これはデザインではない 「勝てない」僕の人生〈徹〉学
めまぐるしく移り変わる時代の中で、あらゆる職業が淘汰されている。
待っているだけでは、仕事は来ない。
これからは、会社員、フリーランスにかかわらず、自分の手で仕事をつくっていかなければならない。
そんな中、アートディレクターの千原徹也は、デザインの領域を超え、あらゆる仕事を生み出している。
その根本にあるのは「自分の役割りを果たす」「人に頼り、助けてもらう」こと。
日本一忙しいアートディレクターがはじめて語る、働くこと、生きること。
- 書籍:定価1650円(本体1500円)
- 電子書籍:定価1320円(本体1200円)
- 2021.12.29発行
はじめに
桑田佳祐さんのソロアルバム「がらくた」。
「がらくた」だけど、僕の人生の宝。
この仕事をした日から、勝ち負けなんて気にしなくなった。
僕の人生のターニングポイントは、ここ。
勝つか負けるかは、いまはどうでもいい。人生は短い。すでに僕は平均寿命からすると、半分を超えている。
毎日の中で、がらくたの山を積んでもいい。負けてばっかりでもいい。その過程を過ごすことが大事で、その中に人生の宝は必ずある。
僕には、ずっとコンプレックスがあった。
「勝てない」
(略)
高校生のとき、彫刻の授業で手をすべらせて自分の作品を割ってしまい、先生に「何やってんだ! お前は何をやってもダメだな」と言われ、ずっと感じていた「勝てない」に判を押された気がした。一度の失敗ではなく、先生は「何をやっても」と言っていたのは、過去にもそう思われていたのだ。
この言葉は、リフレインのように人生に大きくつき刺さっていく。「やはり、何をやってもダメな星の下に生まれたのかもしれない」と思うようになった。それから、何をやってもうまくいかない。すべてに自信がなくなった。
目次
第一章 勝てない人生
記憶
東京
【れもんらいふのアイデア 小学生時代】
檸檬
【れもんらいふのアイデア 中学生時代】
第二章 徹学
1.自分を知る
2.創造性の徹(哲)学
3.人気者で行こう
4.「感動させる」までやろう
5.自分が好きなものって?
………
28.覚悟の方法
29.嫉妬
30.すぐやる
31.思いの一方通行
32.東京デザインが生まれる日
【れもんらいふのアイデア 青春時代】
第三章 世界はやさしくつながっている
アートディレクターの視点
映画製作をデザインする
未来は負けて、託すもの
著者略歴
千原 徹也(ちはら・てつや) アートディレクター/株式会社れもんらいふ代表
1975年京都府生まれ。広告、ブランディング、CDジャケット、装丁、ドラマ制作、CM制作など、デザインするジャンルは様々。
下着ブランドウンナナクール、Lypo-C、H&M、オニツカタイガーなどの広告や、日清カップヌードル×ラフォーレ原宿の企画&デザイン、adidas Originalsの店舗ブランディング、桑田佳祐「がらくた」、関ジャニ∞アルバム「ジャム」、吉澤嘉代子MV&ジャケットデザインなどを手がける。
テレビ東京 水ドラ25「東京デザインが生まれる日」監督、「勝手にサザンDAY」企画主催、J-WAVE「Lypo-C DESIGN ENERGY」ナビゲーター、東京応援ロゴ「KISS,TOKYO」発起人、富士吉田市×れもんらいふのコミュニティ「喫茶檸檬」運営など、活動は多岐に渡る。
れもんらいふは2021年、10周年を迎え、さまざまなコラボ企画を展開している。
編集協力*嶋津亮太
装幀*千原徹也
校正*株式会社文字工房燦光
マネジメント&PR*横濱桂子(株式会社katsura)