パリの恋愛相談員
なぜかまともな恋愛ができない、男性不信に陥っている、 不倫ばかりしてしまう……。男女関係に悩むパリジェンヌたちが、今日も診療所を訪れる――パリ在住の日本人精神分析家の「恋愛相談日記」。
- 書籍:定価1540円(本体1,400円)
- 2007.04発行
内容
●いつの時代も女性にとっていちばん切実な悩み――「恋愛問題」。
その根っこにあるものは、フランス人でも日本人でも同じです。
●つきあってもすぐにうまくいかなくなる、男性とふつうの恋がしたいのになぜか女の子とそういう関係になってしまう、年上の既婚者と不倫ばかりしてしまう、気がつくといつも男の人に服従している、わたしって本当のマゾヒスト?……さまざまな悩みを抱えるパリジェンヌたちのおしゃべりに耳をすましてみれば、あなたにもきっと思い当たることがあるはずです。
●本書は、パリ13区に診療所をもつ日本人の女性精神分析家が、女性患者の典型的な悩みを紹介し、その原因を「分析」したもの。
もちろん、問題を解消するためのアドバイスもいっぱいつまっています。
その他、四季を通じたパリの風物や家族の日常も綴られた、パリの精神分析家による「恋愛相談日記」。
目次
はじめに
秋 クラリスの場合―――恋愛したいのに、恋愛が“嫌い”?
ダミヤンの場合―――早漏に悩む男。その原因は?
冬ジュリーの場合―――無意識に男性を拒否してしまうわたし……
ファビアン君の場合―――男の子と母親の危険な関係
春 セシール&ベルナールの場合―――「くれくれ症候群」と「お助けマン症候群」
ラウラの場合―――好きな人の子どもを妊娠したとき、彼女が考えたこと
夏 マリアンヌの場合―――わたしはマゾヒスティックな不倫系?
おわりに
恋愛の悩みを解決したいのだったら、ずばり言って、精神分析が一番です。
恋愛とは「無意識に」するものです。
みんな、なぜだかわからないけれど知らず知らずのうちに恋するようになるでしょう?
そして、なぜ恋愛がうまくいかないか?
それは、本当の自分に気づいていないからです。
人は誰でも、自分の無意識には気づかないもの。
だからこそ、精神分析と恋愛は切っても切れない関係にあるのです。
せっかく女性に生まれたんだから、女性らしさ(フランス語で「フェミニテ」といいます)をフルに楽しむべき。
男性にとって、女性は永遠の謎であり、とらえどころのない不思議な存在。そういう女性としての自分をもっと楽しんで、恋愛をしましょう。
心の奥底に凝り固まったトラウマから自分を解放し、女性としての自分を見つめる――そのための精神分析なのです。
著者
那須ティビエルジュ恵理子 Eriko Thibierge-Nasu
精神分析家(Psychanalyste)。カンボジア、プノンペン生まれ。幼少時代をブリュッセル、パリで過ごす。東京リセ・フランコジャポネ校にてバカロレア取得。国際基督教大学人文科学科卒業。渡仏後、精神分析を始める。パリ第7大学心理学科臨床心理療法士の国家資格取得。精神分析家としてパリ13区に診療所を持つかたわら、パリの国立病院で心理療法士として活動し、現在に至る。フランス精神分析界をリードするラカン派の組織のひとつ、Association Lacanienne Internationale(国際ラカン派精神分析協会)メンバー。
著書に『フレンチ ラヴ・ポトフ――恋愛上手な自分に変わる女性分析』(2004,アンドリュース・プレス刊)がある。
http://www.nasueriko.com
●装丁・本文デザイン/松田行正+加藤愛子