パリのお惣菜。
『フィガロジャポン』の人気連載が1冊に! 老舗シャルキュトリのスペシャリテから世界各地の珍味・エスニックお惣菜まで、街角でみつけた「おいしい!」全65軒。
- 書籍:定価1760円(本体1,600円)
- 電子書籍:定価1232円(本体1,120円)
- 2007.09発行
内容
☆2004年6月から2007年6月まで『フィガロジャポン』に連載された「パリのお惣菜」が1冊にまとまりました。
書籍化にあたり各店のスペシャリテの味や値段も再調査。
お惣菜の買い方など新コラムやマップもついて実用度もアップ。
全ページオールカラー。
☆「取材でお惣菜屋さんを訪ね、そのスペシャリテを味見するうちに、ここにもフランス食文化の見事な成果がある、と目からウロコの落ちる思いで、いつのまにかすっかりお惣菜屋ファンになりました。」
「シャルキュトリの真骨頂である“骨付きハム”や“頭肉のフロマージュ”の豊かな味。家庭料理として長い歴史を持つグラタンや煮込み。地中海やカリブ海、アルザスやバスク地方など各地から届く珍味の数々。」
「こんな風にお惣菜を買って、パンとワインを添えたら、旅先でも、たとえ一人だったとしても、レストランに行くのとはまた違った豊かな食事ができるでしょう。この本が、そんな時の助けになれたら嬉しいです。」
「あとがき」より
目次
パリ全図
PART1 フランス伝統の味、シャルキュトリのお惣菜。 24軒
ベシャメルソースに包まれた、アンディーヴのとろける味。
●ハムアンディーヴのグラタン――オ・コション・ローズ
香草と野菜の香りに包まれた、淡白なウサギ肉のご馳走。
●ウサギのコンポート――ジル・ヴェロ
新鮮な野菜と粉と卵で作る、南国風の素朴な揚げもの。
●ズッキーニのベニエ――ガストロノミー・デュ・テロワール
頭の肉まで美味なお惣菜にする、貪欲なフランス人に脱帽!
●頭肉のゼリー固め ヴィネグレットソース――ダヴォリ
リヨン名物の大型腸詰めは、香ばしいピスタチオ入り。
●リヨン風ソーセージ――セ・ジェ・トレトゥール
熱々のキッシュは紙袋のまま、立ち食いするのが似合いそう。
●キッシュ・ロレーヌ――メゾン・ブヴィエ
おでんみたいに種を楽しむ、塩漬けキャベツの煮込み。
●アルザス風シュークルート――ミショー・フェレ
夏の陽射しをはね返す、真っ赤で冷たい丸ごとトマト。
●トマトの冷製――メゾン・プー
オーベルニュ名物の生チーズ入りふわふわポテト。
●アリゴ――ア・ラ・ヴィル・ド・ロデズ
パリでも最近は減ってきた、昔ながらの内臓料理。
●グラ・ドゥブル――ディドロ・フォルチュネ
外側は薄桃で、芯は薔薇色。要人たちの愛した極上ハム。
●ヨークハム――ヴィニョン
老舗シャルキュトリの夏のサラダはプロヴァンス色。
●ニース風サラダ――ノブレ
サクサクのパイ皮にのった、トマトとモッツァレラチーズ。
●シシリエンヌ――F・ルテー
フェタチーズが加わると、野菜の味がひときわ冴える。
●ギリシア風タルトレット――レオテー
郊外の城の町で見つけた、お菓子みたいに美しい前菜。
●フォアグラ入り鴨のリエット――オ・ポルスレ・ローズ
緑の島の特産品をはさんだ、味の濃いバゲットサンド。
●コルシカ風サンドイッチ――ユ・スプンティニュ
時間をかけて干しあげた、ほんもののベーコンがおいしい。
●ベーコン――シャルキュトリ・マス
ノエルの季節の人気者、むっちり太い白ソーセージ。
●白ブーダン――コエノン
バスクの山の村から届いた、ぜいたくな鴨肉のご馳走。
●鴨のフォアグラ巻き――ピエール・オテイザ
柔らかく淡白なウサギを、香り高いキノコのソースで。
●ウサギのシャスール風煮込み――ロンスレ
一頭の豚を、頭から尻尾まで食べるためのフランスの知恵。
●塩漬け豚肉の煮込み――ミシェル・ラングロワ
パン焼き窯から生まれた、香ばしい薄焼きピッツァ。
●アルザス風ピッツァ――ラ・シャルキュトリ・アルザシエンヌ
熟練シャルキュティエが手がける、豚肉料理の逸品。
●カイエット――ジョエル・ムールドソワフ
ひと皿のグラタンに想う、王たちの栄光、王妃の夢。
●ザリガニのカソレット――シャルキュトリ・セフェール
コラム1 お惣菜を売っているのはどんなお店?
PART2 各種食品専門店で買えるお惣菜。 14軒
天井画の女神に見守られ、老舗菓子店の昼ごはん。
●仔羊のナヴァラン――ブロッコ
中心がバラ色をした、柔らかな仔羊の焼き肉。
●仔羊のロースト――ヴォライユ・サンシャルル
魚のあらを煮出して作る、熱い黄金色のポタージュ。
●魚のスープ――オ・グラン・ブルー
海の泡から生まれたようなふわふわの白いペースト。
●タラマ・ペースト――アルクティカ
ゼリーの中で薔薇色に輝くハム。ハムの中には野菜のカクテル。
●ハムのゼリー寄せ――ロレ・プラディエ
フォアグラに鴨のロースト、南西地方の鴨づくしを味わう。
●鴨の背肉のロースト――カップ・シュッド・ウェスト
葡萄の葉を食べて育った、野生のカタツムリの香ばしさ。
●エスカルゴのブルゴーニュ風――ラ・メゾン・ド・レスカルゴ
肉料理に疲れたら、潮の香りの魚屋特製サラダ。
●海のサラダ――ダゲール・マレ
朝市のスタンドで食べる、本場ブルターニュの味。
●アンドゥイユのガレット――クレプリ・ブルトンヌ
キャビア専門店で見つけた、色とりどりの海の珍味たち。
●海の幸の盛り合せ――キャビア・ラティアン
秋が深まり、地中海沿岸では新オリーブの収穫が始まる。
●オリーブの実の漬物――ラ・メゾン・ド・ロリーヴ
春の食事の締めくくりは、山羊チーズを中心にして。
●春のチーズ――ジャンティ・ガストロノミー
19世紀末の中央市場を偲ばせる昔風のペースト。
●リンゴ入り田舎風パテ――コントワール・ド・ラ・ガストロノミー
枯葉が風に舞う街角に、鶏の焼ける匂いが流れる。
●ローストチキン――オ・プレ・ド・ブレス
コラム2 お惣菜はどんな風に買えばいい?
PART3 イートインもテイクアウトもOKの軽食店・レストラン。 10軒
南欧料理の主役は、太陽を思いきり吸ったタラ。
●干ダラのブランダード――オ・ピパロット・グルマンド
胡桃、オリーブ、ブルーチーズ……、ひと味工夫した特製スープ。
●胡桃入り セロリのスープ――ゾエ・ブイヨン
太陽の輝きを丸ごと味わう、バスクの赤ピーマンの煮込み。
●ピペラード――パキート
マレの路地裏のエピスリで味わう本格煮込み料理。
●鶏薄切り肉と栗の煮込み、パスタ添え――オ・デュック・ド・モンモランシー
軽くて優しくてぜいたくな、ピエールさんのタルトの世界。
●アスパラガスとアネットのキッシュ――レ・サヴール・ド・ピエール・エミール
究極のフランス家庭料理は、肉とソースとたっぷり野菜。
●仔牛のエスカロップ、マッシュポテトとグリーンピース添え――シェ・ヴー
見かけはグロテスクでも、風味絶妙の内臓ソーセージ。
●5Aのアンドゥイエット――ラ・ポーズ・テロワール
フランス味もエスニック味も、気分で選べるタルト専門店。
●山羊チーズとミントとヘーゼルナッツのタルト――タルト・テ・タルティーヌ
街角に秋風が吹いたら、カキのシーズンの始まり。
●海の幸の盛り合わせ カバーヌ風――ラ・カバーヌ
魚料理とたっぷり野菜。身体がホッとする惣菜店。
●鮭のロールキャベツ――レ・ザンジュ・グールマン
コラム3 デパート、スーパー、市場のお惣菜売り場
PART4 パリで味わうエスニックお惣菜。 17軒
カリブ海からやってきた、ラム酒に香辛料に干ダラ料理。
●干ダラの揚げ団子――シェ・マックス
春の気配を感じたければ、イタリア産のアルティショー。
●春野菜のアンティパスト――リトル・イタリー
野菜や穀物を多用した、レバノン独特の前菜たち。
●パイ包み揚げ、レバノン風――フェイルーズ
野菜たっぷりのパスタは、ポールおばさんの自慢の味。
●コッパとズッキーニとトマトのフジッリ――シェ・タタ・ポール
色美しい豆や穀類が並ぶ、オリエントの乾物問屋。
●ウモス(ひよこ豆のピュレ)――マシス・ブルー
パリでいちばんと評判の、焼き肉サンドのスタンド。
●レバノン風焼き肉サンドイッチ――ル・クール・デュ・リバン
屋根つき市場の片隅で、モロッコ家庭料理を味わう。
●オリーブと塩漬けレモン入り 鶏のタジーヌ
――ル・トレトゥール・マロケン・デュ・マルシェ・デ・ザンファン・ルージュ
焼き肉とエビがたっぷり、豪華なカンボジア弁当。
●バン・ホイ(アンコール風お弁当)――ル・カンボジュ
アルジェリアのクレープは、ピリッと辛くてトマト味。
●アルジェリア風クレープ――ラ・バーグ・ド・ケンザ
アジアの香りの野菜料理は、ヴェジタリアンにも好評。
●ズッキーニの蒸しもの――キム・ハウス
ヨーロッパ大陸を西へ東へとさまよった人々の、故郷の味。
●東欧風前菜の盛り合せ――フロランス・フィンケルシュタイン
地中海沿岸諸国で完成された、巨大ナスのおいしい食べ方。
●ナスのファルシ――エラチアン・フレール
馬鈴薯の故郷アンデスの、元祖ジャガイモコロッケ。
●パパ・レイエナ――カサ・ピカフロール
ナスと羊肉とオリーブオイル。エーゲ海の太陽に育まれた味。
●ムサカ――アポロン
キクラゲや鶏肉を入れて蒸した、モチモチの春巻き。
●ヴェトナム風蒸し春巻き――エスカール・ダジー
モンマルトルの坂道に、夏のアジアの空気を漂わせて。
●ナスの小エビ詰め――メイ・ファ(美發)
家庭的な和食が人気を呼ぶ、市場の中のお惣菜屋さん。
●サーモンそぼろ丼――タエコ
あとがき
地域別索引
著者
稲葉由紀子(いなば・ゆきこ)
1946年生まれ。東京教育大学卒業後、フリーのグラフィック・デザイナーとして「アンアン」や「クロワッサン」など雑誌のレイアウトに携わる。1987年より家族とともにフランスに在住。おもな著書に、『新・パリでお昼ごはん』(小社刊)、『須賀敦子のフランス』(河出書房新社)、『パリの朝市ガイド』(文化出版局)などがある。
●写真/稲葉宏爾
●デザイン/松田行正+日向麻梨子+土谷未央