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内向型人間のための人生戦略大全
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内向型人間のための人生戦略大全

内向型人間のための人生戦略大全

内向型の著者の実体験を基に職場、交渉事、プライベート、子育て……あらゆる場面で使える、静かな人間にこそふさわしい実践的アドバイスをする。自分の強みや弱みがわかる自己診断テストのついたワークブック形式であなたも学ぼう。
 

  • 書籍:定価2200円(本体2,000円)
  • 電子書籍:定価1760円(本体1,600円)
  • 2014.11発行
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本書によせて ~Dr.フルール・サクラ・ヴェス

 こんなユニークな本はあまり見たことがありません。2人に1人が当てはまるのに日陰者として扱われることの多い「内向型人間」という少数派の人々がテーマだからです。
 
 私は、ジャーマン・スピーカーズ・アソシエーションが主催したある会議でシルビア・レーケンと知り合いました。参加者全員が当たり前のように「大きな声で」自分の意見を主張し合う会議でした。3日間にわたる白熱した議論が終わり、会場を出ようとしたそのとき、彼女と出会ったのです。私は疲れ切っていました。議論の熱狂ぶりと「外向型人間」の気迫に圧倒されてしまったからです。私のエネルギーは尽きかけていました。そんな私の様子を見てとったシルビアは、二、三言、声をかけてくれました。そのたった二、三言が私に、「外向型人間」が幅を利かせている自己中心的な世界に違和感を抱いているのは私だけじゃない、という確信をくれました。

 コミュニケーションについて書かれた専門書は(特にアメリカの書籍を中心に)、人生の勝ち組に属し、自分の意見を常に主張する「外向型人間」、シルビア・レーケンの言葉を使うなら「饒舌で、どんなときも自分を押しとおす自己PRの達人」に向けて書かれたものがほとんどです。そういった専門書は、シルビアのような「内向型」のコミュニケーションコーチにはほとんど役に立ちません。まるでタカがアヒルから泳ぎを教わるようなもので、参考にはならないのです。ですが、タカはアヒルがいる池を離れて空の世界に戻れば王者になることができます。自分の「強み」を活かす、つまり、「羽ばたくこと」ができるからです。人の話を聞くことの大切さを延々と説いた本など「内向型人間」には必要ありません。「内向型人間」はそんな本など読まなくても、人の話をよく聞くことができます。「内向型人間」は本書を大いに活用できるでしょう。「内向型人間」特有の強みとその活かし方が解説されています。「内向型人間」はたとえば交渉の場で発揮できるすばらしい能力をもっています。ですが彼らの多くは、自分の能力をいつ、どう利用すべきかを知りません。「外向型人間」が多く参加するミーティングでどう振る舞えばいいか? 会議でどうすれば本領を発揮できるのか? これは特に上司が知っておくべきことです。なぜなら会議で「内向型」と「外向型」、両方の社員が意見を出し合えば最善の結果を出すことができるからです。こういったことを知らない人が実に多いのです。
 
 本書は「内向型人間」のためだけに書かれたものではありません。「内向型人間」の同僚、パートナー、父親、母親、上司などに関わるすべての人のために書かれたものです。「内向型」のパートナーとどう付き合っていけばいいか? なぜ、彼(彼女)は「外向型人間」とは違う考えをもち、違う行動をし、ゆっくりと考える時間を必要とし、長話を避け、ひとりでいる時間を欲しがるのか? 本書を読んでいただければ、これらの問いに対する答えが明らかになります。
 
 本書はドイツでベストセラーになりました。これは「内向型人間」についての本が今求められている証拠でしょう。

Dr.フルール・サクラ・ヴェス

日本学者、ダイシン禅メディテーションセンター・ウィーン館長
スピーチ専門コーチ、作家

はじめに(一部)

「内向型人間」はどう考え、どう他人とコミュニケーションするのか。これが本書の中心テーマです。

第1部では「内向型人間」の性格に焦点を当て、彼らの強みと弱みを解説しています(「内向型人間」についての基本的な知識を得るためにも必ず第1章から読んでください)。

第2部では、プライベートな場と職場の両方に焦点を当て、「内向型人間」に成功をもたらす有効なコミュニケーション法を明らかにします。特に現状を「内向型人間に合う」ように変えていく方法を記しました。

第3部では、他人とコミュニケーションするなかで自分の強みを活かし、弱みを克服する方法について述べています。人脈を広げたいとき、交渉するとき、スピーチをするとき、ミーティングをしているときに自覚すべき強みと弱みについて説明します。

まずは第1章で「内向型人間」についての基礎的な知識を学び、それぞれの質問に答えてみましょう。すると自分のどの特性がどういった状況で大切なのかがわかってくるでしょう。


 どの章にも私のセミナーの参加者やトレーナー(匿名)の話が出てきます。そのどれもが「内向型人間」の強みを活かす方法を明確にしてくれるはずです。みなさんがこれらの経験談から勇気を得て「内向型人間」のコミュニケーション法を実生活に活かせるようになることが私の願いです。

もくじ

本書によせて 
はじめに 誰の心の中にもかならずある2 つの世界
 
第 1 部
自分は誰か、何ができるか、何が必要かを知る方法
 
第 1 章 なぜ「内気」なのか? 
「内向型人間」とはどんな人か? 
「内向型」か「外向型」かを知るための問い:どこからエネルギーを得ているか? 
今の気持ちを確認してみましょう
「内向型」と「外向型」:発見の過程と新たな認識 
他人を必要とする度合い 
まとめ 
 
第 2 章 「内向型人間」の強み 
見すごされがちな「内向型人間」の強み 
「内向型人間」の強み 
あなたの強みはどこにありますか? 
まとめ
 
第 3 章 「内向型人間」の弱み 
「内向型人間」の「弱み」 
あなたの弱みはなんですか? 
まとめ
 
第 2 部
プライベートと職場での成功の両方を手に入れる方法
 
第 4 章 居心地のいいプライベート空間のつくり方 
信頼関係 
「内向型」のパートナー、それとも「外向型」のパートナー? 
パートナー探し─強みの利用法 
パートナーと一緒に暮らす 
「外向型」のパートナーとうまく付き合う 
「内向型人間」同士の関係 
「内向型人間」のシングルライフ 
子供がいる「内向型人間」 
「内向型」と「外向型」の子供 
まとめ 
 
第 5 章 職場でのふるまい方 
チームの中の「内向型人間」 
「内向型人間」のチームワークを成功させる方法 
「内向型人間」が会社の幹部になったら 
なぜ「内向型人間」は昇進しにくいのか
キャリアアップするためのコミュニケーション:守るべき5つの基本原則 
コミュニケーションツールを利用する 
電話の活用法とストレス軽減法 
安心できるEメール 
Eメールの最適な利用法 
避けられない試練:出張 
「内向型人間」が楽に出張するこつ 
まとめ 
 
第 3 部
注目され、耳を傾けてもらうためにはどうすればいいか
 
第 6 章 人間関係を広げ、深める 
よい人間関係を築くためのコミュニケーション
「内向型人間」に合った人脈づくりとは 
「内向型人間」の強みを活かすコミュニケーション 
心の要求を考慮したコミュニケーション 
社交の場で積極的になる方法 
安心できるコミュニケーション:ソーシャルメディアの活用 
まとめ 
 
第 7 章 交渉
交渉のプロセス 
交渉に活かせる「内向型人間」の強み
交渉に活かせる「内向型人間」の弱み
まとめ 
 
第 8 章 スピーチ 
スピーチを極める方法 
成功するスピーチの特徴 
成功するスピーチの関係図 
スピーチで自分の強みを活かす 
スピーチで苦手なことを克服する 
まとめ
 
第 9 章 会議 
会議の六つの法則 
議論をまとめる:上級者のための会議のすすめ 
会議の準備:確認リスト 
会議で起こるハプニングの対処法
問題のある参加者の扱い方 
まとめ
満ち足りた「内向型」生活に向けて 
 
みなさんに感謝します! 
付録 

著者

シルビア・レーケン(Sylvia Löhken)
シルビア・レーケン博士。「内向型人間」が家庭と職場で自己実現するための方法を説くセミナー講師、コミュニケーションコーチ。学者及びDAAD(ドイツ学術交流会)の幹部として国内外を問わず、政治、組織・機関運営、教育、研究、経営管理、コンサルティングに関わった経験をもつ。これらの経験を活かして「内向型」のビジネスパーソンの指導に力を入れている。
ボンとベルリンの間にある町にアメリカ人の夫と一人息子と暮らしている。DAADの職員として日本ですごした三年間が人生最大の思い出。面白い本と話し相手を常に求め、新たなアイデアを現在も模索中。
 

訳者

岡本朋子(おかもと・ともこ)
ドイツ語翻訳者。大阪外国語大学外国語学部地域文化学科卒業。医薬、経済分野の産業翻訳も手がける。訳書にヴェルナー・バルテンス『ありのままのあなたで健康になる19の習慣』、ベルベル・ヴァルデツキー『いつも気にしすぎてしまうあなたへ』、エファ・マリア・ツアホルスト『誰と結婚しても幸せになる法』(以上すべてサンマーク出版)、ゲルハルト・エルンスト『あなたを変える七日間の哲学教室』(早川書房)がある。

翻訳協力/リベル

校正/鷗来堂
本文デザイン/相京厚史(next door design)
カバーデザイン/大岡喜直(next door design)