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本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えた世界のトップ企業50

ジム・ステンゲル 著

池村千秋 著

川名 周 著

  • 経済・経営

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本当のブランド理念について語ろう

パンパースを100億ドルビジネスに育て、グローバル・マーケティング責任者としてブランド王国P&Gの礎を築いた伝説的マーケターが説く「ビジネスを加速する理念の法則」。消費者との強い絆を築き、市場に君臨する「世界のトップブランド50」も公開。ビジネスリーダーの必読書!

  • 書籍:定価2200円(本体2,000円)
  • 電子書籍:定価1760円(本体1,600円)
  • 2013.01発行
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はじめに――成長を牽引する究極の原動力

 最大限の成長を実現することと高い理念を貫くこと。この二つの要素は、相いれないものではない。むしろ、切っても切れない関係にある。
 世界の五万以上のブランドを一〇年間追跡調査したデータによると、”人々の生活をよりよいものにする”ことを目指す高次のブランド理念をすべての活動の核に据えている企業は、同業他社を大きく上回る業績をあげている。
 私の一〇年間にわたる調査により、ブランド理念の面でとくに優れていると判断できた五〇のブランド――「ステンゲル50」と呼んでいる――の二〇〇〇年一月~二〇一一年一月の投資収益率(ROI)の伸び率の平均は、アメリカを代表する株価指数「S&P500」の構成企業の平均より、およそ四倍も高かった。ビジネスの世界では、高次のブランド理念を追求し、正しいことをすれば、数字の面でも好結果を得られる。この一見すると意外な事実を理解したブランドこそ、それぞれの業種で市場に君臨し、新しい市場を切り開き、長い目で見て最も大きな利益を手にできる。
 どうして、高次のブランド理念が究極の成長エンジンになるのか? どうして、ブランド理念に基づいて行動すると、企業やブランド、そして個人がきわめて大きな成長を遂げられるのか?
この点をあきらかにすることが本書の目的である。
 著者のジム・ステンゲル氏

目次

日本語版への序文
はじめに――成長を牽引する究極の成長エンジン
第1部 新しい成長のシステム
第1章 偉大なビジネスには偉大な理念がある
ブランド理念がもたらす4倍の成長力
強みの分析を忘れて自滅した出版社
ママがこのブランドを選ぶわけ
企業と顧客がゴールを共有する
「顧客がボス」の意識を浸透させる
優れたリーダーの5つの行動原則
第2章 成長するビジネスの条件
「絆スコア」とブランド価値の成長
21世紀のトップブランド「ステンゲル50」
ステンゲル研究の4つの発見
第3章 ブランド理念の木
“ブランド理念の木”の5つの枝
キテレツ企業、メソッドの流儀
<第1の枝>メソッドの理念とは?
<第2の枝>メソッド流で企業文化づくり
<第3の枝>メソッドのブレないコミュニケーション
<第4の枝>メソッドの圧倒的な顧客体験
<第5の枝>メソッドを導く評価基準とは?
第2部 5つつのルール
第4章 [ルール1] ブランド理念を発見する
ピザハット、ブランド理念を再発見する
ビジネス・アーティストが問い続ける「4つの問い」
誰もが名指しで買い求めるジャックダニエル
ブランド理念に新しい命を吹き込む
第5章 ディスカバリーの「終わりのないビジネス」
「視聴者に指図するな」という哲学
なぜ、理念が成長を生むのか?
偉大なブランドはノーと言う
第6章 [ルール2] 企業文化を構築する
リーダーはなにを示すべきか?
不振のP&G子会社に乗り込んで
東欧での新しいミッション
チームづくりのためのリーダーシップ
企業文化を築く10の手法
第7章 パンパースはこうして世界を変えた
停滞した理念、停滞したビジネス
「ここで発明されたものではない」症候群
母親たちに教わった高次の理念
「機械がボス」から「消費者がボス」へ
母親たちとの対話が理想に磨きをかけた
「赤ちゃんのアイデアに基づき、パンパースがつくりました」
本当に重要なことを評価基準に
自己満足に陥らないために
第8章 [ルール3] 理念を伝達し、共有する
世界中の社員が参加するIBMのイノベーション・ジャム
イノセントが築いた消費者との絆
言行一致のコミュニケーション
部署の垣根を取り払い一体性をはぐくむ
成功の決め手は「適材」探し
P&G、消費者コミュニケーションに目覚める
コミュニケーションにイノベーションを起こす
企業のあらゆる行動は「メディア」である
第9章 [ルール4] 理念に沿った顧客体験を提供する
完璧な体験より理想的な体験
ネットフリックスの止まらないイノベーション
ザッポスの10のコアバリュー
ザッポス体験を生む企業文化
顧客と同じくらい、社員を大切にする
理想的な顧客体験を生むイノベーションの5つの原則
第10章 [ルール5] 理念に照らしてビジネスと社員を評価する
成長を継続させるための評価の4原則
第11章 ブランド理念を進化させ続ける
ハートに火がついたモトローラの社員たち
800人の「ブランド大使」が果たした役割
ヒューレット・パッカードの進化するブランド理念
おわりに――ビジネスのストーリーを変えるために
付録  「ステンゲル50」のブランド理念
解説   川名 周

略歴

[著者]
ジム・ステンゲル Jim Stengel
P&Gの元グローバル・マーケティング責任者。同社に25年間在籍し、パンパースやオレイなどのブランドを「消費者がボス」の視点から再生させ、ブランド王国P&Gの確固たる地位を築く。2001~2008年までグローバル・マーケティング責任者を務め、年間80億ドルの広告費を動かし、収益を倍増させた実績をもつ。2008年に退社後はジム・ステンゲル・カンパニーを設立。コンサルティングを行なう傍ら、UCLAアンダーソン経営大学院の非常勤教授として、マネジメントを教えている。2011年にはフォーチュン誌が選ぶ「ドリーム・マネジメント・チーム」の最高マーケティング責任者に選出。

[解説]
川名 周(かわな・あまね)
株式会社博報堂エンゲージメントプロデュース局長。1985年博報堂入社。以来20年間、マーケティングセクションにて、様々な業種の広告主に向けた新商品開発、広告戦略立案、ブランド戦略構築等に関わる。2006年i-事業推進室を経て、2010年より現職。デジタル基点の統合マー
ケティングを担当。駿河台大学メディア情報学部客員教授、日本マーケティング学会員。共著に『「自分ごと」だと人は動く』(ダイヤモンド社)がある。

[訳者]
池村千秋(いけむら・ちあき)
翻訳者。おもな訳書に『ワーク・シフト』(プレジデント社)、『グーグル ネット覇者の真実』(共訳、阪急コミュニケーションズ)、『マネジャーの実像』(日経BP社)、『フリーエージェント社会の到来』(ダイヤモンド社)、『ホワイトスペース戦略』(阪急コミュニケーションズ)など。

●装丁・本文デザイン 轡田昭彦/坪井明子
● 校正 円水社