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12歳までに「勉強ぐせ」をつける お母さんの習慣
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12歳までに「勉強ぐせ」をつける お母さんの習慣

12歳までに「勉強ぐせ」をつける お母さんの習慣

お母さんの言葉が変われば、子どもはいつのまにか勉強好きになる!
家庭教師として、数々のご家庭を観察してきた経験から、子どもが伸びるもつぶれるも、母親の声かけだと気づいた著者。特に「勉強しなさい」の一言は、子どもをつぶすのに効果抜群?!……にも関わらず、多くの母親がこの言葉を繰り返し、子どもに発しています。ついつい言ってしまう「勉強しなさい」という言葉を封印するには? また子どもが自分から進んで勉強する子が育つ家はどこが違うのか??本書は子どもの「勉強ぐせ」をつけるため、親が実際にできることを紹介します。

  • 書籍:定価1430円(本体1,300円)
  • 電子書籍:定価1144円(本体1,040円)
  • 2016.12.15発行
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内容

家族で毎週書店に行く子は、中学生以降にぐんと伸びる!
家庭教師・塾講師として、さらに東大生・早大生を育てた母でもある著者が数々の家庭を見てわかったこと。

子育てでいちばん大切なのは、親がブレないこと。
まずはお母さん自身の気持ちや心の状態を知っておきましょう。
何よりも、自分の人生を大切にすることを忘れないでほしい。
その姿をお子さんはちゃんと見ているのですから!

はじめに

わたしが高校3年生のときのこと。大学受験を控え、クラスは少しピリピリモードでした。そんな中、隣の席だった男の子は、まわりの雰囲気とはまるで違いました。受験生とは思えないほど、のーんびりした感じで、カリカリ勉強する様子は微塵もなかったのです。「絶対この人勉強していない」と思っていたのですが、テストの答案が返ってきてびっくり。すべていい点数なんです。
不思議に思ったわたしは、彼に「どんな勉強しているの?」と聞いてみました。すると、「寝転がって教科書を眺めてるだけ」と答えるのです。「そんなバカなことがあるわけない!」と思っていたのですが、その後、彼は優秀な国立大学に合格しました。
時間をあまりかけずに勉強して、優秀になる――。将来、自分に子どもができたら、こんな子に育てたい。では、どうすればできるのだろう? ここから私の「勉強」に関する探求が始まりました。
大学生になり、家庭教師を始めました。2、3歳しか違わない生徒でしたが、成績が上がると子ども達はこぼれんばかりの笑みを浮べて喜んでくれます。教えるのが楽しくて仕方ありませんでした。
同じ内容を教えるにしても、子どもによって理解度はまったく違いますし、説明の仕方ひとつで、驚くほど反応が違います。
この子には、どういうふうに教えるのがいいんだろう? そんな試行錯誤を繰り返していたことが、自分の子どもを育てるときにも、役に立ったと思っています。
そうやって娘と息子、2人の子育てをしながら、再び家庭教師に復帰したとき、また新たな発見がありました。それまでは、「教える」という立場でしか子どもを見ていなかったのが、自分自身も親になったことで、それまで見えていなかった側面が見えるようになりました。親が子どもに与える影響というものが、手に取るようにわかるようになったのです。

勉強ができる子どもと、なかなか伸びない子どもでは、親や家庭に違いはあるのか? という話は、子育て中のお母さんにとっては、非常に気になることだと思います。だから最初にお伝えしておくと、違いは、あります。しかも、はっきりとした違いがあります。

それは、親が「勉強しなさい」と言うかどうか、この一点に集約されます。
その違いが、子どもが自分から進んで勉強するようになるか、どんなに試験が間近に迫ってもまったく勉強しようとしないか、その分かれ道になります。そして、自分から勉強する子どもは、どんどん能力を伸ばしていきますが、親にガミガミ怒鳴られながら、イヤイヤ勉強させられていた子どもは、あっという間につぶれてしまいます。
子どもにとって親はどういう存在なのか、どういう親ならどんな子どもに育つのか。わたしは家庭教師ということもあって、とくに勉強に関して、親の重要さを感じました。子どもを伸ばすのも親なら、子どもをつぶすのも親なのです。

どんなに生まれ持った能力がすばらしくても、努力をしなければ、その子は伸びていきません。反対に、標準的な能力であっても、ちゃんと努力をした子どもは、どんどん伸びていきます。それを左右するのは、すべて親なのです。
子どもが勉強しないのは、すべて親のせい――とまでは言いませんが、多くの親御さんがよいと思ってやっていることが子どもをダメにしていることも多くあります。
くわしくは本文で説明していきますが、親が子どもの勉強に積極的に参加して、あれこれと手助けをしてあげることを勧めたいわけではありません。放任主義がいい、と言いたいわけでもありません。
ただし、「勉強しなさい」と言わずに子どもから進んで勉強机に向かわせるには、中学校入学まで、つまり12歳までが勝負となります。
わたしの子どもたちは、本人の希望通りの大学に入れました。だから、わたしと同じようにすればいい、と言うつもりもありません。わたしが家庭教師や塾講師として見てきた子どもたち・親たちの話も同じです。
本書の内容も大いに参考にはしていただきたいですが、決して、そのまま真似はしないでください。そうではなくて、「あなたの子どもにとっては、どうするのがいちばんいいのか」を探し抜いてほしいのです。
そして、あなた自身が楽になれる方法についても、ぜひ考えてみてください。
子どもが大いに才能を伸ばすと同時に、親も子育てを楽しみましょう。

もくじ

はじめに

1章 子育てに「正解」はないけれど

ガミガミ母さんにならないために知っておきたい13のこと

子育てに自信のあるお母さんなんて、どこにもいません
二度と取り戻せない貴重な日々。だから楽しんで!
お母さんは心配性。でも、それは「妄想」かも?
いつでも正しいことを言うのが正しいわけではありません
子どもに勉強してほしかったら、親がまず最初にすべきこと
「ありがとう」が子どもの自信を育てる
子どもの才能を伸ばす、親の信じる力

子どもが「帰りたくなる家」になっていますか?
子どもへの愛情が「支配」に変わるとき
自分を見つめ直す時間をつくるためのヒント
子育てでいちばん大切なのは、親がブレないこと
子育てを楽しむために、たまには子育てを忘れてみよう

成功にルールはない。でも、失敗の法則は同じ

2章 子どもを伸ばす「声かけ」の秘訣

質問型コミュニケーションで親も子どももハッピーに

子どものやる気をつぶす、最強の言葉とは?

「早くしなさい」が、受験を失敗させるかもしれない?

「しなさい」から「どうする?」へ│ 質問が子どものやる気を生む
親の質問で、子どもの答えは変わる
質問に答えることで、「考える力」が身についていく
「聞く」ことが子どもの自信を育てる
「○○してはダメ」は、禁断の果実
「子どもを叱っていい場面は2つだけ」の理由
伸びる子どものお母さんは「ほめ」の天才
「大したことありません」は子どもには理解不能
あなたも「いつも怒っている」と思われていませんか?
言葉よりも強力な笑顔の力
「バカ」と言うとバカになる│ 親の言葉は一生もの
伸びる子、伸びない子、つぶれる子
子どもを伸ばすのは親、つぶすのも親3章 学びの第一歩は「家」にある

「自分から進んで勉強する子ども」が育つ家庭の作り方

子育ては木を育てるのと同じ。根を張らせましょう
勉強しない子どもは、だれの真似をしているか
子どもの「好き」は、学びへの近道
勉強の第一歩は言葉をたくさん知ること
親との会話から、子どもは言葉を覚えていく
言葉は知っているのに、文章を理解できない理由
どうして本をたくさん読んだほうがいいのか
図書館には、子どもの未来を握るカギがつまっている

問題を解くことだけが勉強……ではありません

自分だけの勉強法を、子ども自身に見つけさせよう
子どもを勉強嫌いにしているの、だあれ?
家庭のルールは子どもといっしょに決める
テレビ、ゲーム、携帯電話との上手な付き合い方
整理整頓ができれば成績も自然と上がる
小さな習慣の積み重ねが子どもの将来をつくる
ちょっとしたお手伝いは、一石三鳥!?

勉強ができる子とできない子の、家庭の違い

4章 「伸びる子」にするためのQ&A

子ども部屋は必要ですか?

片づけが下手なのですが、勉強には関係ないですよね?
子どもの質問に答えられないのですが、どうすればいいですか?
子どもの勉強をすべて見る必要はありますか?
ノートが汚いと成績が伸びないって本当ですか?
どこの塾がいいですか?
妹をいじめる息子のことが憎くて仕方ありません
学校の先生からひどいことを言われてしまいました
子どもに思わず「バカ」と言ってしまいました

子どもの勉強について、だれに相談したらいいですか?

おわりに

略歴

楠本佳子(くすもと・よしこ)

「こどもみらい塾(岡山)」塾長。岡山県在住。
広島大学付属福山高等学校、東京理科大学薬学部卒業後、研究所に勤務。家庭教師15年、塾講師4年ものキャリアをもつ。
東大生と早大生を育てた自信の経験と塾や家庭教師で幼稚園児から高校生まで教えた経験、さらにはモンテッソーリ教育、コーチング、心理学、脳科学の成果をまとめた独自の指導法をもとに、未就学児や公学校低学年、さらに高校生の保護者に子どもの生活、しつけ、健康、学習、受験、塾の選び方、進路にいたるまで個別相談を受けている。また、子どもには成績を上げる学習方法のアドバイスを行っている。
相談者からは、「具体的な方法を教えてもらえるので、すぐに効果が出る」との声が多く寄せられている。
こどもみらい塾ホームページ
http://kuccumama.com/
本文・カバーデザイン/ ISSHIKI
本文イラスト/ 神林美生