわたりコミュニケーションのトレーナーとして活躍している。自信を持って、人とうまく気持ちを通わせることのできるコミュニケーション術を提唱。著書は次々とベストセラーになり、11か国語に訳されている。日本でも『アタマにくる一言へのとっさの対応術』(草思社)がベストセラーになった。
訳者
小川捷子(おがわ・しょうこ)
翻訳家。主な訳書に『月の癒し』『すべては「単純に!」でうまくいく』(ともに飛鳥新社)などがある。
●カバーデザイン/後藤葉子
●カバーイラスト/タラジロウ
●本文デザイン・DTP/鴎来堂